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通販会社の未払いリスク・マネジメント〜1%の潜在不良顧客に苦しむ通販会社〜

どの通販会社にも一定割合存在すると言われる「未払い」。

ネガティブな話題だけに、会話に上ることはほとんどありません。

 

しかし、ちょっと突っ込んで通販会社さんと会話していると、未払いに対してあれこれ手を焼いているという声を聞きます。
「徹底的に追いかける」とか、「未払いがあってから、決済方法をカードや銀行振込だけに限定した」といった対応をとった企業や、「一定割合をコストと見ている」と冷静に対処している企業、「弁護士事務所などと連携して債権管理体制を整えている」といった企業まで様々です。

 

本コラム執筆者の東弘樹氏は、「仮にたった1件の未払いでも、多くの通販会社は感情的に大きなダメージを受けてしまい、本来なら未払いよりも利益があがっていた後払いなどの決済手段廃止に踏み切ってしまう。これは実は大きな損失だ。」と言い切ります。

 

新規獲得や、リピート顧客獲得といった、攻めのコンテンツに比べると債権管理などのリスク・マネジメントは地味な内容に見えますが、売上規模が大きくなればなるほど、損失は無視できない金額になるため、知識だけでも今からインプットして、御社の成長にお役立てください。

 

リスクをマネジメントできないと、伸び悩みや倒産まで

 

通販業界は、10年以上も右肩あがりが続いている、数少ない成長業界です。
ところが、成長するにつれて様々なリスクも発生します。

残念ながら、多くの通販はこのリスクに耐えきれず自らブレーキをかけ、伸び悩んだり、最悪の場合は閉鎖や倒産に追い込まれていますが、こうした事実はあまり知られていません。

特に、インターネットの普及で簡単に通信販売を始められるようになった分、ほとんどの方が、まさか自分の会社の売上が伸びるにつれて、未払いなどお金にまつわるリスクが大きくなるとも思わないのか、直面するリスクに耐えきれないのです。

結果、苦労してあげた収益を削って問題を解決するのが当たり前の様になってしまっています。

 

苦労して手に入れた利益を「優良顧客への投資」ではなく「悪意ある購入者への対処」に使ってしまう

 

よく考えてください。

大事な収益は、代表者や従業員のためだけではなく、まして、悪意を持った購入者の対処ではなく、優良な顧客のためにこそ使う必要があるのではないでしょうか?

 

私のクライアントは、どこも素晴らしい商材を扱っておられます。

そして、毎年売り上げを伸ばされています。

 

売り上げが増加するという事は、それだけ社会に貢献している証です。

通販では、ネットであれ、カタログであれ、商品自体が良く、商品のコンセプトやプロモーションが良く、価格に魅力があって、社会にとってそれが必要であれば、広告費をかると売れ始めます。

 

店舗展開に比べて、市場の規模が大きいので、思っている以上に一気に売れることもしばしばあります。

やりがい、生きがいを感じ、今までの苦労が身を結ぶ、最高のひと時です。

 

でも、気を抜いてはいられません。
通販業界には、潜在不良顧客が存在します。

 

1%の不良顧客にばかり目が行き、99%の優良顧客を見なくなる

 

信用取引をしている多くの通販会社には、約1%の貸倒れが存在しています。

まさに、この数字が潜在不良顧客の表れだと思います。

しかしながら、この約1%が大切なのではなく、むしろ99%のお客様は優良顧客ということに着目できた経営者だけが成長するのです。

 

本来関係を作るべきなのは、この99%の優良顧客のはずですが、多くの方はどうしても1%の潜在不良顧客に目が行き、怒り、手間をかけ、不良顧客対策だと優良顧客の利益を忘れて、有益な情報を取りこぼすのが現状なのです。

 

では、1%の不良顧客が誰か分かればいいのですが、流石に潜在不良顧客と言うだけあって、なかなか優良顧客との区別がつきません。

ましてや、時と場合で人は変化します。通販会社はどうしたらいいのでしょうか?

 

どんな人でも環境によってやってしまう「つい・・・」

 

人を信用しない、というわけはないのですが、環境を整えればよいのです。

後払いでの申込時に与信管理を行う、督促体制を整える、など、通販会社が債権管理の環境を整えることで大概の「つい・・・」は未然に防ぐことができます。

 

性善説、性悪説と言うのがあります。

人は本来の善いものだ、人は本来の悪いものだ!
情報セキュリティの世界では、性弱説を元に環境を整えます。

人は本来弱い者が多く、環境や状況に応じて、善にも悪にもなる。だから、環境を整えましょうと言われています。

 

例えば、給料日前に全くお金がなく、明日は彼女とデート。

困り果てている前日の晩、一人で残業をしていると、消しゴムが机の間に落ちて、ころころと暗やみに。
定規を使って、やっとの思いで奥から引っ張り出すと、消しゴム・ホコリと一緒にくちゃくちゃになった1万円札が・・・そう言えば、随分昔に経理が1万円合わないって、皆に机の中や下までさがしたなあ。こんなところに隠れていたのかと。

 

シチュエーションは揃い、これは神様からの贈り物だと、信じるに足りる状況。

疑う事もなく、美味しい焼肉デート(笑)いえ、笑っている場合ではありません。
言い訳する状況が整っていると、犯罪行為に罪の意識がなくなる?金額によって違ったりもしますね。

なら、1万円だったら悪いけど、2千円ならよい?

 

サンプルだったらよい?顔が見えないからよい?やむに止まれない状況ならよい?人は、時と場合、環境と状況によって変わるものなのです。

なので、企業にはしっかりとした管理体制が必要なのです。

 

通販でも同じです。

簡単に盗られてしまうようなことはないと思いますが、この辺りにもっと力を入れる事が必要なのだと思います。
たとえば私のクライアントでは、後払いの与信管理体制や督促体制を整える対応をとったことで、延滞率が1ポイント改善したという例もあります。

それくらい、目に見えない「つい・・・」を予防することで、今まで見えなかった損失をストップすることが出来るのです。

 

通販しようとする皆さんは、とてもいい商材を、心を込めて開発されていると思います。

その商品を世の中の人でほしいと思われる方は多いと思います。だからこそ、自らブレーキをかけることなく、エンジン全開に成長し売上を伸ばす方の応援をしたいと思っています。

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