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【Instagram運用担当必見】売上増加のアカウントの作り方とノウハウを徹底解説

Instagramの運用を開始する企業が増えてきましたが、なかなかフォロワーが増えない・何から手を付けたらいいかわからないという声も伺います。運用に欠かせない各機能の活用方法やアルゴリズム、集客のためのノウハウをまとめました。

【Instagram運用担当必見】売上増加のアカウントの作り方とノウハウを徹底解説

通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
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Instagramの基本的な特徴

 
Instagramの国内における利用者は、女性が6割と男性よりもやや高く、最も多い年齢層は10代、次いで20代、30代と続きます。年齢が上がるにつれて利用率が低くなり、特に若年層のユーザーを多く持つSNSと言えるでしょう。
 
なお、2016〜2020年の5年間では全年代で利用率が増加傾向にあり、10代・20代では7割近い人々がInstagramを利用しています。2020年時点における年齢別の利用率は以下の通りです。


Instagramは世界中で利用されており、アクティブアカウントは毎月10億以上にのぼりまです。国内のみに目を向けても、MAU(月間アクティブアカウント数)は約3,300万人(※2019年時点)にも及びます。2015年時点ではMAUが1,000万人に満たなかったことを考えると、ユーザー数は急速に伸びており今後もInstagramの利用者の増加は続いていくでしょう。
 
Instagramは新機能のリリースやアップデートを続けており、特に最近は動画機能の充実に向けて取り組んでいます。たとえば、2021年には「リール」と呼ばれる最大60秒の短い動画にエフェクトやリミックス機能を追加しました。今後も新機能やアップデートは随時行われることが予想され、こうしたユーザビリティの高さも人気を集める理由の1つといえそうです。
 
参考:『Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破 | Metaについて』
参考:総務省情報通信政策研究所『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
 
 

ビジネス利用が増えている理由

 
Instagramはビジネスでの利用も増加傾向にあります。ビジネスアカウントを利用している業界は美容や旅行、ファッション、飲食など多岐にわたり、大手企業も数多く含まれます。
 
この背景としては、Instagramが「投稿を通じて自分を表現するSNS」から、検索プラットフォームとして情報収集でも利用されるようになったことが考えられます。
 
たとえば、
Instagramの活用例
などの行動をWEBサイトではなく、Instagramで行う人が増加しました。
 
企業にとってはPRやブランディングに有効で、コメント・ライブ機能を利用したコミュニケーションや、定期的な接触によりブランドイメージの浸透にもつながります。逆に、ユーザーの投稿内容から興味や関心、トレンドなどを知り、自社の戦略に活かすこともできるでしょう。
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
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Instagram運用を始める前にやるべきこと

 
Instagramを運用する上で、最初に取り組むべきことをご説明します。
 
 

「ビジネスアカウント」を登録する

 
まず、「ビジネスアカウント」を登録しましょう。Instagramのアカウントには、「個人用アカウント」と「プロアカウント」の2つの種類があります。プロアカウントを使用するには個人アカウントを作成した上で切り替えの手続きが必要です。
 
プロアカウントは、「ビジネス」と「クリエイター」の2種類に分かれます。「クリエイター」とは、デザイナーやアーティスト、タレントなどの著名人が多く登録しているアカウントです。企業の方が運用する場合は、「ビジネス」で登録しましょう。ビジネスアカウントでは、以下のようなことが可能になります。
 

  • ビジネスプロフィールの作成
  • Instagram広告の運用
  • Instagramインサイトでの分析
  • Instagramショッピング機能の利用

 
特に重要となる「ビジネスプロフィール」と「Instagramインサイト」について詳しく解説します。
 
 

ビジネスプロフィールとは

 
ビジネスアカウントは、以下の情報が連絡先としてプロフィールに表示可能になります。
 

  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 住所

 
つまりユーザーは、プロフィールから直接運営者に連絡を取ることができます。そのため、Instagramを通じた問い合わせの獲得や連絡先が公開されていることによる安心感の醸成などにつながるでしょう。
 
 

Instagramインサイトとは

 
Instagramインサイトでは、自身のアカウントについて以下のデータを取得することができます。これらはアカウントの分析に必要になるので、Instagramインサイトのデータの意味を理解しておきましょう。
 

  • リーチ(何人がその投稿を見たか)
  • インタラクション(フィードや投稿、ストーリーズ、リールに対するアクション数)
  • オーディエンス(年齢・性別、エリア、滞在時間などユーザーに関する情報)

