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サブスクリプションビジネス海外事例 11 選|参考になる海外のサービスや導入メリットを紹介

近年、日本企業においても注目されているサブスクリプションビジネス、海外では多くのサービスが登場して市場規模を拡大しています。特に、スタートアップ企業はユーザーの興味を刺激するアイデアが市場に向けて発信されています。 

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおいて先行している海外の事例を紹介していきたいと思います。

サブスクリプションビジネス海外事例11選

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サブスクリプションビジネスを分かりやすく言うと?

 
サブスクリプションビジネスとは、「一定期間において製品やサービスを定額料金もしくは利用分のみの課金で提供するビジネス」です。
サブスクリプションのビジネスの範囲は広く、企業のマーケティング戦略によって、さまざまなモデルが提案されています。
 
 

「使った分だけ支払う」モデルとは

 
たとえば、料金の支払方法において、定期、定額、会費制などのほかに、「使った分だけ支払う」モデルがあります。
このモデルは、ITサービスビジネスに採用されサブスクリプションビジネス市場を大きく拡大しました。
 
「使った分だけ支払う」モデルの事例としては、Amazon AWSなどのクラウドサービスなどがあげられます。
従来、企業がITシステムを導入するためには、高性能のコンピュータやサーバなどの周辺機器が必要でした。
Amazon AWSなどのクラウドサービスは、クラウドと「使った分だけ支払う」料金体系を採用することで、ITシステム導入のための多額な初期費用や保守・維持費などのコストを低くすることに成功し、ユーザーを拡大しています。
 
 

サブスクリプションビジネスの歴史

 
サブスクリプションビジネスの歴史は古く、日常生活においてもなじみの深いものです。
代表的なビジネスに、生活に必要な電気・ガス・水道・通信などがあります。
これらのビジネスに共通するのは大規模なライフラインのインフラがバックボーンになっている点です。
 
サブスクリプションビジネスは、個々のユーザーが購入できない巨大な設備や膨大なサービス・商品の利用分だけ料金を支払うことで活用できる点で共通しています。
 
 

サブスクリプションビジネスが注目される要因

 
近年サブスクリプションビジネスが注目され、拡大している要因は、経済が成熟し、あらゆる市場が飽和状態になったことから、個人や企業などの消費スタイルが商品やサービスを「所有」することから「利用・共用」することにシフトした時代背景があります。
同時に、インターネットの普及やITの進歩が、この消費スタイルの変化に対応した商品やサービスの提供方法を可能にしたことにあります。
 
 

サブスクリプションビジネスのメリット

 
サブスクリプションビジネスのメリットに、ユーザー情報を取得して蓄積できる点があります。
マーケティングにおいて最重要とされる顧客情報が入手できるのです。ユーザーとダイレクトに契約し、ユーザーの属性情報やサービスの利用頻度、嗜好性などの顧客動向情報を蓄積できます。
 
サブスクリプションビジネスで蓄積されたデータを分析することで、これからの時代のマーケティングに必要とされる、新たな顧客体験の提供や顧客価値観に合ったサービスの提案が可能となります。
 
サブスクリプションサービスのビジネスモデルで、最近よく見られる戦略に、無料期間や低料金のお試し期間があります。
無料期間や低料金のお試し期間があることで、より広い範囲のユーザーが商品やサービスの使用を開始します。
実際の利用体験を得ることで、商品やサービスから得られるメリットを実感できれば、無料期間や低料金のお試し期間が終わっても、通常の料金で使い続けるユーザーを獲得できるわけです。
 

サブスクで使われる料金形態

サブスクで使われる料金形態


 
 

海外で注目されているサービスをマーケティングのアイデアに活かす

 
近年、ユーザーの消費行動は、モノを購入する物質的な価値観に加え、購入に伴う消費体験の楽しさに価値観を見出す傾向が強くなっているといわれています。
サブスクリプションビジネスは、ユーザーの消費体験に楽しさをプラスするには最適です。
 
日本で市場を拡大しているマーケティングのアイデアには、海外のビジネスモデルが入ってきたケースが数多くあります。
今では日常生活に欠かせなくなっているAmazonやMicrosoft、Netflixなどの巨大企業のサービスだけでなく、日本の中小企業やスタートアップの参考にできるサブスクリプションビジネスが多くあります。
企業経営者やマーケティング担当者は、海外発のサブスクリプションビジネスをし参考にすると効果的です。
 
