ダイレクトメールとは企業が商品・サービスのプロモーションで使う手法のひとつです。
ダイレクトメール(DM)という言葉は知っていても、種類や手段が豊富でどのように使い分ければよいのか分かりづらいと感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事ではダイレクトメールとは何か、どのような種類があるのかについて、メリット・デメリットも合わせて紹介します。
また、どのような場面で活用するのかや、効果的にダイレクトメールを送る方法も解説します。
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ダイレクトメール(DM)って何?
ダイレクトメール(DM)とは、企業が販促や宣伝のために個人や法人に直接送る広告のことを指します。
主な手段は以下の3つです。
1. 郵便
2. FAX
3. 電子メール
マーケティングの面から捉えると、ダイレクトメールは「企業が新規または既存顧客に対し直接的にコミュニケーションを図る」ダイレクトマーケティング手法の一つだといえます。
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開封率を上げる方法は?
ダイレクトメールの開封率を上げるには、以下の3つの方法が効果的です。
- ターゲットを明確にする
- クーポン・セールの告知などお得感のある訴求をする
- 顧客の目を引くデザインにする
ターゲットを明確にする
ダイレクトメールは不特定の相手に大量に送ったからといって必ず効果が出るとは限りません。
やみくもに送るだけでは開封されることなく、捨てられてしまうこともあるでしょう。
商品のペルソナに沿って、送るべき対象者を絞り込むことが重要です。
他にも、ダイレクトメールはこれまでの取引関係の有無、つまり受け取る相手が新規顧客か既存顧客かによって受取意向に影響することもわかっています。
それは自身が知っている企業かどうかで、顧客の心理的なハードルは大きく異なるためです。
DMのメディア実態調査によると、購入経験がある企業からのDMは76.5%が受け取る意向を示したのに対し、購入経験がない企業からのDMは20.5%の人しか受け取る意向を示しませんでした。
会員だったり、商品やサービスの取引のある相手からのDM | 今まであなたと特に関係のなかった企業やサービスに関する、あなた宛てのDM | |
商品やサービス情報が欲しいので受け取りたい | 19.5% | 3.0% |
まあ受け取ってもよい | 57.0% | 17.5% |
どちらとも言えない | 13.0% | 22.5% |
あまり受け取りたくない | 4.5% | 29.0% |
DMは受け取りたくない | 6.0% | 28.0% |
(参考:「DMメディア実態調査2020」一般社団法人日本ダイレクトメール協会 研究開発委員会編)
既存顧客向けなのか新規顧客向けなのかによってどのようなDMを送るか異なるため、ターゲットを明確にすることが開封率向上に大きく関わってくると考えられます。
クーポン・セールの告知などお得感のある訴求をする
ダイレクトメールを送る場合、クーポンやセールの告知、試供品のプレゼントなどを取り入れることで顧客の興味や関心を高められる場合があります。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2020」によると、クーポンやセールの告知、試供品のプレゼントなどがあると、新商品・サービスの案内のみを送付するよりも高い開封率となりました。
さらに、DMのメディア実態調査から購入・利用経験のない企業からのDMは受け取ることへの抵抗を持ちやすくなることが分かりましたが、お得感を訴求することで、見知った企業からのDMと同等の割合で開封してもらえる結果となりました。
ダイレクトメールの内容 | 購入・利用経験がない企業からの開封率 | 購入・利用経験がある企業からのDMの開封率 |
クーポンの案内・プレゼント | 58.5% | 53.5% |
特売・セール・キャンペーンの案内 | 53.2% | 53.5% |
新商品・サービスの案内 | 42.6% | 46.0% |
商品・サービスの紹介記事・読みもの | 22.3% | 32.5% |
参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査2020」
