新規顧客の引き上げ率改善や、定期顧客の継続回数アップに大きな影響を与えるのは、初回商品に同梱する商品パンフレットやブランドブック、挨拶状など。
想いが伝わりやすくなる同梱物づくりについて、2つのコツをお伝えします。
イラスト・マンガを交え、「入門編冊子」を
「想いを込めて同梱物をつくっても、お客様に響いているのか分からない」
「商品パンフレットの情報を充実させたけど、全部読んでくれているお客様は少ないようだ・・」
といったご相談をよくいただきます。
このような課題を受けて、私たちが制作してきたのが、新規のお客様専用に情報量を絞り込んだ「入門編冊子」です。
商品パンフレットやコンセプトブックを見ると、初めて買った方にとっては不必要なほど、商品や成分の解説が詳しすぎる場合があります。
特にシニア層には、文字が小さいと読みにくくなってしまう弊害も。
そこで、テキスト量を思いきって減らし、「イラストを挿入する」「マンガ形式にする」など工夫を取り入れると、冊子の印象は大きく変わりぐんと読みやすくなります。
詳しい商品説明や成分解説は、もちろん同梱物全体では必要な情報です。
そこで、これまでの同梱物はそのまま残して、新規のお客様専用の入門編冊子を加えるとよいでしょう。
スタッフの「顔出し」が、お客様との距離を一気に縮める
次に、ある化粧品企業の事例を紹介します。
この会社の同梱物で特徴的なのは、スタッフの「顔」が多く登場していること。
成分の解説や商品説明など無機質になってしまいがちな情報も、スタッフの写真やイラストとともに分かりやすく解説しています。
また会報誌には、スタッフが「趣味は愛犬とのお散歩」など、商品とは関係ない情報を紹介するコーナーも。
このような“距離を縮める”情報発信を経て、受注時の電話では、
「○○さんいるの?元気している?」
「○○さんは、電話がいつも元気で気持ちよいわね」など、声をかけてくれるお客様が増加。
アウトバウンドやDMで別商品をクロスセルするに際しても、
「○○さんが薦めてくれる商品なら、買うわよ」
といった声が多く聞かれました。
長いお付き合いのお客様が増えて、LTVもアップ。
「非効率の効率」(=費用対効果の最大化のために一見合理的に見えない施策が、最終的には効率を高める)が機能している一例でしょう。
「オフィシャル」と「フレンドリー」、バランスの取れた発信を
「商品」や「会社」についてよく理解してもらい、共感してもらうことは、もちろんリピート促進のため重要な要因です。
ところが詳しい解説にこだわり、またブランディングを重視するあまり、「カタい」「キレイな」情報発信に片寄ってしまうケースが、大手企業を中心に見られました。
今回ご紹介したようなちょっとした工夫で、お客様に同梱物をしっかりと読み込んでもらえるようになります。
上のマトリクスで記したように、伝える内容や伝え方、両方のバランスがとれるように、見直してみてはいかがでしょうか?