LINEを顧客データベースと連携(ID連携)させる企業が増え、CRMでの活用事例が出てきています。
「メールの開封率が低下している」「“縛り”など従来の定期モデルが機能しにくい」なかで、既存顧客からの売上を増やす企業は、LINEをどのように活用しているのでしょうか?
アップセルや休眠復活、継続率向上など、LTVアップに複数の企業で共通して効果が出ている施策3つをまとめました。
注目のD2C企業が実際に行っているLINEでのCRM施策10個をまとめました。
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目次
施策1:アップセルが定番!“おまとめ定期便”への引き上げ率10%も
鉄板施策の1つ目は、アップセル施策。
たとえば、お試し・単品を購入した顧客には「定期購入」、初回から定期購入した顧客には「おまとめ便」や「年間コース」をおすすめします。
具体的には、ステップメールと同じ形式で、購入から5日後に「商品の使い方」を、7日後に「お客様の声」を、10日後におすすめしたいコースの「期間限定のクーポン」を送るといった方法です。
アップセルに応じてくれる顧客の割合は、商品やオファーなどによってそれぞれですが、「定期顧客へのおまとめ便訴求」であれば、10-20%前後伸びる企業が多いです。
一般的にアップセルが発生しやすいのは、確認画面やサンクスページ(完了画面)で、約10-30%ほどかと思います。
LINEはそれらに次ぐ有効なチャネルになっており、月数百件のアップセルが発生する企業も。
ステップメールや同梱物、DMなどでアップセルを行っているD2C企業は多いですが、LINEでも実施することをおすすめしています。
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施策2:休眠復活率は5-10%、解約30日後のステップ配信やフォローが有効
続いて、ぜひ取り組んでほしいのが、休眠復活。
特に定期コースを解約した顧客へのアプローチが有効です。
取り組んだ企業の事例では、解約者のうち約5%が定期購入を再開しました。
なかには、最高で10%近くまで復活する企業も。
具体的には、解約から1日後にこれまでのお礼と再開方法のご案内を送付。
ここで無理な売り込みはせずに、「また買いたい」となった顧客がどうすれば申込みできるかを明示します。
そのうえで30日後に販促のアプローチを開始。
24時間限定の「再開キャンペーン」と併せて案内することで復活を狙います。
再開につなげるポイントは、解約時に答えてもらった「解約理由」に合わせたメッセージを送ること。
たとえば、「2袋余っている」と答えたお客様には、30日分×2袋として60日後を意識してアプローチをするなど、ニーズに合った訴求をすれば、再開してもらいやすくなります。
成果が上がりにくいと思われがちな休眠復活ですが、なぜLINEだと効果が出るのでしょうか。
その理由は、顧客の解約理由が、ネガティブなものばかりではないからです。
たとえば、「余ったからやめたけど、商品は良かった」というように、商品に対してポジティブな印象を抱きながらも解約した顧客が多くいました。
そういった方には無理なく再開できるようきっかけを提示してあげることがおすすめです。
普段使っているツールということもあり、顧客のニーズが高まった段階でアプローチできる可能性がメールよりも高くなります。
こちらからアプローチをかけるアウトバウンドと比べても、コストを抑えられる上に、アプローチを受ける顧客側がストレスを感じにくい点もメリットだと考えています。
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施策3:継続率が1.5倍に!“距離の近い”コミュニケーションで意欲を高める
3つ目は、定期購入者の継続率アップ。
LINEでの定期的なコミュニケーションによって顧客の「続けたい」欲を高め、約1.5倍ほど継続率がアップする事例が複数出てきました。
たとえば、ダイエット商材であれば「1ヶ月間ダイエットチャレンジ」や、健康食品なら「お家でできるエクササイズ情報」、スキンケア用品などは「肌に良い食品リスト」など、顧客が長く続けられるようなサポートや顧客の悩みに関する情報を提供します。
正しい使い方や摂る頻度以外に、役立つ情報やアドバイスを発信するなど商品に直接的に関わらない分野からもフォローし、相乗効果が生まれるような発信を行います。
LINEならではの、高頻度かつ“距離の近い”コミュニケーションがフィットしているといえます。
なかには、LINEで専門家が1対1で相談に乗るサービスをしている企業も。
管理栄養士、ヘアカウンセラー、医薬品販売の資格を持った登録販売士など各分野のプロが対応してくれるので、不安を抱えている顧客に好評です。
しかし、カウンセリングが有効といっても、LINEでチャット対応すると工数がかかりすぎて対応が難しいのでは?という声も聞きます。
