YouTubeなど動画広告では、直接CVだけでは効率が合わず、間接CV(アトリビューション)も合わせ費用対効果を見る流れもあります。
そんな中、サプリやコスメなどのD2C企業で、直接CVだけを見て効率が合わせられるように。獲得件数を月1,000-2,000件までは伸ばせる事例も出てきたので、成功事例をもとに、YouTube広告で売れる動画の作り方を解説します。
YouTube広告で大手メーカーが売上を伸ばすための方法をまとめました。
⇒解説資料はこちら
アトリビューションに頼らず、その瞬間に買ってもらう
動画広告では、「直接CVを目標CPAに合わせるのは難しいので、間接CVを含めてアトリビューション効果を見ましょう」と専門家にアドバイスされた経験があるかもしれません。
しかし、広告出稿する際に求めているのは直接CVで他メディアと比べ効率が合うこと。広告を見てそのまま購入してくれるような動画を制作できないか?と試行錯誤するなかで、勝ちパターンが見えてきました。
潜在層からのCV獲得に有効な「記事広告」の流れを再現したところ、動画でも直接CVにつながるように。
具体的な構成を美容サプリを例に説明しましょう。
記事広告の場合、まずは静止画のバナー(誘導枠)で興味を持ってもらいます。遷移先の記事LPでは「この美容の悩みは、私に当てはまる」「このサプリを摂れば必要な成分を補える」など、共感や期待感を醸成。最後に、期間限定割引きなどのオファーを表示して、購入意欲が高まったユーザーをLP(商品LP or アンケートLP)に送客します。
これらの流れを動画に置き換えた場合、下記の画像のような構成になります。
このような動画で、他メディアと共通の目標CPAをクリアでき、獲得件数を月1,000-2,000件まで伸ばせる事例も出てきました。
また、YouTube広告を見たあとに検索広告で購入する間接CVはほとんど発生せず、YouTube広告の動画見て直接CVする人がほとんどでした。広告を見て、その場で購入することが確認できました。
YouTube広告で大手メーカーが売上を伸ばすための方法をまとめました。
⇒解説資料はこちら
CVの獲れるYouTube広告動画の「型」とは?
では、どのように作っていけばよいのでしょうか。
動画広告というと、制作スピードや撮影にかかる時間・費用などがネックになり、PDCAが回しづらいというイメージもあるでしょう。
そこで弊社がそのデメリットを解消するために採用している方法が「スライドショータイプ」の動画。既にある静止画素材やストックフォト※を使ってスライドショー風の動画を制作します。
※広告や報道などで利用できる写真素材のこと
インフォマーシャルのような映像の方がリアリティがあり、訴求力は強いですが、撮影やキャスティング、編集などにかかるコストも、数百万円から1,000万円単位など大きくなります。
スライドショータイプなら10万円単位の制作費でスタートできます。さらに、ブラッシュアップや部分変更をしやすく、PDCAが回しやすい点もメリットです。
ポイント1:最初の5秒で、ユーザーの悩みや欲求を伝え関心を惹く
レスポンスに最も影響を与えるのが、冒頭のシーンです。
40代以上の中高年層のユーザーは、「広告とわかっていても、ご自身に関連する内容であれば観てしまう」という層が多いことがわかってきました。したがって、冒頭のシーンでは「ダイエット」や「肌悩み」「血糖値」などユーザーの悩みや欲求をストレートに伝えるのが有効です。
20-30代など若年層あるいは広告リテラシーの高い業界にいる方は、「広告とわかるとすぐにスキップする」方も多く意外かもしれません。
しかし、サプリやコスメをネットで購入したことのある中高年層に話を聴くと、
- 「動画なので情報が多く、わかりやすい」
- 「自分の悩みに関係するものはまず見る」
- 「検索ツールの側面があるため、広告も1つの情報として捉えている」
といった声が出てきました。
自身の関心や属性に合わせて広告が最適化されることを知っているだけでなく、テレビCMと似ているものの、スキップできるため嫌悪感が低くなるのでしょう。自身に関係あるコンテンツだと認識してもらうために冒頭の5秒が重要です。
