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芸能人キャスティングは、売上アップに直結する?通販・D2Cの成功事例から見る、投資対効果

米倉涼子さんや木村拓哉さんなど、大物芸能人が通販・D2Cの広告に登場する事例が増えているのは、前回の記事でもお伝えしました。

そのような手法を使って、売上拡大に直結したプロモーション事例と、通販企業が投資を決めるにあたって注意すべきポイントをまとめました。

芸能人を起用して売上につなげる方法をまとめました。
解説資料はこちら
 
 

ブランドムービーがYoutubeで1,000万回以上再生!定期加入が1日で数百名超えに

 
俳優・女優、TVタレントなど大物芸能人の起用は、これまで大手メーカーやナショナルクライアントに多くみられました。
通販専業の企業でも「年商50億円以上」など一定の事業規模や知名度を持つ場合に限られていました。
 

芸能人を広告に起用するメリットは?企業フェーズ別の選び方費用の目安を解説
関連記事 芸能人を広告に起用するメリットは?企業フェーズ別の選び方費用の目安を解説 通販企業のキャスティングにおいて、"大物芸能人"の露出はほとんどありませんでした。 しかし最近ではトップクラスの芸能人が登場するケースが増えてきています。 そのきっかけの1つに芸能人の事務所独立によるものがあげられます。 これらの変化とともに、大物芸能人の起用はどの段階で行うべきなのか、年商規模の観点から企業フェーズごとにタレントの選び方と注意点をお伝えします。

 
しかしベンチャー・中堅企業でも、大物芸能人とイメージキャラクターやアンバサダー契約を交わして、売上増加に直結させた事例がいくつか生まれてきました。
 
ある企業では、40-50代の男性をターゲット顧客層とした健康関連商材の販売を予定していました。
定期購入をメインとしたD2C方式のビジネスモデルで、これから新規獲得に力を入れたいという意向でしたが、商材特性から広告審査が通りにくいなどの制約がありました。
そこでPRに力を入れようと、40-50代の男性に好感度の高い男性俳優をアンバサダーに起用。
 
・過去に放映されたドラマ主題歌とのタイアップ
・ブランドムービーのワンシーンでの利用
・プレスリリースでコラボレーションの告知
などのPR施策を展開。
 
俳優の知名度や音楽・ドラマを見ていた懐かしさなどから、TwitterやInstagramなどSNSでは好意的な投稿やコメントが多く寄せられました。
ブランドムービーはYoutubeで1,000万回再生超えと、認知拡大に大きく貢献しました。
 
商品拡散のイメージ
 
並行してCV獲得のための広告プロモーションも実施。
認知度向上による相乗効果を図るため、記事広告やバナー・LPにも俳優に登場してもらい、使用シーンや感想などを語ってもらいました。
指名検索が増加、クリック率は10倍以上になるなどCVに寄与したととらえられます。
 
その結果、「初回生産分は3日で完売、一時は予約待ち人数が数千人を超えるほどの大ヒット」「ブランドムービーの影響により、1日に数百名以上の方が定期購入」といった販売効果に。
定期会員はプロモーション開始後、数十万人まで大幅な増加、“成長の踊り場”を脱して、事業が飛躍する原動力の1つになりました
 
芸能人を起用して売上につなげる方法をまとめました。
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3,000-5,000万円を投資すべきか?検討ポイントをまとめました

 
先ほどは華々しい成功事例を紹介しましたが、ブランディングの要素も大きい芸能人起用。
クリック率が明確に出るWEB広告などとは異なり、売上への貢献が明確には見えづらいケースも。
 
しかしCVへの直接的な貢献を図りにくくとも、安くない費用が必要です。
特に知名度の高い俳優やTVタレントになると、契約費用だけで最小で約3,000万円から、トップクラスでは5,000万円ほど。
ブランドムービーの撮影から、制作費用まで含めると、数千万円単位の投資となることが考えられます。
 
そこで、「このような手法があなたの会社にとって合うか?」を検討するために、私たちの支援実績をもとにポイントをまとめました。
 
 

ポイント1:非連続的な成長を目指しているか?

 
キャスティングのプロモーション費用は数千万円単位です。
年商20~30億円もしくはそれ以下の規模の企業では、「年商50億円以上」など一定の売上規模のある企業と比べると、投資のリスクが高くなってしまうため、大規模投資に二の足を踏むケースも。
 
同じキャスティングでも元アイドルや過去に活躍した女優などを起用すれば、
・コストのスリム化
・広告やLP掲載が可能なレギュレーション
など、着実な売上アップや利益確保を目指すことができます。
 
しかし、競合他社も同じような手法はとるため、同質化競争に陥る例も少なくありません。
また、成長できても年商50〜100億円になった段階で売上の伸びが止まるケースを数多く見てきました
運用型広告や成果報酬型広告はCV獲得が主な目的になり、一定以上の拡大性に欠けてしまうためです。
 

ブランド力の高いメーカーに対抗していくため、ブランディングの強化や認知度向上が今まで以上に求められるように。有名人をイメージキャラクターに起用するメリットは、話題性や認知の拡大にとどまりません。自身のイメージをより大事にする大物タレントが広告出演することで、その信頼に足る企業であるという安心感につながります。

参考:大物芸能人の広告起用、なぜ通販・D2Cで今増えている?売上効果のあるタレントの選び方
 
逆に言えば、年商100億円以上を目指すためにはブランディングやPRはどこかで取り組むべきテーマといえます。
たとえば、「投資家の意向で、短期間での売上拡大を目指している」や「経営者が日本No.1ブランドやグローバル展開などビジョンを掲げている」といった企業です。
 
冒頭でお話したように先行事例も出てきました。
年商20〜30億円などのフェーズから投資するのも妥当な戦略になりつつあります。
また成功事例の増加により、期待できる効果の精度も高まり、リスクに対しての対策も可能になってきたと考えています。
 
 

ポイント2:ブランディング・認知獲得に振り切れるか?

