TikTok広告でCPAを合わせCVを伸ばす成功事例は増えてきましたが、D2Cで予算を割く企業が現状多くないのは、前回の記事でお伝えしたとおりです。その原因の1つは、“勝ちクリエイティブ”を作り維持する難易度が高いことです。テストを繰り返すなかで見えてきた、成功パターンとPDCAの回し方を解説します。
Tiktok広告で売れる動画を作るための3つのポイントをまとめました。
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TikTok広告で、動画の成功パターンが見えてきた
TikTokではコンテンツの多様化が進み、現在はフィットネスや旅行、ペットなどに動画ジャンルの幅が広がっています。一方で、TikTokが持つ独特の世界観に、健康・美容系商材の訴求メッセージを合わせるのが難しい感覚を抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、600本以上のクリエイティブを制作し、テストを繰り返すなかで、一定の成功パターンが見えてきました。弊社では、まず最大60秒間の動画を5つのパートに分けて制作しています。
冒頭のつかみでは、「広告っぽさ」をなくすとスキップされない
まず守ってもらいたいのが、冒頭の3秒間は商品を登場させないこと。TikTokのユーザーには、「広告だから」というだけで動画をスキップする層が一定いるため、最初から「広告」と認識されるとその後のアクションにつなげることが難しくなります。
具体的には、プロが撮影したような洗練された動画ではなく一般人が撮影したような画角にしたり、テキストのフォントや配置を一般ユーザーの投稿に寄せるなど、「広告っぽさ」をなくすことを重視。ユーザーが馴染みあるテイストにして、まずは視聴してもらうことを目指します。
最近では、TikTokのクリエイターがよく行っているコメントに動画で返信している風の広告など、通常の投稿の間に出てきた際にユーザーの違和感がより少ない広告も見られるようになってきました。
とはいえ、見てもらうことばかりに気を取られ、視聴していたのが商品を購入する見込みが低いユーザーばかりだった場合、CVにはつながりません。そこで大事なのは、動画の冒頭で「◯◯な人、集合」や「〇〇で困っている人、聞いて…」と呼びかけること。
これは、通販広告で典型的に使われる「◯◯でお悩みの方へ」や「△△に当てはまる方はチェック」といった絞り込みを、TikTokで見ても違和感のない表現に落とし込んだものです。
企業視点ではなく、「この商品〇〇ですごかった!」というようなユーザーのUGC風に見せられると他の投稿に馴染んで獲得につながりやすいと考えています。
「この動画だけ!」で、オファーの希少性をアピール
「つかみ」ができたら、商品を見せて「使ってみたら、こうなった」といった体験談を語ったり、人物を使って使用後のイメージを想起させます。
本格的に商品が気になったところで「ランキング◯位」や「〇〇No.1」といった実績・信頼性をアピールできるとスムーズです。
最後にオファー、というオーソドックスな流れですが、ここでTikTokならでは感を出せると希少性のアピールにつながります。
「この動画を見た人はラッキー!」や「検索しても出てこない!」といったように、割引価格の限定性を強調できるとCVRが高まりやすい傾向です。もちろん、景表法の範囲内で表現をする必要があるので、事実に沿った限定表記になっているかなどのチェックは必要です。
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“疲弊”に打ち勝つための、制作体制と他メディア展開
このような基本パターンに沿って、テストを繰り返して当たりクリエイティブができたら、次に考えるべきは “疲弊” への対策です。他の運用型広告と共通で、効果の高い動画のリーチ数が増えるほど、CTR、CVRが徐々に落ちていきます。
弊社が支援してきた中の1事例ですが、CVRが2.5%から0.6%になったケースも。
特にTikTokではレコメンドの技術が発達しているため、ユーザーの属性にマッチした動画を届けられるか?が重要です。
そこで解決策は、「分析・改善によるPDCA」と「他メディアの展開」の2つ。
スピーディに動画制作、分析・改善とPDCAを回す
まずは、数多くのパターンをスピーディに制作、効果を分析、PDCAを回しながら運用する体制を整えることが重要です。動画制作は長さや音源の選択など変数が多く難しいことに加え、さらに難易度を上げているのが、TikTokのフォーマットが縦長であること。
YouTubeでは主流が横長、Instagramのフィードの主流はスクエア型であり、縦型動画に慣れたクリエイターや、ノウハウを蓄積した制作会社・広告代理店はまだ多くありません。
最近では、横長の動画をそのまま転用して使うケースもありますが、弊社の成功事例は縦長の動画が主です。このような難しさもあって、当たりパターンを作れている、そして維持し続けられているD2C企業が多くないといえます。
TikTokは動画のトレンドの移り変わりが早いため、的確にPDCAを回すには、制作から分析、改善まで一貫して行える制作体制を整えられると効果が期待できると考えています。
縦長動画の成功パターンは、LINEやInstagramでも展開可能
TikTokで制作した広告動画は、Pangleというモバイル広告のプラットフォームでも掲載可能です。TikTok広告の出稿に使用する媒体から設定でき手間が少ないため、まずは挑戦してみることをおすすめします。
Pangleは、主にモバイルアプリの使用途中やコンテンツの間に差し込まれる動画が露出先です。広告の種類は、フルスクリーンの動画広告やゲーム紹介によく使われるプレイアブル広告などがあり、日本のDAUは5,100万人とより多くの露出を担保することができます。
TikTokで制作した広告動画を、縦長動画を主流とする他のプラットフォームにも展開していくと、制作した動画をより効果的に活用できます。例えば「LINE VOOM」やInstagramの「ストーリー」、「リール」は、基本的に全画面表示の9:16サイズなのでTikTok用に制作した動画を活用可能です。
では、「 ”フォーマットが同じなので活用可能” と言っても、TikTokで当たった動画が他プラットフォームでも当たるのか?」というと、未知数な部分もありますが複数の成功事例が出てきたため獲得可能だと考えています。
もちろん各プラットフォームのテイストに合わせる必要はありますが、当たった訴求や素材などは活用することができます。
TikTokで当たったものがLINE VOOMやリールで展開できる背景として、視聴するモチベーションが似ている点が挙げられます。TikTokにあるようなテイストの動画がまだ多くない一方で、TikTokと同様に余暇の時間に見る人が多いためではないかと考えています。
逆に他のプラットフォームで反応の良い動画をTikTokに展開して当たるかどうかは、まだ模索中の段階です。ただ、最近ではInstagramのストーリーで展開していた動画をTikTokで配信したところ当たった事例も出てきました。
PangleやLINE、Instagramなどの方が現時点ではユーザーも多く、また疲弊も少ないため、TikTokで開発した成功パターンを応用できると捉えています。
弊社ファインドスターでは、制作から分析、検証と改善まで一貫して動画制作のサポートを行っています。実際に出稿されている動画1,800本以上を毎月収集し、徹底的なシナリオ分析を行うなど、自社でスピーディに動画を制作できる体制を整えています。TikTok広告にトライしようとされているD2C・サブスクリプション企業の方は、ぜひご相談いただければ幸いです。
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