Instagramインサイトとは
なお、指標の詳細については本記事の後半でご説明します。
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
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アカウントの方向性を決める

 
ビジネスアカウントに移行したら、アカウントの方向性を決めましょう。
 
 

アプローチしたいターゲットを明確にする

 
最初にInstagramで獲得したいターゲットを決めていきましょう。なお、ターゲットをより詳細にした以下のようなものを「ペルソナ」といいます。
 
チーム内でターゲットの定義が異なっていた、ということが起きないよう共通認識をとるために、人物像が明確にイメージできるペルソナ設定が重要です。
 
パーソナルジムのプロモーションを仮定してペルソナを考えてみましょう。
ペルソナの例
ペルソナ設定の際には、単に属性だけでなく実際にその人が生きて活動している様子をイメージできるよう詳細に設定することが重要です。ペルソナを詳細に設定することでユーザーの生活がリアルに想像できるため、ニーズや抱えている悩みが見えやすくなります。
その結果、ユーザーからの共感が得やすくなり、ファン化や購買意欲を高めることができるようになります。
 
 

コンセプトを決める

 
次に、Instagramの投稿の軸となるコンセプトを決めていきましょう。そこに基づく投稿を続けることで統一感が出てくるため、アカウントを見つけたユーザーに「まさに求めていた情報だ!」と感じてもらいやすくなり、フォローしてもらいやすくなります。
 
特に最近は、興味に応じてアカウントを使い分けるなど、ユーザー側が求める情報はより明確になってきています。
 
たとえば、暮らしに関する投稿でまとめていたとしても、一人暮らし向けのお役立ち情報が並ぶ投稿のなかに、「4人家族のリビングで大活躍!~~」などの投稿があるとユーザーは自分が知りたい情報に絞られていない、と感じフォローには至らないケースも珍しくありません。
 
そのため、Instagramを通じて獲得したいユーザーに向けた内容・見せ方になっているかをよく確認しましょう。投稿するテーマやジャンルのほか、投稿順や画像の構図・加工方法なども揃えることで統一感が出てくるため、共感するユーザーが集まりやすくなるはずです。
 
たとえばデジタルコンテンツの開発等を行うチームラボ株式会社のInstagramアカウントは美しいデジタルアートの投稿を行っており、画像・投稿には文章が一切含まれていません。まさにInstagramを通じ、独自の世界観を表現しているアカウント例と言えるでしょう。
 
▼teamlab
https://www.instagram.com/teamlab/
 
また、スニーカーブランド「Flower Mountain」は、ナチュラルイメージの写真で統一されています。メインは商品写真ですが、十分にブランドイメージが伝わるでしょう。ブランドイメージに共感するユーザーのみをターゲットとし、コアなファンを増やしているアカウント例です。
 
▼flowermountain_official
https://www.instagram.com/flowermountain_official/
 
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フォロワー獲得につながるアカウントを作る

 
アカウントの設定が終わったら、次はフォロワー数を増やす段階です。
 
ユーザーがアカウントをフォローするまでの基本の流れは以下です。
1 投稿がユーザーの目に留まる
2 アカウント(もしくは投稿)に興味を持つ
3 プロフィールを見て今後も情報が知りたいと思う
4 フォローする

フォロワー獲得までのステップ

フォロワー獲得までのステップ


フォロワーを増やすためには、以下の3つの指標に注目しましょう。
 

  • 投稿リーチ数(投稿がどれだけの人に見られているか)
  • プロフィール遷移率(どれだけの人が投稿からプロフィールへ遷移したか)
  • フォロー完了率(プロフィールを見た人がどれだけフォローしてくれたか)

 
思うようにフォロワーが増えない場合、上記指標のいずれかに課題があると考えられます。たとえばプロフィール遷移率が高いのにフォロー完了率が低ければ、投稿で興味を持ってもらってもプロフィールで「誰に向けたアカウントでどんな情報が得られるのか」が伝えられていないのかもしれない、といった形で改善していきます。
 
 

1 投稿リーチ数を増やす

 
まずは、投稿リーチ数を増加させましょう。定期的に目にして認知してもらえると、フォローしてもらいやすくなります。リーチ数を増やすために欠かせないことの1つが「ハッシュタグ検索」を活用して露出を増やすことです。
 
 