よく「ユーザーの注目を惹きつけるため、YouTuberのような派手な演出やギミックを入れた方がよいのでは?」などご相談いただきますが、「動画に面白さは要らない」とお答えしています。
YouTubeだからといって特別な見せ方をするのではなく、ターゲットの悩みや欲求にストレートに応える方が良い結果が出ます。バナーや記事、LPなどで活用してきた “売れるトーク” を動画でも再現するのがCV獲得には有効です。
ポイント2:ベネフィットの提示からオファーの提示まで、一気通貫で伝える
顧客が購入するまでに必要な過程(購買ファネル)を動画広告内で完結させるのがポイントです。
冒頭で興味を引き、「口コミ」や「体験談」を続けて伝えてベネフィットをイメージしてもらいます。さらに、「なぜ効果が出るのか」「競合商品と何が違うのか」など数字を出しながら購入した方がよい理由を論理的に説明して納得してもらいます。
最後に、割引価格や初回限定価格などのオファーで今すぐ行動したくなるよう背中を押して、商品LPあるいはアンケートLPに誘導します。
D2CのYouTube広告というと、漫画タイプの動画を目にした方もいるかもしれません。過激なストーリーやコンプレックス表現を用いることも多いため「広告だとわかっていてもついつい観てしまう」という状態をつくる意味では強力です。新興系のD2C企業がアフィリエイターを中心に獲得数を伸ばしているケースが見られます。
しかし、大手メーカーなどは法的リスクやブランド毀損の観点から同様のやり方は取り組みにくい手法です。
では、「YouTube広告で戦えないか?」というとそうではありません。
ユーザーの悩みや欲求に丁寧に寄り添い、商品のベネフィットを伝えていくオーソドックスな流れをとれば、企業ブランドや信用力がプラスに働いてCVRを担保できるでしょう。
YouTube広告で大手メーカーが売上を伸ばすための方法をまとめました。
⇒解説資料はこちら
テストをこまめに回し、4-5ヶ月間で目標CPAをクリア
このように一定の型に基づいて、訴求の異なる動画を最初の3ヶ月で3本程度制作。そのうち効果が良かった動画を、ブラッシュアップしていきます。
考え方は記事広告手前のバナーと同様で、まずは、最も影響が大きい冒頭5秒をテストしましょう。
たとえばサプリなら、「悩み訴求」「成分推し」「タレント登場」など3パターンを作り、CPAを比較。目標CPAに近い数値が出たら、今度は5秒後以降のシーンを同様にテストして最適化していきます。
動画の本編のテストは、記事LPのテストと同様の考え方ですが、制作コストはテキストや静止画と比べると高いため、PDCAを回すのに工夫が必要です。
ターゲット層によっては動画を作り変えることもあります。たとえば、1-2分ほどの中尺動画で想定しているターゲットは、顕在度が高い層で、すでにニーズを感じているため、商品を使うことで得られるベネフィットを訴求します。
潜在層にアプローチする際は、「悩みを放置していたら、こうなってしまいますよ」などリスクを指摘するコンテンツも効果的です。
そのようなコンテンツを追加して、5分間など長尺の動画を制作したり、逆に「商品が直感的にわかりやすい」「成分・素材の認知度が高い」場合は、1分未満の短尺動画を作ります。
これらのテストを繰り返して、最初の3ヶ月で勝ち訴求が見えている状態、4-5ヶ月目には目標CPAをクリアすることを目指しましょう。6ヶ月後には、勝ちクリエイティブが複数完成しているとよいでしょう。
実際にこのような取り組みで月間広告予算1,000万円以上に拡大できるケースも出てきました。今後もYouTube広告で直接CVを獲得できるケースは、増えていくと考えています。
他メディアでCV数やCPAの頭打ちを感じている企業は、今がYouTube広告に挑戦する時だと思いますので、「より具体的な制作の流れや、費用面について興味がある」「自社の商品がYouTube広告に合うか話を聞きたい」などの要望がございましたら、ぜひご相談ください。
⇒ご相談はこちら