以上のことから顧客がダイレクトメールに期待していることの1つとして、自身にとってお得かどうかが大切だと推察できます。
開封率を上げるには、クーポンやセールの案内、試供品のプレゼントなど顧客にとってお得感のある訴求が有効だと言えます。
また、送る顧客本人に関係した情報の記載も有効です。
- 〇〇様へ特別なご案内
- 誕生日月のお客様限定
- 購入いただいた商品のリニューアルのご案内
不特定多数に送られることも多いDMの場合、自分にとって関係のない情報だと思われてしまうと、その後の文章が読まれない可能性も高くなってしまいます。
しかし、上記のように特定の部分をパーソナライズし、自分にとって関係のありそうな情報だと思ってもらえることで、さらに開封率を高めることができます。
顧客の目を引くデザインにする
ダイレクトメールは顧客の目を引くデザインにすることで消費者に興味をもってもらえる可能性が高まります。
手書きの挨拶文を掲載したり、クーポンのようなお得情報を分かりやすい場所に掲載したり、特殊な形状のDMにすると、目にとまりやすくなるでしょう。
顧客の手元に届くDMではハガキ形状のものが一般的ですが、形状、紙質も様々なものが選択でき、ハガキ形状のものが正解ではありません。
手紙のようなDM、窓付き封筒の透明窓からクーポンが見えるDM、カレンダー形状のDMなど、受け取った人が喜ぶようなコンテンツでコミュニケーションをとることで、開封率をあげることも重要です。
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ダイレクトメールのメリットとデメリット<種類別>
紙と電子メールに分けられるダイレクトメールは、主に3つの種類があります。
- 郵便
- FAX
- 電子メール
それぞれのメリット・デメリットに合わせて使い分けしましょう。
郵便・FAXなどオフラインのダイレクトメール
オフラインのダイレクトメールのメリット、デメリット、活用シーンを紹介します。
メリット
ダイレクトメールを郵便・FAXで行う場合、以下のメリットがあります。
- デザインの自由度が高い
- 手に取るだけで情報を目にしてもらいやすい
- 郵便の場合、サンプルを送れる
文章が中心の電子メールに比べて、ハガキや封筒のような紙のダイレクトメールはデザインの自由度が高く、多くの情報を伝えることや、内容を視覚的に訴求することができます。
また、オンライン上のメールと比較してDMが埋もれてしまう可能性が少ないため、デザイン次第では、商品サンプルやお得なクーポンなどの情報を目にしてもらい、開封率を上げる工夫がしやすいといえます。
郵便の場合は新商品サンプルを送れますから、顧客に新商品を体験してもらうことも可能です。
デメリット
メリットがある一方、ダイレクトメールを郵便・FAXで行う場合、以下のデメリットがあります。
- 原稿の企画や制作に時間と費用がかかる
- 発送コストが発生する
- FAXの場合、モノクロでしか送信できない
紙媒体で送る場合、原稿の企画後に試し刷りをし、自社が意図したものに仕上がっているか確認後、修正が必要であれば修正します。
送付するコンテンツの確定だけでも多くの時間が必要ですが、さらに印刷費や郵送費などオンラインではかからない費用もかかってしまいます。
またFAXで送る場合も、モノクロでしか送れないため、商品の色が分からず魅力を伝えきれない可能性や、ブランドイメージ色がある場合はその使用も難しくなってしまいます。
上記のデメリットが自社にとって大きなリスクとならないか、事前に確認した上で実施されることをおすすめします。
活用シーン
郵便・FAXなどオフラインのダイレクトメールでは、主に新商品カタログやサンプルを送るときに活用できます。
また実店舗をもっている場合、案内状やセール時のクーポンを送付するのに活用することで、来店を促す効果も期待できます。
電子メール
電子メールのメリット、デメリット、活用シーンを紹介します。
メリット
ダイレクトメールを電子メールで行う場合、以下のメリットがあります。
- コストが安い
- コンテンツの修正が容易なため、手間が少ない
- 反応を数値化しやすい
電子メールは、郵便やFAXのような紙媒体と違い発送コストがかかりません。
また紙媒体のように、コンテンツの制作や修正に時間がかからないため、送付までの手間が少ないというメリットもあります。
さらに、送ったダイレクトメールの開封率や、開封後の行動データも取得できますので、どのような反応があったかを数値化することもできます。