ハッシュタグ検索の活用

 
ハッシュタグ検索で上位表示させるとリーチ数が一気に増えるため、運用開始直後から積極的に取り組みたい施策です。
 
ハッシュタグは、「#コスメ」「#美容液」といった形で、「#」と共に特定キーワードを投稿文に付与するものです。ハッシュタグメインで検索するユーザーも多く、リーチ数を増やすには「人気順」「新着順」で並ぶ一覧のうち「人気順」で上位に表示させることがポイントです。
 
ハッシュタグのキーワードは、競合やインフルエンサーが使用しているメインキーワードやユーザーが商品を口コミ投稿している際のハッシュタグを確認し決めていくと良いでしょう。ただし、大勢が使用しているボリュームの大きいキーワードばかり狙うと、投稿数が多く自社のコンテンツが埋もれてしまう可能性があります。
 
逆に検索ボリュームが小さいハッシュタグのキーワードは投稿自体が少ないため、検索上位に表示されやすいですが、そもそもの使用者が少ないためリーチ数が限られる点がデメリットです。最初のうちは、上位表示しやすく、それなりの検索ボリュームがあるキーワードがよいでしょう。
 
また、ハッシュタグを設定する際は表記が誤っていないかを確認しましょう。気を付けるべき項目を紹介します。
 

  • 特殊記号や句読点、スペースを含まない
  • 全角あるいは類似する「シャープ(♯)」ではなく、半角の「#」を正しく使用する
  • ハッシュタグは1つの投稿に対して最大30個まで

 
これらに注意して設定するようにしましょう。
 
 

「保存数」の高い投稿

 
さらに投稿リーチ数を伸ばすためには、ハッシュタグの活用だけでなく、「保存数」が高い投稿になっているかも気にかけていきましょう
 
Instagramでは、ユーザーが気に入った投稿を改めて後で見直せるよう「保存」ができます。この保存された数を「保存数」、リーチ数に対してどれだけのユーザーに保存されたのかを、保存率とよびます。保存率の目標は、2〜3%が目安です。
 
保存とは
昨今、フォロワー以外のユーザーにおすすめ表示してもらえるかの重要な指標として、『保存数』が「いいね!」数以上に重要になってきているといわれています。そのためリーチ数を増やすうえで、保存数は無視できない指標です。
 
また、「保存=あとでまた見たい」というユーザーが多いということになるため、コンテンツの質や商品への興味を判断する指標の1つにもなります。
 
参考:Instagramの売上相関指標は「フォロワー数・いいね数」より「保存数」!? ユーザー行動モデルで分析
 
 

2 プロフィール遷移率を上げる

 
Instagramではアカウントを評価する際に、投稿やアカウントを見ている時間を重視する傾向があり、滞在時間が長いほど、既存のフォロワーと似た趣味嗜好を持った人に投稿がおすすめされる「発見タブ」に載りやすくなります。そのため、ユーザーに他の投稿も見てもらえるようにプロフィールへの遷移率を上げる必要があります。
 
プロフィール遷移率は

「プロフィールを見た人数÷投稿リーチ数」

で算出できます。
 
まずは、「タグ付け」や「メンション機能」を活用して投稿からプロフィールへの遷移を促します。
 
 

タグ付けでプロフィールへの誘導

 
Instagramでは投稿にアカウントをタグ付けできます。タグ付けすると写真・動画上にユーザーネームが表示され、ここからプロフィールに遷移できる仕組みです。
タグ付け
たとえば不動産会社が自社の物件写真にアカウントをタグ付けすると、投稿を見て物件に興味を持ったユーザーは自社のアカウントに遷移します。
 
 

メンション機能の活用

 
Instagramでは写真・動画を投稿する際、説明欄に「@アカウント名」を表示してアカウント情報を紐づけるメンション機能があります。
 
メンション機能
たとえば、新製品紹介の投稿を見て「気になる」「もっと知りたい」と思ったユーザーが、メンションからアカウントのプロフィールに遷移してくれます。このときメンションだけでなく、「製品の詳細はこちら」など一言添えておくのも良いでしょう。
 
 

ユーザーからのタグ付け・メンション効果を狙う

 
タグ付け・メンション機能を活用してユーザーからの口コミ増加を狙うことも可能です。
ユーザーの作ったコンテンツを総称してUGC(User Generated Contents)と呼び、自社にとってポジティブな投稿が増えるほど認知が拡大していきます。
 
たとえば、商品を使ったユーザーがブランドの公式アカウントをタグ付けしてくれたり、説明の中でアカウント名をメンションしてくれれば、そのユーザーのフォロワーやハッシュタグ検索で見つけたユーザーが興味を持って遷移する可能性があります。
 
