通販の定期コースで、お休み(休会)制度を設けている会社が多くあります。
コールセンターに定期コース解約の電話があれば、まずは休会を勧めるのですが、この時のオペレーターの態度やトークしだいで、お客様は解約ではなく休会を選ぶ確率が高まり、さらに休会から再び購入をしてくれるようになります。
定期コースの休会を選んだお客様へのインタビュー調査をもとに、そのためのコツをお伝えします。
300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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目次
定期コース、新規入会のハードルを下げるために
さて、今回のテーマは定期コースの「お休み制度」です。
定期購入を検討しているお客様のなかには、
「本当に続けられるのか?」
「毎月たくさん届いて飲みきれるのか?」など、
気にかかる方もいらっしゃるものです。
そこで、「1ヶ月お休みし、翌々月からお届け」というような「お休み制度」を用意している会社も多くありますね。
そのなかで、定期コースへの新規入会のハードルを下げよう、という狙いでしょう。
こんな呼びかけとともに、定期引上げ用のDMでお休み制度を紹介している事例もありました。
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「迷ったら中止してみましょう」は建前?ホンネ?
「迷ったら、中止してみましょう。
何でも『続ける』ということは根気のいることです。
それをストレスに感じたり、迷ったときには、気軽に中止してみて、自分なりの実感度を確かめてみましょう」
これを見て、私が反射的に思ってしまったのは、
「こんなセリフは、建前のはず!」ということ。
各社とも、収益の源になっているのは定期会員です。
1人でも多くの顧客を失わないために、いざ解約や休会のお申込があったときには、“あの手この手”で引き止めのトークを展開しているに違いない!と。
そんな私の浅はかな考えが、打ち砕かれたのは、健康食品・化粧品各社の定期コース顧客など20人に話を聞いた体験でした。
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「やめられるよりは、ストップされたほうがいいですよ」
あるブルーベリーのサプリを、「8年前ころ、テレビCMもやっていない時にチラシで見つけて以来、愛飲している」という49歳の主婦(東京都豊島区/世帯年収1,000~1,200万円)の方のコメントです。
「定期コースをストップするために電話しても、問い詰められるようなことが全然ないんです。
昔から買っているので、本当は値上げしたんですけど、、
私は昔の安い値段で買えているんですね。
でも、定期購入をやめてしまうと、また再開したときに値段が高くなってしまう。
だけどストップはOKだから、電話口の方も、
『やめられるよりはストップされたほうがいいですよ』と、こちら側に立って話してくれるので、長く続けようという気になるんです。」
オペレータがお休みを勧めるのが、
「自社の都合ではなく、顧客メリットを優先してくれている」
と感じるきっかけとして、働いていることがわかります。
同じようなコメントは、他の定期顧客からも聞かれました。
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売り手の都合 VS お客様の事情
「向こうは短期間で送りたいと思っているのはわかるけど、こちらとしては、そんなに短期間では使いきれないですしね。
2ヶ月おき、3ヶ月おき、たまにはお休みとか、ワガママに注文させてもらってます。
それでも、フレキシブルにこちらの要望をすべて受け入れて対応してくれるところがよかったです。
日にちや時間など、お届け指定できるのも良かった。
それで使い続けてみようと思いました。」
(68歳/東京都稲城市/900~1,000万円
/スキンケア化粧品を3~4年、定期購入)
お客様にとっては、「余った」などそのときどきの都合に合わせて、数量や間隔など調整したいもの。
一方、売り手からするといったん休会してしまうと、売上がその分減少しますし、そのまま戻ってこなくなるのでは?という心配もあるものです。
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“損得抜き”の姿勢が、「信者客」を創り出す
ほとんどの会社が、「お客様のために」と口では言っていても、ほとんどの消費者は、「それだけではない・・」と見透かしているでしょう。
そんなとき、あえて自社の利益を横に置いて、お客様の立場で、親身になってお話しする。
そんな一見“損得抜き”の姿勢が、
「この会社は、お客様のことを大切にしてくれている!」と
長期的な信頼を獲得して、“信者”と呼べるような熱心なファン顧客を創り出しているのかもしれない。
40~60代女性のロイヤル顧客に、膝を突き合わせてお話を伺って、感じたことでした。
ちなみに、こんなテーマで書こうと社内のデータベースを読み返していたところ、女性社員がプライベートでの買い物体験を書き込んでいたのが面白かったので、最後に紹介しますね。
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単なる切り返しトークが、感動を生む!?
「先日、4.5年続けている健康サプリメントがたまってしまい、契約解除のお願いの電話をしたところ、オペレーターの方から、いくつ在庫があるか尋ねられ、
『それでは、半年お休みして、それから再度お送りすることにされてはどうか』と、予期していない案内を受けました。
私もやめたいわけではないけれど、今溜まっているサプリメントをどうしていいわからずやめるしかないかと思っていたところだったので、そのようなサービス方法に大変助かりました。
先方から一方的にくる勧誘については、嫌になってしまいますが、こちらからの依頼に対し、親切に良いアドバイスをいただけると、リピートしていきたくなっていくと思いました。」
このシチュエーションを冷静に捉えれば、「定期をやめたい」というお客様には、休会を勧める切り返しトークが、コールセンターには用意されているのでしょう。
ところが、それがイヤらしくなく、電話した側には「親切なアドバイス」と感謝を生んでいます。
スクリプトやDMでの、言葉の使い方一つでも、もう一度、お客様の視点にたって見直してみると、受け取り方がガラっと変わるのかもしれない。
そんなことに気づき、ハッとさせられました。
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