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通販企業のMAツールの選び方|通販ならではの3つの検討ポイント

導入企業が増えている、マーケティングオートメーション(MA)。BtoBでの営業リード育成や、多品種のECサイトなどでは成功事例が増えていますが、化粧品や健康食品など単品リピート通販では、どのように活用すれば良いでしょうか?MAを導入する前に押さえておくべき3つの視点を、ピックアップした記事とともにご紹介します。

単品通販の事業モデルで、MAツールを使って何がしたいのか?

 

単品通販事業者がMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入を検討するにあたって、はじめに問い直すべきは「MAツールで何をしたいのか?」かもしれません。

 

MAツールの多くは、元々はBtoBの法人営業での活用を想定して開発されています。

 

見込み客(リード)の育成のために、WEBサイトの閲覧やメールの開封・クリックなど、見込み客の行動を可視化してスコアリング。
一定の基準に達したリードを、営業担当者に引き渡すという流れです。

 

対面営業の介在しないBtoCビジネス、なかでも商品数が少なくリピート性の高いのが特徴的な単品通販事業では、いわゆる「MA」の使い方をそのまま導入しても機能しにくいことをはじめに理解するべきなのです。

 

 

したがって、単品通販のビジネスモデルに精通している方ほど、性急なMAツールの導入には懐疑的な印象も受けています。

 

導入効果を具体的に知りたいんですよね。あるなら、もちろんやりたいですが。
経験上、結局、自分たちであれこれ試しちゃうので、単品通販モデルでは導入して劇的な変化が出る気がしない。もちろん、人件費削減効果等はあるでしょうが。(化粧品通販)

 

順番的には、MAを入れる前にCRM専任メンバーを入れて、クリエイティブをガンガン変えて回すほうが、費用対効果は良くなりそうですよね。(メガネ通販)

 

理想は、MAとDBを連携してリードを獲得し、2ステップやCRM施策をコツコツ改善しながら、タイミング見てどんと全配信ですかね。
ただ、コツコツやるにはMAは高価なので、単品通販事業者側から見るとシビアにならざるを得ない。
効果が出る保証がないと、やりたくてもできないです。半年から1年は腹をくくる必要がある価格だと思います。(化粧品通販)

 

MAって実際どうなの? ガシー・レンカー・ジャパンとメガネスーパーにホンネを訊く」より

 

「事業モデルに即して導入する」という意味では、「ステップメールを送る」というシンプルな用途で、MAツールを活用している企業もあります。
(参考)定期通販・月額課金モデルでの、MA活用事例3選

 

もし単純にステップメールを送るだけなら、既存のメール配信システムで十分に対応できるかもしれません。
MAツールを、「単品通販の事業モデルのなかで、どのように有効に機能させるのか?」を改めて問い直す必要があるのです。

 

 

「カゴ落ち」メールなど“鉄板”施策は、実装できるか?

 

前章の議論を裏付けるように、「MAツールを導入しても、使いこなしている企業が少ない」「目的があいまいなまま導入している企業もある」と指摘するのが、2つ目の記事。
「カゴ落ちアドバイザー就任!オイシックス西井さんと語る『売れないECサイト、僕らが最初に改善するなら』」です。

 

対談のなかで驚かされたのが、数多くの機能を備えているMAツールのなかでも、「カゴ落ち対策だけで5~6割はカバーできる」という主張でした。

 

カゴ落ちとは、カートに商品を追加したユーザーや申込フォームを訪問したユーザーが購入(コンバージョン)まで至らない現象のこと。

 

この“カゴ落ち”したユーザーに、たとえば「お買い忘れはありませんか?」というメールを送ります。
メールアドレスを登録していない方には、商品画像付きでリマーケティング広告を出します。

 

“あとちょっと”でコンバージョンに至りそうだった、購買意欲の高いユーザーをメールや広告で追いかけ、高い成果を実現できると言います。

 

カゴ落ちメールとカゴ落ちリマケ広告を実施しているクライアントの例です。
特筆すべきは、開封率43%、クリック率10%、それにクリックした人の半数が購入に至っているという点で、これは驚異と数値だと思います。
月間で140万円以上の売上増加となり、当然お客様にもご満足いただいています。

 

 

成功確率の高い施策として他にも挙げられるのが、「お気に入りに追加した商品のリマインドや、値下げした商品、欠品していた商品の再入荷通知など」。
導入時に考えるべきは、コストを回収すべく今すぐに効果を出せるような、”鉄板”とも呼べる施策は実装できるのか?
鉄板施策は、自社のマーケティング施策全体のなかで有効に機能しそうか?という問いかもしれません。

 

 

LINE・SMSに、コールセンターや店舗との連動まで・・EC事業の未来に描ける可能性は?

 

3つ目に考えたいのが、EC事業の未来において、どのような可能性が描けるか?です。

 

この問いに答えるうえで、ぜひ読んでいただきたいのが、「ディレクタス岡本さんに訊く!EC事業者にとって最適なMAツールの選びかた」です。

 

BtoC向けのMAについて、この記事を読んでとらえたポイントは2つ。

 

1つ目が、“企業都合”(例:一斉配信メルマガ)ではなく、“顧客起点”(例:購入●日後のステップメール)の1to1コミュニケーションであること。
2つ目が、メールだけでなくLINEやSMS、郵送や電話、店舗にオンライン広告など、あらゆるチャネルを活用することです。

 

たとえば、オンラインストアの購買履歴に基づき、メールやウェブでおすすめ商品を紹介するというのはめずらしくありません。
今ならLINEでもできますね。
さらに、そのお客様が実店舗に来店された際には、会員証アプリのチェックインで店員の持っているタブレットに同様の情報が表示され、コールセンターに電話が掛ってきたときにもオペレーターのディスプレイには、そのお客様に伝えるべき情報が表示されている

 

このような状態が、1つのプラットフォーム上で統合された顧客データにもとづいて、自動的に実行される。
それがMAの本質
というのです。

 

BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門
BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門

記事でインタビューに答える岡本泰治氏の著書

 

 

“単品通販流”アナログ接客を、テクノロジーで高度化

 

一人ひとりの顧客に寄り添い、One-to-Oneのコミュニケーションで最適な体験を提供する。
実は化粧品や健康食品など単品通販の事業モデルのなかには、この“顧客起点”および1to1コミュニケーションが組み込まれています。

 

たとえば引き上げのため送られるDM・ステップメールや、継続率アップのため送られる同梱物。
購入回数や初回購入からの日数などによってセグメントされ、その時点で顧客が抱きがちな疑問や悩みに対応したコンテンツが設計されています。

 

またリピート顧客に手書きの手紙を送ったり、コールセンターのオペレータがまるで友達のように顧客と仲良く会話したりなど。
1to1でのコミュニケーションを企業風土に組み込むことで、高い収益を実現してきた単品通販企業もあります。

 

一部の単品通販企業がアナログのコミュニケーションで形づくってきた、顧客との強い“絆”。
それらを時代に即して、また発達したテクノロジーを活用して、どのように高度化させていくか?という観点から考えてみてはいかがでしょうか。

 

見込み客の獲得から定期引き上げ、ロイヤル顧客化まで、長いお付き合いのなかでLTVを最大化していく。
ヒトだからできる仕事は残しつつ、可能な部分からテクノロジーで代替して、自動化していく。

 

MAツールの導入を検討したり活用法を企画したりする時に、この記事で提起させていただいた視点もぜひ考えてみてください。

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