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参考になる海外サブスクリプションビジネス11選

 
マーケティングにおいてイノベーションを起こすためには、今までの既成概念にとらわれない広い視野での思考が必要です。
海外のサブスクリプションビジネスには、今までになかった体験をユーザーに提供するサービスが数多く存在します。
海外のサブスクリプションビジネスには大きな2つの流れがあります。
それは、サービスを提供するビジネスと、サブスクリプションボックススタイルのビジネスです。
サブスクリプションボックスとは、コスメや食品、日用品などの商品を届けるサービスで、過去10年間で急速に普及しています。
 
 

アパレル

 
アパレル業界では、注目すべきサブスクリプションビジネスが登場しています。
多くのビジネスはサブスクリプションボックスのフレームワークで提案されます。
ファッションはアイテムを 身につけることによって感じる楽しさや心地よさといったユーザーの消費体験にダイレクトに結びつくビジネスです。
今回紹介する企業も、サブスクリプションのテーマであるユーザーの消費体験に焦点をあてたミッションを掲げています。
 

Stitchfix

Stitchfix (出典:https://www.stitchfix.com/t/gateway)  
 
Stitchfixは、ファッションをテーマにしたサブスクリプションビジネスです。
ユーザーは自分のスタイルを見つけるためにStitchfixサイトに用意された質問に応えます。
AIとエキスパートのスタイリストが質問の回答を参考に、ユーザーに適した服を選んで自宅に送ります。
ユーザーは気に入った服だけを購入して、残りは返送します。
 
流行にマッチしていて自分の好きな服を着ることは、ユーザーの理想です。
しかし、多くのユーザーにとってそれを実現するのは容易ではありません。
Stitchfixによって、スタイリストがついた芸能人のように専門知識を得ながら、服を選んで購入するための時間の節約と自分では選ばないような新たな服との出会いができるわけです。
 
Stitchfixは、1,000以上のトップブランドのアイテムを取扱い、ユーザーは自分でアイテムを選んで即座に購入することも可能です。 
このサービスの成功要因の1つに、独自のロイヤルティプログラムがあげられます。
 
2020年にリリースした追加機能「ShopYourLook」では、過去に買ったアイテムを引き立たせたり補完する製品を提供します。
同じく以前に購入したアイテムをさまざまな色、プリント、またはパターンで購入することも可能にしています。
実際、アクティブなユーザー数は前年比17%増、2020年第2四半期には350万人に達しました。
 
データに基づくユーザーとのエンゲージメントに成功したことが拡大のポイントといえるでしょう。
 

Me-Undies

Me-Undies (出典:https://www.meundies.com/ ) 
 
Me-Undiesは、アンダーウェアをテーマにしたサブスクリプションビジネスです。
Me-Undiesは、ユーザーが本当の自分らしさを表現して最高の気分になることを使命としています。
ファッションは、ユーザーの気分を快適にするものですが、外側を着飾るだけでなく、内側のファッションであるアンダーウェアも重要な要素です。
 
Me-Undiesでは、ユーザーが自分を表現することを可能とする高品質のアンダーウェアが毎月届けられます。
 
このブランドでは、3年間で1,583%の売上拡大を果たしました。
 
特に注力したのが新規ユーザーの獲得。Facebook、Snapshotへの広告ではROAS:242%を実現し、それに加えFacebook Messengerでのカスタマーサポートも奏功して、2020年の年間売り上げは1,600万ドルとも言われています。
 

コスメ

 
コスメのサブスクリプションサービスは日本においても参入企業が増えている分野です。
たとえば楽天が運営するRAXYや、美容サイトの@cosmeを運営する株式会社アイスタイルが提供するBLOOMBOXなどがあります。
ここでは現在日本未参入のサブスクリプションを紹介します。
 

BirchBox

BirchBox (出典:https://www.birchbox.com/
 
BirchBoxは、コスメをテーマにしたサブスクリプションボックススタイルのビジネスです。
BirchBoxでは、専門家が選択した5つのサンプルと解説書が入ったボックスをユーザーに毎月届けます。
サンプルが気に入った場合、ユーザーはフルサイズの製品を購入することができます。
 
ユーザーは、自分に合ったコスメを見つけることに興味がありますが、見つけ出すためには時間と労力が必要です。
BirchBoxは、厳選された5つのサンプルを届けるというサブスクリプションサービスによって、ユーザーのコスメ選びの手助けをすることをミッションとしています。
 
BirchBoxのユーザー数は現在100万人を超えています。2010年には1,200名ほどだったにも関わらず、2015年には85万に急成長を遂げ、2019年で100万人を達成しました。
この成功はコンセプトに加え、ユーザ同士でレビューを共有し友達にするようにおススメする仕組みがカギとなっています。
日本でのお友達紹介に似ているかもしれません。紹介にはインセンティブが与えられ、更なる紹介へのモチベーションになるという戦略がうまくはまった事例です。
 