 
ポイント1と合わせて大事なのは、CVなど直接貢献を軸とする単品通販企業が芸能人の業界でのポジショニングに寄り添うことができるか?という点です。
 
大物芸能人の場合は、

LPへの掲載不可やメインビジュアル変更不可など通販会社にとっては厳しい制限がかかる事例も珍しくありません。(中略)事務所側もタレントのイメージが損なわれないよう細心の注意を払うため、お互いを配慮した調整が必要です。

参考:大物芸能人の広告起用、なぜ通販・D2Cで今増えている?売上効果のあるタレントの選び方
 
LPへの掲載が可能であっても
・価格まわり、特に値引きや特典などと本人の写真が同一の画面で表示されるのはNG
・購入ボタンの近くに本人の名前を載せてはダメ
など厳しいレギュレーションがあることも。
 
オファーの視認性が高いファーストビューやビジュアルの制作が難しく、CVRアップに直結しない場合もあります。
 
多くの通販企業がオファーやボタンの最適化・広告のA/Bテストなど、数字による効果検証を重視しています。
そのため、ブランディングや認知獲得に寄ったプロモーションは抵抗があるかもしれません。
しかし従来のやり方を無理に要求してしまうと、事前の契約締結の難航やトラブルの発生、あるいは本人や事務所との関係性も崩れる可能性があります。
 
逆に、無茶な要求をせず良い関係性を築くことができれば、プロモーションにもポジティブな影響を与えることができます。
芸能人本人が商品や会社を気に入ってくれて、「記者会見やインスタライブなどで、その商品を使用してくれる」「SNSにも使用シーンや新商品発売などの話題を投稿してくれる」ケースも珍しくありません。
 
契約に定められた以上に自主的にPRに協力してくれる事例も出てきています。
CV獲得に1点集中ではなく、PR・ブランディングの効果を最大化させることに重きを置いて、芸能人自身が広めやすい環境を作るのが重要です。
 
 

ポイント3:商品とタレントを結びつけるストーリーを作れるか?

 
芸能人の広告起用は、数年前と比べると一般的な手法になりました。
手法の定着に伴い、「タレントの画像とコメントが、LPや記事に載っている」というだけでは、販売効果が上がりづらくなってきています。
そこで大事なのが、商品・会社やタレント本人、あるいは社会背景などと合わせてストーリーを作れるか?という点です。
 
先ほど紹介した事例では、約20年前に放映されたTVドラマに出演した俳優が、ドラマの主題歌とともにブランドムービーに出演するという演出でした。
話題性も相まって、SNSでは好意的な投稿が加速。
商品のメイン顧客層とドラマの当時視聴者層が重なったこともあり、認知度アップが販促にもつながったと考えられます。
 
「類似の商品を使っている」「タレントのイメージと一致する」など商材とタレントの親和性が高いことも、効果の底上げにつながりました。
 
今回のような重奏的なストーリーを組み上げるのは難しく、さまざまな偶然や企画の妙が重なったイレギュラーな成功事例だとは認識しています。
しかしPRにおいては、顧客ではない一般ユーザーによるSNS拡散やタレント本人の発信なども鍵を握ります
 
企業から顧客への発信の過程に起用した芸能人が登場することで、インパクトや消費者の商品に対する印象というのも変わってきます。
・「時代や社会の流れの中で刺さりやすいメッセージか?」
・「本人として語りたいストーリーか?」
といった広い視点でのストーリー開発も考えていけるとベストではないでしょうか。
 
芸能人を起用して売上につなげる方法をまとめました。
解説資料はこちら
 
 

「個人の時代」、芸能人本人と良い関係性をつくれるか?も重要

 
以前と比べると、大物芸能人が通販・D2Cという業態や、新興企業にも起用しやすくはなりました。
とはいっても、まだまだ芸能事務所によってスタンスは大きく異なります。
大手の芸能事務所では、「本人がOKでも、マネージャーが守ろうとする」「事務所のトップが首を振らない」などさまざまなステークホルダーの意向の調整が必要なケースも少なくありません。
柔軟な露出や契約の締結が一般的になってきたかというと、いまだ通りにくい傾向は見られます。
 
しかし前回にもお伝えしたように、独立して個人事務所を構える芸能人が増えたことは、大物芸能人のキャスティングの追い風になっています。
 

Youtubeなど新たなエンタメ配信チャネルが盛り上がりを見せ、事務所を独立する芸能人が増加、以前とは様子が変わりつつあります。
今までであれば起用が難しかった芸能人も、事務所を通さなくなったことでキャスティング可能になるケースも。

参考:大物芸能人の広告起用、なぜ通販・D2Cで今増えている?売上効果のあるタレントの選び方
 
このように芸能人本人の意思や志向が反映されやすくなってきています。
つまり、「商品が、自身のスタンスと合う」「会社や経営者の想いに共感する」といった芸能人個人の感情に根ざした要素がプロモーションにおいて強まっているとも考えられます。
 
 
私たちの経験ベースでの話にはなりますが、芸能人本人と社長が「腹を割った」会話などで良い関係性をつくれると、プロモーションが成功する確率も高くなります。
発注先とクライアントという関係ではなく、対等な関係であることを通販会社としては意識しましょう。
むしろ「商品のファンになってもらえるか?」や「本人と仲良くなれるか?」といった営業の要素が出てくることも、頭に入れておければと思います。
 
芸能人を起用して売上につなげる方法をまとめました。
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