弊社のクライアント企業の場合、問い合わせの80-90%は「よくある質問」など典型的内容が多く、チャットボットを導入することで自動回答が可能です。
すべての問い合わせ内容に対して有人対応する必要はなく、チャットボットで答えられない質問にのみ有人のチャットが個別に対応するなど、カスタマーセンターに負荷をかけない仕組みをつくれると継続しやすくなります。
継続率という性質上、厳密な効果測定は困難です。
ただ、LINEとカートシステムの連携プログラムを導入した前後で継続率を比較したところ、約1.5倍ほどアップした事例も複数出てきました。
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「LINEで売上を伸ばす」D2C企業が2020年代に続々と
このような施策で「LINEで売上を伸ばす」企業がD2Cでも増えてきたのでいくつか事例をご紹介します。
ヘアカラー商材 | LINEボットが様々なコンテンツを提供。 さらに専門家がLINE上でお客様対応をすることで、定期継続率が1.3倍に増加。 |
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化粧品 | LINE公式アカウントとカートシステムをAPI連携しお客様の状態を詳しく把握。 お客様の状態に合わせて適切なアップセル施策をすることで、全体のアップセル率が1.5倍に。 |
第二類医薬品 | 細かい配信セグメントができるようになり、的確な対象者に絞った配信が可能になった。 アップセルのうち40%がLINE経由に。 |
扱っている商材がクロスセル可能かや、企業の年商規模にもよりますが、LINE単体からの売上が500-1,000万円、なかには数千万円になる企業も。
LINEにかかる費用は多くても100-200万円/月、多くの企業ではLINE公式アカウントの維持費15,000円/月のみでおさまるなど、DMと比べてもROIが高くなります。
これまでも成功事例はもちろんありましたが、
- 「オフライン広告をメインに獲得してきたのでLINEは馴染みがない」
- 「ターゲットがシニア層のため顧客の属性に合わない」
- 「ユーザーからのチャットに対応するリソースがない」
- 「自社開発のシステムでID連携が難しい」
といった理由から、伝統的な「単品通販企業」や大手メーカーなどでは導入が進まないケースも。
しかし近年「メルマガからの売上が落ちた」という課題を聞くことが増えてきました。
また、「業務のデジタル化が急務」といったD2C企業側の事情や、LINEの普及がシニア層含めて進んだこともあり、この1,2年間は特にLINEニーズの高まりが加速しているのを肌で感じています。
ベンダー側のソリューションも格段に進化しています。
例えば弊社「リピートライン」だとecforceやサブスクストア、リピストなど主要なカートシステムでは、システム開発不要で自動連携できるなど、導入のハードルも下がりました。
詳しく書くことはできないのですが、大手企業からの問い合わせや導入も、続々といただいています。
以前まではハードルが高い企業も多かったLINEですが、導入の障壁も減りコストを抑えて売上を上げる仕組みが作れるようになってきました。
「導入しない」理由はなくなってきた、といえるのではないでしょうか。
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「顧客に寄り添う」ダイレクトマーケティングの本質を、テクノロジーの力で
今回紹介したようなCRM施策で結果が出ているのはもちろん、一歩進んだ企業では、LINEを顧客コミュニケーションの基盤にしようとしている動きも。
CSはもちろん、LINE上で動くwebアプリ(LIFF)を使って
- LINE上で会員証の表示
- 外部ブラウザへ遷移せずクーポン提供
などユーザーの手間や離脱ポイント減少につながるような取り組みも、一部のD2C企業さまと始めています。
ダイレクトマーケティングの本質は、購入履歴や顧客属性などのデータのみではなく、今までコールセンターで行われていたような、過去のコミュニケーション履歴まで参照しながら、一人ひとりに合ったコミュニケーションをしていくことです。
「単品リピート通販」全盛の時代から成功している企業の多くは、これらの手厚いフォローでLTVを高め売り上げを伸ばしてきました。
LINEでは、顧客に合わせたアプローチが低コストで実現可能です。
お客様一人ひとりに寄り添うコミュニケーションの基盤として、より良いLINEの活用事例をD2C企業さまと一緒につくっていきたいと考えています。
注目のD2C企業が実際に行っているLINEでのCRM施策10個をまとめました。
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