 

Dollar Shave Club

Dollar Shave Club (出典:https://www.dollarshaveclub.com/
 
Dollar Shave Clubは、高品質のシェイバー製品を届けるサブスクリプションサービスで成功を収めています。
ユーザーに届けるサブスクリプションボックスは、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズが可能で、納期も柔軟に対応できます。
 
特徴は髭剃りのブレードだけを送るのではなく、ユーザの肌のタイプや髪の毛のタイプ別に合ったクリームやトリートメントをAIが選定し、セット割引で販売していることです。
また、顧客対応については流行りのロボットによる対応を極力排除し、リアルの人間が対応する徹底した顧客中心のサービスを取っています。
 
 

子供向けギフト

 
子供の成長に最適なゲームや本、おもちゃを年齢に応じて与えたいという親の願いは、世界共通です。
そういった親の気持ちを解決するサブスクリプションビジネスが海外にも存在します。
 
 

Little Passports

Little Passports (出典:https://www.littlepassports.com/ ) 
Little Passportsは、子供の年齢に応じて科学や地理をテーマにした楽しいゲームや本、おもちゃがボックスで届く子供向けギフトサービスです。
たとえば、3歳から5歳は「音楽、海、恐竜などの新しい世界の探検」、5歳から8歳は「科学、技術、工学、数学への生涯にわたる関心」など自宅にいながら世界を体験することをコンセプトにしています。
 
この企業は2009年に2人のママが設立し、当初ビジネスはうまくいきませんでしたが、Facebookの有料広告が功を奏しました。
CVからターゲットを絞りセグメントすることで投資を大きく上回る回収ができたのです。ユーザーは飛躍的に伸び12万人以上に。売上は3,000万ドルにまで。
 
 

食品

 
食べることに関連するサブスクリプションもユーザーの消費体験にダイレクトに結びつくビジネスです。
楽しい食事体験を提供する、新しいスタイルです。
 

Blue Apron

Blue Apron (出典:https://www.blueapron.com/)  
 
Blue Apronは、ユーザーが好きな食べ物や健康志向の食べ物、プレミアム料理をバラエティーに富んだメニューから選び、そのレシピを作るための食材がボックスはいって、自宅まで届けられるサービスです。
ユーザーはわかりやすい手順のレシピに従って、料理作りを楽しむことができます。
 
Blue Apronは2012年に設立されたミールキッドの先駆的企業です。インターネット技術の飛躍的な向上にあわせYouTube広告に力を入れ、ネット上のいたるところでBlue Apronの名前が見られる状態を作り、2015年には売上10億ドルを突破
拡大要因の1つが、急な顧客増加や要望にも耐えうる柔軟なシステムの開発。
そして現在競合他社が多くあるものの、先駆者としての地位が確立され信頼あるブランドは盤石です。
 
 

VINEBOX

VINEBOX (出典:https://www.getvinebox.com/)  
 
VINEBOXは、3か月ごとに世界中で選ばれたその季節で最高の高級ワインをグラス一杯分9種類届けるサブスクリプションサービスです。
ユーザーは簡単に一番旬なワインを味わうことができ、自分好みの新しいワインを見つけることができます。
お気に入りのワインが見つかったらフルボトルサイズで購入できます。その特徴はワインボトル。
ワインが空気に触れないような独自の技術を開発し、試飲ボトルでも生の味が楽しめる工夫をとっています。
 
2015年に設立、高級ワインも気軽に楽しめるとして人気を得ました。
その後2019年にPinterest、Instagram、Facebookなどの広告に投資し、結果 ROI:1101%、収益は595%増加と成長につなげました。
 
 

ライフスタイル

 
スキルアップのための学習や趣味、トレーニング、ゲームなどのライフスタイルの分野でもサブスクリプションビジネスのサービスが登場しています。
 

MasterClass

MasterClass (出典:https://www.masterclass.com/)  
 
MasterClassは、さまざまな分野のプロフェッショナルからビデオレッスンを受けることができるeラーニングを提供するプラットフォームです。
今までにもプロフェッショナルの講師を招いてレッスンを行うプランはありましたが、MasterClassは、通常はレッスンを受けることが困難と思われる、世界的に最高峰の有名人を招いているところが特徴です。
 
