広告や会報誌などに、社員の方の顔写真や名前などを載せる企業も増えています。
社員の顔を積極的に発信していくことは、売上アップにプラスの影響をもたらすのでしょうか?
定性的な“お客様の声”と、定量的な調査結果をもとに、検証してみました。
300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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会ったこともないのに、「近くに感じる」の不思議
通販で化粧品や健康食品を熱心に買う「ロイヤル顧客」をお招きして、「定期コースを続けている理由」など一人ひとり掘り下げて伺うインタビューを行っておりました。
そのときに驚いたのが、電話越しにしか話したことのないオペーレータに、そして、会社自体について熱心に語るお客様がいらっしゃることです。
なかでもびっくりしたのが、ある大手健康食品会社の商品を2年間定期購入するお客様(68歳/東京都稲城市/世帯年収900~1000万円)のコメントです。
「後で知ったのですが、地方から立ち上げたんでしょう。
素朴な感じがして、一つひとる丁寧に作っている気がしています。
この会社の人とは会ったことがないのですが、距離が近く感じるんですね。
それに、定期的にはちみつの飴やジャム、お米などをプレゼントしてくれるんです。
こちらが忘れていても、しっかり気にしてくれているんだと嬉しいですね。」
(68歳/東京都稲城市/世帯年収900~1000万円)
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“人の気配”を、くり返し演出する仕掛け
この会社から届く会報誌や同梱ツールを調べてみて気づくのは・・
会社の成り立ちや創業の想い、社員や地元の紹介など、「誰がつくっているか?」や「どんな人が売っているか?」をくり返し開示していることです。
定期購入者には、手紙付きのプレゼントが3回目に届くなど、細やかなフォローも。
かつて通販コンサルタントの大先輩から教わったのが、既存顧客へのCRMでは「“人の気配”を演出するのが大事」ですが、それが教科書どおりに、そして自然に実践されていることに感心しながら見ておりました。
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「顔出し」が効果のある理由は?
上述の事例に関連して思い出したのが、以前書いた「『顔出し』が効果のある理由は?」
という記事です。
・大手健康食品会社の同梱ツールやDMの事例
(お客様や生産者、社員など合計でなんと24名!の顔写真が登場)
・広告への顔写真の掲載による反応率アップ例
(折込チラシで1.5~2倍の例も)
・信頼を獲得するための、「シグナリング」という考え方
(「相手をだますと、自分も損になる」という状況を意図的に作り出す)
など書かせてもらった後に思ったのが、CRMによる長期的な信頼の蓄積は、明確に数字を伴った効果を検証しにくいということです。
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役員の顔写真が出ている会社は、株価のパフォーマンスが
そんなモヤモヤを抱えていたときに、面白い記事を見つけたので、最後に共有をさせていただきます。
「社長と役員の顔写真を出してる会社の株価はパフォーマンスがいい!」という検証結果です。
この記事の筆者によると、2008年10月~2013年1月末の日本の時価総額上位200社を調べてみたところ・・・
1.社長の写真だけ出ている会社
→0.8%(株価のパフォーマンスの年率)
2.社長と役員の両方が出ている会社
→11.4%(株価のパフォーマンスの年率)
と明らかな差が出ています。
2には、ソフトバンクやユニクロ、三菱商事、三井物産、日揮、日本電産などの成長企業が並ぶとのこと。
因果関係や統計的な信憑性などは、元記事を参照のうえ各自でご判断いただければと思いますが、
覚悟をもって事業にコミットする経営陣が数多く並んでいると、外から「見える化」することが、会社の信頼につながっている側面はあるのでしょう。
経営者や社員たちが自らの顔を出して、想いを乗せ会社や商品について語ることが、長期的な愛着や継続的な購入に結びつく、遠回りに見えて近道なのかもしれません。
ちなみに私も、実名・顔写真付きで記事を公開しております。
悪いことはできない・・・ものです。
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