近年、ユーザー数が増え注目を集めているTikTok広告。まだ参入企業は多くないなかで、CPAをあわせてCVを伸ばす事例が出てきました。獲得に必要な「そもそもの仕組みは?なぜCVを獲得できるのか?」「取り組む際の注意点」をまとめました。
Tiktok広告で売れる動画を作るための3つのポイントをまとめました。
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中高年女性向けコスメやサプリで、CVを伸ばす成功事例も
2022年に入ってから、TikTok(ティックトック)上の動画広告からCVを伸ばすD2C企業の事例が増えてきました。
弊社が広告運用してきた企業は、メイクアップコスメやダイエットサプリなどの化粧品・健康食品が中心です。そのため、「TikTokは若いユーザーが多く、D2C企業や中高年をターゲットとする単品リピート通販企業の商材は合わないのでは?」と懸念されることも。
しかし、TikTokから獲得できた顧客の属性データを見ると、45歳以上が3分の2以上を占めたケースもありました。10代や20代の比率が著しく高くなるケースは限られます。
「LTVが低いユーザーを獲得してしまうのでは?」との懸念もありましたが、他のSNSや動画メディアと比べて低い傾向は見られません。
たしかに最適化されていない段階では、ターゲット外の10-20代の獲得比率が高くなり、初回離脱率や引き上げ率が悪化するケースもありました。しかし、ターゲットに即した年齢層からCVが増えるようになると解消され、“顧客の質”は問題なくなっています。
TikTokは、LINEやInstagram/Facebook、YouTube といったチャネルと同様に、D2C企業にとって採算が合うプラットフォームになってきました。ユーザー数の伸びを鑑みても、主力チャネルの1つになると期待されています。
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TikTokを使っていないマーケター向け、ざっくり理解したいポイント
そもそもTikTokはどのようなものか、普段使われていない方向けに簡単に説明すると、TikTokとは「主に15秒〜3分 ※1の短い動画の作成・投稿に特化したショートムービープラットフォーム」で、モバイルからの閲覧者が大半を占めます。月間アクティブユーザー数は世界全体で10億人以上(2021年9月末時点)にまで拡大しています。
※1 直近では10分動画の投稿が可能に(参考)
2017年に日本で流行し始めた頃は、若年層のユーザーが圧倒的に多かったのはたしかです。しかし、2022年現在ではその理解は過去のものになっているといえます。
では、「なぜTikTok広告から、D2C企業がCVを獲得できるのか?」を理解するためのポイントを解説します。
ポイント1:TikTokはもはや「若年層向けメディア」ではない
「博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ コンテンツファン消費行動調査2021」によるとTikTokユーザーの平均年齢は34歳。この数字は2019年以降、毎年上昇しています。またコンテンツへの支出に積極的で、他プラットフォームの全体平均が約4万2538円に対して、約8万5862円とオンラインでの購買意欲があるユーザーが多いと考えられます。
ユーザー層の広がりにともない、動画のジャンルも多様化。フィットネスや音楽、ペット、旅行・グルメなど様々な分野の動画が投稿されるようになっています。
ポイント2:テレビと共通する、“視聴者が受け身でいられるメディア”
TikTokユーザーの大半は、仕事や家事の合間、手持ちぶさたな時間のエンタメとして視聴しています。そのため、様々な新しい情報を求めて利用している方が多いのも特徴です。
特定のものを調べたり、友人の近況を知るなど目的がある他のSNSに比べて、TikTokでは「好きなコンテンツを見つける」「なんとなく楽しむ」といった目的が多くなります。「おすすめフィード」では次々と動画がレコメンドされ、自身がフォローしているユーザー以外の動画もランダムで登場するのでユーザーを飽きさせません。
”面白ければ見る” ユーザーが多く、期待に応える動画を提供できれば広告であっても観てもらうことは十分に可能です。実際に、Kantar社の広告への好感度を調査した「グローバル広告エクイティランキング」によると、5つのメインプラットフォームの中で1位をとるなど、世界の消費者はTikTok上の広告に好意的であることが発表されています。
ポイント3:高精度のレコメンドシステム
このような「なんとなく時間が空いている」といった利用シーンで特に支持されているのが、「おすすめフィード」です。フィードは、フォロー外のユーザーの動画も見ることができる「おすすめフィード」と「フォロー中」の2種類にわかれます。「おすすめフィード」はユーザーの興味に合わせたレコメンドの精度が非常に高いため、平均視聴時間は約1時間、滞在時間の8割を占めるというデータもあります。
ユーザーは自分の興味・関心の度合いによって、視聴する動画をスキップしたり、同じ動画を何回も繰り返し見たり、「いいね」やフォローをしたりするなど、自由に視聴できます。TikTokはこれらのユーザーの視聴態度をもとにレコメンドしているため、ユーザーは動画を観れば観るほど自身の興味がある動画が「おすすめ」に表示されます。
この「レコメンドシステム」の技術を広告にも活用しており、Cookieなど第3者サイトの情報に頼らずとも、精度の高いターゲティングが実現可能です。自社のターゲットユーザーに広告が表示される度合いが他のプラットフォームと比べても高いと言われるTikTokですが、このレコメンドシステムが大きく影響しています。
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D2Cでは競合も少なく、2022年は参入タイミング
このようなユーザーとレコメンドシステムの変化によって、TikTokからCPAを合わせてCVを伸ばせる環境は整いました。しかし、LINEやYoutube、Instagramといったメディアと比べて広告予算を投下しているD2C企業の割合はまだ高くありません。その理由を2つの観点から解説します。
1. 商材とターゲット特性との相性
ユーザー層が広がったといっても、ターゲットのメイン顧客が65歳以上である場合は、まだ獲得が困難です。また、短尺の動画ということで「ビジュアルでわかりやすく特長を訴求できる商材」の方が、反応が良い傾向にあります。
たとえば、差別化要素をビジュアルで打ち出しにくい商材よりも、使用した際の変化が見た目でわかりやすい商材の方が、反応が良くなります。もし視覚的なインパクトを残しにくい場合は、「顧客層はニッチでも、差別化ポイントを打ち出しやすい商材」が売れやすい傾向です。
2. 動画の制作・運用体制
TikTok広告は、動画が“疲弊しやすい”ため、数多くの動画をスピーディに制作していく必要があり、この体制作りは運用する側にとって大きな壁になります。
ユーザーに評価されない動画は視聴時間が短くなったりクリック率の悪化、「いいね」や、共有といったインタラクションが得られません。レコメンドシステムが発達していてもインタラクションが得られないと、配信先の最適化ができずターゲットにそぐわないユーザーに表示され続けてしまいます。
つまり、反応が悪かった段階で配信を止め改善する、成功事例が出た後もさらに別パターンを試すなど、スピード感のある制作体制が求められます。
動画のフォーマットも特徴的で、TikTokならではの全画面の縦長動画です。YouTubeは横長、Instagramのフィードはスクエア型など他メディアとは異なります。スピーディな動画制作、効果の分析、PDCAを回す運用体制を整えられるか?がポイントになります。
50代以下がメインの客層で、商材の特徴をビジュアルで表現しやすい企業なら、ぜひTikTokにトライしてみてはいかがでしょうか?競合が増える前に成功パターンを作り、低CPAで新規獲得を伸ばしている企業も出てきています。
2022年は、TikTok広告に参入しやすいタイミングだと考えています。
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