その他にも以下のような方法でプロフィールへの遷移を促します。
 

  • どんなターゲットに向けたアカウントかが伝わる投稿をする
  • ランキング形式や前半後半にわけるなど、過去コンテンツへ誘導する

 
プロフィールへの流入を増やしたら、次はアカウントのフォロー完了率アップに取り組みます。
 
 

3 フォロー完了率を上げる

 
リーチ数を増やしてプロフィールまで遷移してくれたユーザーを逃さないよう、最後のフォロー完了率を上げることも重要です。
 
フォロー完了率はプロフィールを見て、フォローした人の割合です。

「フォロー数÷プロフィールを見た人数」

で算出できます。
 
フォロー完了率を上げるためには、アカウントの世界観や届けたいユーザーがひと目でわかるようなターゲットに刺さるプロフィールを作りましょう。定期的な発信がされていることを示すのも、情報収集として使っているユーザーへのアプローチに有効です。
 
 

ストーリーズの活用

 
ストーリーズは、既存のフォロワーとのコミュニケーションによく使われますが、新規ユーザーへのアプローチにも有効で、フィード投稿とは違った角度からアカウントのイメージを掴んでもらえるため、フォロー完了率アップに欠かせません。
 
全画面表示の最長15秒で、通常の投稿と異なり24時間で自動的に削除されます。表示される場所は、ホーム画面の一番上です。投稿されると、虹色に縁取られるので一目でわかる仕様になっています。また、ストーリーズにはハッシュタグを設定できるほか、アカウントのメンションも可能です。
ストーリーズ
24時間限定のため、新商品の入荷やセールの情報、スタッフが登場するPRなど、投稿の統一感を気にしすぎることなく、ライトに投稿することができます。文字やスタンプ、BGMなども設定でき、ユーザーがアカウントのイメージを掴みやすい点もストーリーズを活用する1つのメリットです。なお、アーカイブ機能を使えば「ハイライト」として24時間経過後も残しておくことができます。
 
 

ハイライト機能で理解を深めてもらう

 
ストーリーズの投稿を24時間経過後もプロフィール上に表示できるのが「ハイライト」機能です。情報をまとめておくことで、プロフィールを訪れたユーザーが普段発信している情報のイメージがしやすくなるのでぜひ活用していきましょう。
 
ハイライト
 
たとえば、「macaroni」というレシピ動画を届けるアカウントでは、投稿したレシピを「今日の献立」「作り置き」などで分類してハイライトで紹介しています。
 


特にユーザーの反応が良かったストーリーズは、ハイライトに残すことで新たなフォロワー獲得につながる可能性もあります。また、商品のプロモーションにつながる投稿であれば、ストーリーズを経由して継続的なコンバージョン獲得に寄与できるかもしれません。
 
ハイライトに保存できる画像や動画は最大100件までで、これを超えると古いものからアーカイブに移ってプロフィール上では見えなくなってしまいます。そのため、定期的な見直しをおすすめします。
 
その他にも、以下のような方法に取り組んでみましょう。
 

  • 誰に向けたアカウントかがわかる紹介文を作る
  • 高い頻度で投稿し、情報の豊富さと最新性を示す
  • アイコンや投稿画像に統一した世界観をもたせ、ユーザーが共感を得やすいプロフィールを作る

 
フォロワー獲得までの流れを理解して、自社の課題となっているフェーズにアプローチをしていきましょう。
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
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既存フォロワーの質を高める

 
ここまで、Instagramにおける新規フォロワーの獲得について解説しましたが、新規フォロワーを獲得するには、既存フォロワーへのアプローチが不可欠なことがわかっています。
Instagramのアルゴリズム上、「既存フォロワーから支持されているアカウントである」ことが新規フォロワーを獲得しやすい環境作りにつながっていると考えられているためです。

レコメンドされる仕組み

レコメンドされる仕組み


既存のフォロワーに評価されると、既存のフォロワーと似た趣味嗜好を持った人に投稿が「発見タブ」でレコメンドされるようになります。発見タブに表示されればフォロワー以外のユーザーも多く目にするため、自社を知らないユーザーにも広く投稿を届けることが可能です。
 