電子メールは紙媒体に比べ、コンテンツ制作の手間を省きながら、詳細な分析ができるので手軽に始めることができます。
デメリット
ダイレクトメールを電子メールで行う場合、以下のデメリットがあります。
- 迷惑メールに分類されることがある
- 開封されにくい
- ターゲットが絞られる
電子メールによるダイレクトメールは、システム側で迷惑メールに分類されることが多く、それにより読まれない可能性が高くなってしまいます。
また、米国のメールマーケティングプラットフォーム企業であるCampaign Monitor社の調査(※)では、2020年の全業界のメール開封率は18%と、94.5%の開封率がある紙のダイレクトメールと比較すると低くなってしまいます。
※ Campaign Monitor『Email Marketing Benchmarks and Statistics for 2021』
活用シーン
電子メールは、緊急告知や直近のキャンペーン案内で活用できます。
企画や原稿が完成したらすぐに送れるため、タイムリーな話題や情報を顧客に届けられます。
また紙媒体のダイレクトメールとの併用も可能です。
例えば、すでに送っている紙のダイレクトメールで新商品やセールの告知をしているのなら、内容を転用して電子メールで送る手法が考えられます。
新たに原稿を作成する手間を省きながら、送付する母数を増やすことができるので顧客に情報が届きやすくなります。
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顧客データを活用してパーソナライズしたアプローチも可能
既存顧客へのアプローチにもダイレクトメールは有効な手段のひとつです。
これまでの取引で得られた顧客データから、顧客ごとにパーソナライズしたアプローチが可能です。
新聞広告や同封広告、ポスティングといった一斉配布する広告とは異なり、年齢、性別、家族構成などの属性別にターゲットを絞れます。
さらに細かく絞ることも可能で、誕生日やサービスの契約状況、購買履歴から分かる趣味趣向の分類などができます。
そのため、誕生日特典の案内、定期サービスの解約者への再加入案内、顧客が関心のありそうな新商品のレコメンドなど、よりパーソナライズされたアプローチもできます。
効果を最大化するには、オン・オフ両方のDMの活用がカギ
DMは顧客データを活用して最適なアプローチができるため、開封率が高いだけでなく、その後の行動喚起率も他のオフライン手法に比べ高い傾向にあります。
DMメディア実態調査によると、紙のDMを受け取った顧客のうち15.1%がその後何らかの行動を起こしている結果になりました。
- ネットで調べた 6.7%
- ネット上の掲示板などに書き込んだ 0.4%
また、紙のDMでもオンラインのDMと同じくデータを取れるように、 QR コード等を活用してWEBに遷移させる工夫をする動きもあります。
実際にDMを受け取ったことがある人のうち、全体の40.2%がQR コード等からWEBページにアクセスしたというデータもあり、行動データを用いた分析も可能になっています。
紙のDM以外にも、CRMの手法としてはメルマガやLINE公式アカウントなども使われますが、急速なDX化が進んだことで、デジタルでのアプローチに慣れてしまった顧客も多く、オンラインの手法のみでは十分にアプローチできない可能性が高いです。
そうした中で、オフラインとオンラインのDMを活用している企業もあります。
例えば、オンライン上のカートに商品を追加したまま離脱した顧客に対して、メールでリマインドを送信します。
その後、メールに反応がなかった層とメールを送れない層に対して、紙のDMを送付、というような活用方法です。
以上のことから、ダイレクトメール施策を検討する際は、オンラインとオフラインの役割を明確にした上で、効果を最大化するために両方を活用する動きが主流になりつつあります。
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まとめ
この記事ではダイレクトメールの概要やメリット・デメリット、活用方法までご紹介しました。
郵便・FAX・電子メールと種類は多いのですが、それだけアプローチ方法が豊富な手法とも言えます。
それぞれにメリット・デメリットがあり、ターゲットによって有効な手法も異なりますので、この記事がダイレクトメールを実施する際の一助になれば幸いです。
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