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「口紅は男に売り込め!」レッドオーシャンから抜け出す、売り方の発想法

競争の激しい既存市場で、商品を売り続けるにはどうすればよいでしょうか?
「口紅は男に売り込め!」は、ある外資系化粧品ブランドが売れなかった口紅を、5万本を売るヒット商品へと再生した事例をもとにした書籍。
同書の事例をヒントに、売り方の発想やターゲットを変えて、レッドオーシャンから抜け出す方法を解説します。

口紅は男に売り込め!「ネームサービス付き口紅」とは?

 

「ネームサービス付き口紅」

 

今から20年近く前の話となりますが、こんな商品が爆発的にヒットしたのを覚えてる方は、いらっしゃいますか?
(私は小学生の頃なので、知りませんでした・・)

 

口紅は、もちろん女性が使う商品。
購入する顧客ももちろん、ほとんどが女性です。

 

 

著者が日本法人のトップを任された、外資系ブランド「ジバンシイ」は、日本の化粧品市場へは後発での参入。
この口紅を売ろうとアイデアを絞るも、各社の熾烈な宣伝合戦のもと、なかなか数字が上がらない・・

 

少ない広告費のなか、取引先の百貨店からは相手にされず、本社からもプレッシャーをかけられ、途方に暮れていたそうです。

 

そんななか、著者の脳裏に浮かんだのは、「化粧品をギフトとして売る!」というアイデアでした。

 

 

5万本を売る、起死回生のヒット商品に

 

折しも、その頃はバブル景気のまっただなか。

 

「口紅を、男性から女性へ贈る気の利いたギフトとして売り出す」
という戦術が、時代の波、男性の心をとらえます。

 

「口紅に彼女の名前を彫ることで、世界に1つの口紅をつくる」

 

そんなコンセプトのもと(←文字で打つと、少し恥ずかしいですが。笑)キャップに名前を彫るサービスもつけて売り出したところ、クリスマス商戦で大ヒットを記録

 

テレビや新聞でも取り上げられ、これまではなかなか「うん」と言ってもらえなかった大手百貨店で、9店舗で売り場を確保できました。

 

 

こうして、5万本を売り上げる、起死回生のヒット商品となったのが、この「ネームサービス付き口紅」だったのです。

 

 

アイケアの健康食品、どんなお客様に売る??

 

このケースのように、売り込む“ターゲット”を変える、それに伴い、お客様にベネフィットと感じてもらう“切り口”を変えることで、売れなかった商品が、急に売れるようになる。

 

そんな事例は、通販でもありますね。

 

私が、あるアイケア成分の健康食品の広告を制作したときのことでした。

 

目新しい成分で、どんなお客様に、どんなメッセージが刺さるのかもわからない・・
なので、いくつかのパターンを制作してテストをしました。

 

初めにつくったパターンAのターゲットは、30~40代の女性。

 

「長時間パソコンの前にいる」
「夕方までモニターを見続けると・・・」

 

など、事務職の女性ならピンときてくれそうな描写も入れました。

 

 

「テレビがぼんやり」が響くのは?

 

ところが、レスポンスは片手で数えられるほど。

 

「うーん・・・」となかば落ち込みながらも、次に制作したのが、パターンB。

 

こちらのターゲットは、60~70代のシニア層男女でした。

 

「運転免許の更新が不安」や「針に糸を通すのが~~~」「テレビがぼんやり」など、
この年代の方々なら思い当たりそうな日常生活のシーンと合わせて、原稿を組み立て
ました。

 

結果は・・・

 

地方紙でテストしたところ、このとき、CPRで5,000円を切る大ヒットに!

 

“ターゲット”と“切り口”を変えたところ、売れるようになったのです

 

 

このところ出稿量が増えた、運動器具の広告

 

そんなテーマで記事を書こうとぼんやり考えていたとき、電車のなかでiPhoneでRSSリーダーをめくりながら、同じような事例を発見!しました。

 

通販広告心理学「売れない…それはマーケティングベースがないから」

 

 

曰く、最近、ある高齢者向けの運動器具の通販広告を目にする機会が増えているそう。

 

この商品、実はこれまで、ダイエット用の運動器具として売られていたのと同じものだそうです。

 

それを、高齢者の足腰強化のためとして売り出したところ、各社の競争が激しい「レッドオーシャン」から抜け出してヒットしたと書かれています。

 

 

脳内でアイデアが、“発火”する瞬間

 

と・・これまで過去の事例を、さも簡単そうに並べてきましたが、ターゲットを変える、切り口を変える、そんな発想を状況に合わせて思い浮かべるのは、なかなか難しいもの・・

 

いったいどうしたら、革新的なアイデアが、瞬時に浮かぶようになるのでしょう?

 

 

ヒントになるかもしれない!と思ったのは、「口紅は男に売り込め!」に書かれていたエピソードです。

 

著者が八方ふさがりで思い悩んでいたとき、出張先の新大阪駅、キオスクで見かけたのが、「100円のネーム入りキーホルダー」。

 

観光地のお土産屋さんでも見かける、「けいこ」「ゆきえ」「まさみ」など女の子の名前が彫られている、普通のキーホルダー
これを見たとき、これまで脳内に入り込んでいた情報が、まるで発火するように、すべてつながったそうです。

 

その場で一気に、「口紅をギフトとして売り出す」というアイデアが生まれたのでした。

 

 

よく言われますが、アイデアの多くは、「無」からではなく、これまで世に出ているモノの組合せから、生まれるもの。

 

だから、異業種の売り方を観察したり、自分でサービスを体験することで、そんな“組合せ”によるアイデアも、生まれやすくなすのかもしれません。

 

 

そのために大事なのは、仕事ばかりせずに、ちゃんと休んで、ちゃんと遊ぶこと!?

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