「発見タブ」にレコメンドされる確率は、既存フォロワーとの親密度の高さに応じて高まるといわれています。
 
発見タブとは

発見タブとは


そして既存フォロワーとの親密度が高いアカウントかどうかは、アカウントに対するエンゲージメント率で判断されます。具体的には、いいね!やコメント、保存数など投稿を見たユーザーがアクションをした割合でこれらを増やしていく必要があります。しかし、エンゲージメント率はいいね!やコメントなど複数の指標から総合的に判断するため、運用する側からは現状が見えにくい数字です。
 
そのため、アカウントの質を図る指標として使われるのが「ホーム率」です。次の章で詳しく解説していきます。
 
 

アカウントの質を測る「ホーム率」とは

 
どれだけのフォロワーがフィード(タイムライン)で投稿を見ているかを表す数値がホーム率です。
 
ホーム率は、

「フィードから見てもらえる投稿のインプレッション数÷フォロワー数」

で計算できます。
 
ホーム率とは
フィードに出る投稿の表示順は時系列に加え、フォロワーの関心度・フォロワーとの親密度を含めた3つの軸で決定します。
 
そして3つの数字が全体的に高いアカウントほど上に表示されるため、フォロワーとの関係性が良好でないとフィードで投稿を見てもらえる確率が減ってしまいます。投稿がトップに表示されやすい状態=ホーム率が高い状態を作るために何をすべきかを次の章で解説します。
 
 

「ホーム率」を上げるために活用したい機能

 
フィードに表示される投稿は、「時系列」「フォロワーの関心度」「フォロワーとの親密度」という3つの軸を基準に判断されているとお伝えしました。この中で時系列は、投稿された情報の鮮度を表し、関心度は普段ユーザーが見ているコンテンツの傾向により決まり、これらはコントロールが難しいものです。
 
一方で「フォロワーとの親密度」はアプローチ次第で上げることができる数値のため、ぜひ改善に取り組みましょう。具体的に「親密度」は以下5つによって判断されています。
 

  • 滞在時間
  • コメント
  • いいね!
  • 保存
  • プロフィールタップ

 
滞在時間はプロフィールを訪れてからユーザーが過去の投稿などを閲覧し、離れるまでの時間です。これが長いほどユーザーにとってアカウントの情報が有益であり、ユーザーから気に入られていると考えられます。
 
また、コメントや「いいね!」といったアクションも、もっと知りたい気持ちや興味、関心の高さに直結します。保存やプロフィールタップは「また後で見返したい」「購入を検討したい」といったケースや興味を持った場合に発生するアクションです。
 
つまりホーム率を上げるためには、これらの5つの数値を高めることが特に重要です。そのための方法を機能別に解説します。
 
 

ストーリーズでのアンケート・質問機能

 
Instagramでは、ストーリーズで2択形式のアンケートや質問が行えます。2択形式のアンケートではユーザーは選択肢のいずれかをタップすると、その集計結果がすぐ見られるという機能です。質問は、自由回答で36文字まで入力できるためさまざまな質問が可能です。
 
アンケート機能と質問機能
このアンケート・質問機能はコメントやユーザーの履歴に残るいいね!などに比べて気軽に反応できるため、ユーザーとの接触機会を増やすことができます。
 
また、アンケートを通してアカウントへの親近感が高まったり、商品に興味を持てばプロフィールへの遷移も期待できます。
 
ユーザーニーズを把握するのに使われることもあります。たとえば、ユーザーに今の悩みを回答してもらうことで、リアルな声をもとに訴求の方向性を決定することができます。その他にもユーザーに再販希望の商品のアンケートをとってそれらの結果をもとに販売を決めているケースもあります。自分の声を拾ってもらえると感じることで親近感も高まります。
 
 

コメントでのコミュニケーション

 
たとえば新製品に関する投稿にコメントをもらった場合は、真摯に対応することでユーザーの製品に対する疑問や不信感を取り払って購買に繋げることもできます。
 
また、コメントでの活発なやり取りは「不具合が発生した」「問い合わせをしたい」といった場合に真摯に対応してもらえる印象を与え、ユーザーからの信頼獲得にもつながるでしょう。
 
購入するか迷っていてもっと商品の詳細を知りたいユーザーにとっては、コメントへの回答などわずかな情報も重要です。コメントでのコミュニケーションを活発化させるには、丁寧な対応はもちろん、コメントしやすい投稿内容や雰囲気作りが大切です。
 
ただしコメントが原因でユーザーへ不快感を与えたり、炎上するリスクがある点には注意が必要です。ブランドや世界観のイメージを崩さない対応ができる体制を作れると良いでしょう。
 
