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定期コースの継続率は、アップするのか?「500円分プレゼント」の謎

健康食品通販の定期購入者に向けて送られた、「クレジットカード支払いに変更すると、500円分をプレゼント」というチラシ。なぜ企業側は、余分な費用を支払ってまでカード払いへの切り替えを薦めるのでしょうか?
その背景には、決済方法によって定期購入の平均継続回数が異なってくるという数値データと、無意識に行動を決める人間心理への考察がありました。

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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支払い方法を切り替えるだけで、「500円分プレゼント」の謎 

 

「定期コースをご利用のお客様へお得なご案内」

 

ある健康食品通販の定期顧客に届く商品に同梱されていたツールに、興味深いメッセージが見つかりました。

 

「クレジットカードお支払キャンペーン実施中」とのことで、支払いをカード払いに変更したお客様には、もれなくQUOカード500円分をプレゼントしているというのです。

 

プレゼントをつけて、定期コース入会やまとめ買いを促進すること自体は、通販でよく用いられている手法。

 

ところが、決済方法を変更しても、直接的には1円の収益にもならないはず。

費用だけがかさんで、収益はマイナスになってしまいます・・
 
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定期コースの継続回数が高いのは、代引き?後払い?クレジット?

 

どうして、ここまでコストをかけて、クレジットカード払いに変更を促しているのでしょうか?

 

そのヒントが、ある顧客分析データから見つかりました。

 

お客様の支払い方法は、「クレジットカード」のほか、「代引き」や「コンビニ払い(電算システム)」、「NP後払い」「銀行振込」などがあります。

 

この支払い方法ごとに、化粧品・健康食品など10社程度の定期顧客のデータから平均継続回数を調べると、

 

・代引き:4.8回

・NP後払い:4.1回

・クレジットカード:5.3回

※コンビニ払いはデータ無し

 

クレジットカードが最も継続回数が高くなるという結果が出ているのです。(当社グループ調べ)
 
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カード払いのお客様は、“入りにくく、出にくい”ワケ

 

自動的に引き落とされるカード払いでは、支払いへの“痛み”の感覚が生じにくく、継続率が高くなりやすいとも言われます。

 

それならば、クレジットカードで決済してくれるお客様を増やすことが売上アップに結びつくはず。

 

特にECのカート決済画面では、「手数料0円」や「カード番号情報が漏れる心配はございません」などと記載して、“あの手この手”でカード払いを選択してもらおうとする工夫が各社に見られます。

 

ところが、紙媒体から獲得したお客様については、そう簡単ではありません。

 

安価なトライアル商品ではクレジットカードは切りにくく、また初めての会社にカード番号を登録するのをためらうお客様も少なくないでしょう。

 

1回目の購入では、「代引き」や「コンビニ払い」が選ばれる比率が高くなってしまうのです。
 
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化粧品では○%、健康食品では○%のレスポンス

 

1回目で代引きやコンビニ払いを選んだお客様は、その後の引き上げ施策が功を奏して、せっかく定期購入へと至っても、1回目の決済方法をそのまま使ってしまいがち。

 

人間の行動に意識せずとも働く、このような“慣性”、行動経済学でいう「現状維持バイアス」を打ち破るためには、どうすればよいのでしょうか?

 

その必要性に迫られて開発されたのが、2回目以降の購入からでも、定期顧客にカード払いへの変更を促すキャンペーンです。

 

定期コースの商品発送時に、B5やA4程度のチラシを同梱。

「クレジットカード払いに変更頂くとこんなに便利でお得になります」

と切り替えを促して、ハガキや電話、FAXでも申し込めるようにしています。

 

先ほどの例のように、「500円分ポイントプレゼント」など特典を付けたり、「振込みに行く手間が省けて楽ちん」と利便性を訴えるなどの工夫も。

 

ある健康食品会社では、4,000人の定期顧客にツールを同梱して、約50件ものレスポンス。

化粧品では、5%がカード払いへ切り替えたという成果も出たそうです。
 
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 「カード情報が流出しないの?」の不安に応える印刷技術

 

なお、カード番号を郵送することで、当然ながら情報漏えいのリスクも発生します。

 

そこで、個人情報を記載するシール部分を特殊印刷にすることで保護性が高まるような、技術革新による解決策も生まれてきました。

 

また、ハガキではなく封筒に入れて返送するタイプなど形状を工夫して、お客様の心配を軽減できるようになったために、中高年のお客様でもカード番号を登録してもらいやすいようになってきたのです。

 

広告からのCPOなど、新規顧客の獲得効率が悪化する傾向のなか、定期顧客の継続率アップに注力する企業が増えています。

 

決済方法を変更してもらうことによって、仮に継続回数が1回でもアップすれば、収益改善には大きなインパクトが生まれるはず。

500円分をプレゼントしても、すぐに回収できるでしょう。

 

1回で変更してくれるお客様は多くなくとも、あらゆる顧客接点で支払い方法変更のメリットを伝え続けると、少しずつでも変更するお客様が出てくるかもしれません。

 

読者の皆さまも、ぜひ決済方法ごとにLTVや定期コースの継続率を比較してみること、お薦めします!
 
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