MasterClassは、eラーニングの分野では後発にあたり2015年に設立した当時はすでにUdacityやUdemyなどの競合が存在していました。
そこでMasterClassは当初から著名人とコネクションを形成し、SNS広告展開します。
そのほかコネクションのできた著名人のアカウントからの広告も行いました。
彼らはインフルエンサーとして十分に強力だと知っていたからです。これが成功し設立からたった4か月で3万人のユーザーを獲得し、現在のユーザー数は100万人を超えています。
 
 

ClassPass

ClassPass (出典:https://classpass.com/)  
 
フィットネスジムを使うときは、フィットネスクラブに入会して、そのフィットネスクラブのジムを使うのが一般的です。
ClassPassは、ひとつのフィットネスクラブではなく、多数のフィットネススタジオを使うことができるメンバーシップを提供するサービスです。
ClassPassは、世界28か国の3万以上のフィットネススタジオと提携しています。
ユーザーは、時間や場所の都合に合わせてジムを選択することができます。
ジムによってクラスやマシンが違うので、フィットネスを極めたいユーザーに適していますし、多くのジムを試したいユーザーにも便利です。
 
新規ユーザーの獲得には初月無料のトライアルが用意されています。
2013年サービス開始当初は99ドルの月額制で上限なくレッスンを提供していましたが、ヨガなどの比較的安いクラス、キックボクシングなどの比較的高額なクラスを織り交ぜて上限なく提供し続けることが困難に。
そこでクラス数に上限を設けるなどの変遷を経て、現在のクレジット消費制に至りました。
ライトユーザからヘビーユーザまで自分の好みで利用できるようになり、2019年にはトータルの予約数が6千万を超えました。
その後も資金調達を進め累計資金調達額は5億5000万ドル(約600億円)。
今後はマーケットの拡大と法人向け事業の成長にも意欲をみせています。
 
 

Hunt A Killer

Hunt A Killer (出典:https://www.huntakiller.com/)  
 
Hunt A Killerは、サブスクリプションボックススタイルのビジネスのひとつで、推理探偵ゲームの手掛かりが入ったボックスが毎月届けられます。
ボックスには、さまざまな手がかりや物理的なアイテムが詰め込まれていて、その手がかりを使用して進行中の殺人ミステリーを解決するというもの。
 
このサービスは2016年に設立されたスタートアップ企業が提供しています。
 
初回に無料で届くBOXには、リアルに作られた新聞やポリスレポート、マガジン、手紙など事件に関係する資料が梱包されていますが、1つだけでは犯人にたどり着けない仕掛けです。
BOXを1つ受け取るたびにストーリーが進み、6つ目の最後のBOXでようやく犯人にたどり着くよう設計されています。
そのため、1つのストーリーを完結させるためにユーザーは半年間のサブスクリプションを楽しんで継続。
それは同時にユーザー維持の仕組みになっています。
 
新規ユーザの獲得にはSNS(Facebook等)への広告と、初月無料のプロモーションを実施。
また、Winc(ワインのオンライン販売)をパートナーとして、1ストーリにワインボトルを2つ提供することで、ワインを飲みながら推理を楽しむなどの付加価値をつけています。
2019年の収益は2700万ドルを突破し、3年の売り上げ成長率は20,489%と急成長を遂げています。
 
 

Just the Right Book

Just the Right Book (出典:https://justtherightbook.com/)  
Just the Right Bookは、ユーザーの好みに合った「ちょうどいい本」を毎月届けるサブスクリプションボックススタイルのビジネスです。
 
ユーザのプロファイル(好み)に応じて、AIが選定した本を毎月配達。
届けられた本のフィードバックをすることで、パーソナライズの精度を少しずつ向上させていきます。
利用すればするほど好みの本に出会えるとして顧客維持に成功しています。
また「Claim a Gift」を使用して多くのユーザが友人や家族にこのサブスクリプションをプレゼントしているとのこと。
「送り主がまるで自分の好みに合った本を探してくれたみたい」と好評を得ています。
 
 

まとめ

 
サブスクリプションビジネスは、世界中で注目され多くの企業が参入しています。
しかし、サブスクリプションビジネスを始めさえすれば成功するというわけではありません。
サブスクリプションビジネスは、ユーザーに契約を継続してもらわなければなりません。
そのためには、長期的にユーザーが満足する価値を提供し続けなければならないのです。
 
ユーザーが満足するレベルを保ち、ユーザーに必要とされる製品やサービスであり続けるためには、ユーザーを理解している企業であることが重要です。
 
今回紹介した海外のサブスクリプションビジネスの事例はユーザーに評価されているものであり、新しいビジネスモデル創出の参考としてお役立て下さい。
 
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