 

ライブ配信

 
Instagramには、リアルタイムで動画を配信できるライブ配信機能「インスタライブ」があります。ライブ配信を始めるとアカウントのフォロワーにその旨が通知され、コメントや「いいね!」を送ったり、質問することができます。アーカイブを残せば後から視聴してもらうことも可能です。
 
コメントや質問機能を使って、リアルタイムかつ双方向のコミュニケーションができるのはインスタライブならではです。ライブ配信はブランドが与えるイメージをより詳細に伝えられるので、ブランドそのものを好きになってもらいやすいというメリットがあります。
 
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アカウント分析を効率的に行う

 

分析に欠かせない「Instagramインサイト機能」とは

 
「Instagramインサイト機能」では、アカウント分析に必要な指標を確認することができます。大きく分けて3つ紹介するので、覚えておきましょう。
 
 

<リーチ>

 
投稿を閲覧したユーザー数を表します。フォロワーに限らず、閲覧したユーザー全体の数です。
 
 

<インタラクション>

 
フィードや投稿、ストーリーズ、リールなど各投稿に対するいいね!やコメント、シェアなどのアクション数です。飛び抜けてこの数値が多い投稿コンテンツがあれば、そのコンテンツに類似した投稿の比重を高めることでより多くのアクションを得られるかもしれません。
 
 

<オーディエンス>

 
年齢・性別、エリア、滞在時間などフォロワーに関する情報を確認できます。特に滞在時間は、ユーザーからの関心が高い質の良いアカウントかどうかを評価する指標として重要です。また、アカウントが目指す方向性と獲得できているユーザー層が一致しているかを判断するのにも役立ちます。
 
次に、これらの「インサイト機能」で確認した数値を使って、アカウント分析をしていきましょう。
 
 

Instagramの運用に必要な4つのKPI

 
Instagramのアカウント分析に必要なKPIを紹介します。KPIは「Key peformance indicator」の略で、簡単に言うと目標達成のためにクリアすべき中間目標です。なお、最終目標をKGI(Key Goal Indicator)と呼び、KGIとKPIは一緒に用いられることが一般的です。
 
Instagramのアカウント分析においては、以下の4つをKPIに設定すると良いでしょう。
 
 

①投稿リーチ数

 
より広くユーザーの目に留まり接触する母数を増やすことが目的です。
リーチ数を伸ばすためには、各投稿の質を高めることが重要になります。高めるためには、保存率を意識すると良いでしょう。
 
 

②プロフィール遷移率

 
いくら投稿を見てもらえても、プロフィールへ遷移しなければフォローにはつながりません。プロフィール遷移率を元に「届けたい相手が明確な投稿か」「他の投稿に興味を持ってもらう導線がひけているか」を確認しましょう。
 
 

③フォロー完了率

 
継続的に投稿を見てもらえるようフォロー完了率もチェックしましょう。プロフィールまで遷移してもらえているのにフォロー完了率が低いようであれば、「投稿とプロフィールのアンマッチが起きていないか」「情報の更新頻度は十分か」などを確認するとよいでしょう。企業によっては、フォロー完了率ではなく、フォロー数を見ることもあります。
 
 

④ホーム率

 
ホーム率は、フォロワーのうちどれだけの人が新しいフィード投稿をホーム画面で見てくれているのかを表すものです。獲得したフォロワーがアカウントに興味を持っているのかどうかが数値として表れます。フォロワー数が変わらないのにホーム率が振るわない場合は、興味が薄れて、ホーム画面で上位に表示されなくなってしまったと考えられます。
 
 

アカウントの改善方法

 
アカウント改善をする上で重要なことは、目標と現状がどれだけ乖離しているかを明白にした上で、改善をしていくことです。実際には以下のステップを踏むのがよいでしょう。
 
<アカウントの改善手順>

 1. アカウントの目標を設定
 2. KPIを設定
 3. 競合(参考にする)アカウントを定める
 4. 数値を計測
 5. KPIと照らし合わせ、乖離の程度を把握
 6. アカウントを改善する施策を打つ

 
具体的な事例で説明します。
 

1.アカウントの目標を設定

 
アカウントの目標は、「フォロワー数を2倍にする」に設定しました。
 
 

2.KPIを設定

 
目指すKPIは、「投稿リーチ数」「プロフィール遷移率」「フォロー完了率」3つです。これらは、ユーザーがアカウントをフォローするまでの導線を元に考えてみましょう。
 
①投稿を見る②プロフィールに遷移する③フォローする、に分けられるため、最初に述べた3つが適切だと考えることができます。
 
 

3.競合(参考にする)アカウントを定める

 
競合アカウントを決める際は、「商材「商材のターゲット」が似ているもの、かつ「自社の目標数値」ここで言う「目標のフォロワー数」が近いものが望ましいです。
 
 
4-6では現状分析、現状把握、改善施策を順番に行います。まず、現状分析のためにKPIに設定した数値を「Instagramインサイト」を使って確認します。その上で、目標と大きく乖離している数値があれば、改善策を立てていきます。
 
仮に、投稿リーチ数が少ない場合は、競合アカウントの「投稿内容」や「投稿頻度」、いいね!数やコメントなどの反応の有無・質を比較していきましょう。
 
また、フォロー完了率が少ない場合は、プロフィールの見直しやプレゼントキャンペーンを実施することもあります。プレゼントキャンペーンは、期間限定でアカウントをフォローしたユーザーに対して、商品を無料でプレゼントするというような企画です。
 
最後に今回の手順をまとめますので、参考にしていただけると幸いです。
 
アカウント改善の手順
 

投稿の改善方法

 
一般的に、各投稿1つ1つにはKPIを設けません。そのため、投稿の改善は以下の手順で行います。
 
<各投稿の分析手順>

 1. アカウントを分析する
 2. KPIに達していない数値を確認
   —–ここまではアカウント分析と同様—–
 3. KPIを達成していない要因を探る1つの要素として、各投稿を分析
 4. 1つ1つの投稿の「投稿リーチ数」や「いいね数」、「クリック数」を確認
 5. 数値が悪い場合は、投稿の方向性を変えていく

 
3での投稿の分析は、アカウント分析と同じくインサイトを用いて各数値を確認します。投稿内容の改善には、以下のような方法があります。いずれの方法でも世界観を崩さないことが重要です。
 

  • 商品のブランドと投稿の世界観にずれがある場合は、ブランドイメージに合わせた表現で投稿する
  • Instagram以外のチャネルで広告を実施していた場合は、イメージが合うように雰囲気や世界観を合わせる
  • 写真のみで投稿している場合は、投稿する写真の中に文字を入れ込むなどの工夫をする。

 
自社の投稿を分析した上で、上記の施策を参考にしてみてください。
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
解説資料はこちら
 
 

集客につながる施策3選

 
「ユーザーからの反応率を高めるには」「フォローしてもらうためには」どういう機能を活用すればよいかを中心に紹介してきましたが、具体的にどのような施策を打てばよいのでしょうか。効果的である理由とともにご紹介します。
 
 

キャンペーンの実施

 
集客のためよく実施されるのが、キャンペーン施策です。キャンペーンの内容は、目的をどこにおくかで変わり、認知度アップやブランドイメージの定着、既存顧客へのアプローチなど企業によってさまざまです。
 
たとえば認知度アップを目指す場合、いいね!やフォローすることで自社製品をプレゼントしたり、サービスを割引するキャンペーンが多く行われます。反応を多く獲得できると、エンゲージメント率が高まりよりレコメンドされやすくなります。
 
「この投稿にいいね!をした人の中から5名様に〇〇が当たる」
「フォローするだけでもらえる〇〇」
といった内容で、ユーザーにメリットがあるキャンペーンを選ぶことがポイントです。
 
参加条件を工夫すればUGCコンテンツを増やすことにもつながります
具体的には、

  • 指定のハッシュタグをつけた投稿を見せると10%割引
  • 公式アカウントをタグ付けした投稿で応募可能
  • 当選者には商品の投稿をしてもらう

などの方法でUGC施策につなげることが可能です。
 
その他にも、他社とのコラボでアプローチ母数を広げたり、ハッシュタグの投稿数に応じてプレゼントが増えるといったユーザーの関心を高める工夫もあります。
 
Instagramのキャンペーンには「金銭のプレゼントはNG」「アカウントと関係ない投稿へのタグ付け誘導は禁止」などの規約がありますので、実施する際にはガイドラインのチェックも忘れずに行いましょう。
 
参考:Instagramコミュニティ・ガイドライン
 
 

インフルエンサーの活用

 
製品やサービスの告知をインフルエンサーに行ってもらう施策もあります。インフルエンサーは、芸能人やスポーツ選手、専門家などの著名人に比べるとユーザーに身近な存在です。
 
そのためユーザーの共感を得やすく、インフルエンサーの発信に対してエンゲージメント率が高いフォロワーを多く抱えています。購買イメージも湧きやすいことから、投稿のインパクトが期待できる手法です。
 
インフルエンサーに投稿してもらうメリットは、

  • ターゲティングがしやすい
  • UGCコンテンツとして残る
  • 「消費者」の立場に近いため広告への抵抗が軽減される
  • 企業がリポストするなど2次利用ができる ※契約前に要確認

などが挙げられます。
 
また、画像に自社アカウントをタグ付けしたり、テキスト欄でメンションしてもらうことでプロフィールへの誘導も行うことができます。
 

単品通販で、Instagramは新規獲得チャネルに育つ?インフルエンサー活用の成功事例
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UGCコンテンツや投稿の2次利用

 
2次利用とは、キャンペーンやインフルエンサーの活用で投稿されたものを自社で再利用することです。たとえば、キャンペーンでユーザーが投稿してくれた内容をリポストすると、実際に商品が使われている場面がイメージしやすかったり、売り込み感が薄くなります
 
インフルエンサーのPR投稿を、広告やLPに転用するケースもあります。
告とアカウントの印象が一致したり、口コミのコンテンツがあることでユーザーが実際に使用するイメージを持ちやすくなります
 
2次利用が可能かどうかは契約前に必ず確認しましょう。
 
参考:「インスタでも話題」でCPA改善!インフルエンサー投稿・PR実績の2次利用の効果と、よくある失敗例
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
解説資料はこちら
 
 

Instagramの成功事例

 
ある女性向け健康食品のD2C企業の事例を紹介します。
 
これまでWEBやオフライン広告で新規獲得をしてきましたが、若い女性へのアプローチ強化のためInstagramのビジネスアカウントを開設。開設当初はすぐに売上に繋がらず、Instagramならではの世界観を作り出す難しさなど壁もありましたが、腰を据えてアカウントの質を上げていくことに注力しました。
 
具体的に行ったのは、まず毎週欠かさず投稿すること。その上でユーザーに共感されるよう投稿内容にブラッシュアップを重ね、フォロワーの保存数などアクションの数値を観測しながら、特に評判の良い投稿を拡充していきました。
 
この企業で好評だったのは以下のような投稿カテゴリーです。

  • 社員がオススメする美味しい飲み方
  • 商品を使ったアレンジ料理
  • 健康へのサポート効果の紹介 など

 
さらに、フォロワーと商品の両方に親和性のあるインフルエンサーを起用してのPR投稿や、キャンペーンなども合わせて行った結果、フォロワーからのコメントやいいね!の獲得、さらに保存数も増加したことでエンゲージメント率が向上。フォロワーも1万人近く獲得でき、毎月200〜300件のCVが発生するアカウントへと成長しました。
 
成功要因は、自社のInstagramアカウントをユーザーに受け入れられるアカウントに育てたことです。
 
アカウントの認知度が低い状態でも毎週欠かさず投稿と検証を重ねることで、ユーザーに支持され共感されフォローされる質の高いアカウントになりました。
 
アカウントの質が上がれば発見タブへ表示される確率も上がり、さらに新規フォロワーの獲得がしやすくなります。この企業は現在もInstagramの活用と他の新規獲得チャネルを並走させながら、事業成長を続けています。
 


 
Instagramはユーザー数の増加や利用する世代の幅が広がり、ビジネスアカウントを活用する企業も増えています。
 
しかしInstagramは、ただ投稿すれば成果を得られるものではありません。運用の準備から投稿内容の検討まで、いくつも押さえておくべきポイントがあります。投稿においてはハッシュタグやタグ付け、メンションなど、Instagramの機能もぜひ活用しましょう。
 
また、Instagramの運用で欠かせないのがアカウント分析です。「投稿リーチ数」「プロフィール遷移率」「フォロー完了率」「ホーム率」をKPIとして設定し、分析を行いながら必要に応じて投稿内容やプロフィール、活用する機能などを見直してください。
 
Instagramはやり方しだいで低コストで大きな成果が目指せるマーケティング手法の一つです。ただし投稿内容や具体的に取るべき施策などは、企業によって異なります。Instagramを運用する目的や求める成果などを明確にし、自社に合った運用方法を確立させましょう。
 
通販企業のInstagram活用方法を具体的にまとめました。
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