単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

定期離脱「ロイヤル休眠」のお客様が復活した、DMの仕掛け

ある化粧品通販企業から届いた、ダイレクトメール(DM)。
休眠になってしまったお客様宛てに、ポイントの失効期限をお知らせする内容でした。
「定期離脱」など休眠顧客が購入を再開するために、トリガーとなる心理メカニズムを紹介します。

休眠顧客「掘り起こし」の、あの手この手

 

今回のテーマは、休眠顧客の掘り起こし・復活です。

 

一度購入したお客様にもう一度振り向いてもらおうと各社とも「あの手この手」の攻勢をかけますが、我が家のポストにも、「割引」や「プレゼント」「今だけ!」などにぎやかなコピーが踊ったDMが、日々投函されます。

 

そのなかで、ある化粧品会社から先月に郵送されてきた封書が、他のDMと少し違っていたので、紹介しますね。

 

1年以上前に本商品を購入した、この会社から告げられたのは、

 

「大切なお客様の個人情報をお守りするため、最終ご購入日から2年経過した時点で、ご登録を削除させていただいております。」

 

 

ポイント有効期限のお知らせは、購入に結びつく?

 

同時に、貯めたポイントも失効してしまうとのお知らせでした。
そこで、「有効期限までにご活用ください!」という告知が、かわいいイラストとともに描かれていたのです。

 

このDM、この商品を忘れていた頃、しばらくぶりに届いても、一消費者として、とても気持ち良く受け取らせてもらったのですが、気になってしまったのが、その費用対効果。
にぎやかなキャンペーンの案内とは違って、いささか控えめ過ぎるのではないか・・・?と。

 

そんなことを考えながら思い出したのが、かつて健康食品会社のご担当者の方から聞かせてもらった事例です。

 

 

定期離脱のお客様が、戻ってきたDMの仕掛け

 

この健康食品会社さまでは、休眠顧客掘り起こしのため、テストでDMを制作して送付したものの、レス率が0.5%にも満たないなど、失敗もしてきたそうです。

 

試行錯誤を重ねながら休眠復活のため、定期コースを離脱したお客様に送ったのが、
「最終購入から1年間経つと、割引がリセットされてしまう」
という旨のお知らせでした。

 

このDMを、定期お休み11ヶ月目のお客様に送ったところ、引き上げ率が10%以上の大成功を収めたというのです。

 

単純な割引キャンペーンではなく、割引が失効してしまう旨のアナウンス。

 

どうして、これが成功したのでしょう?

 

ここには、人間心理の普遍的な性質として知られている、「損失回避」の傾向が影響しているのかもしれません。

 

 

確率的に儲かるギャンブルに、手を出さない理由

 

「あなたはコイン投げのギャンブルに誘われました
・裏が出たら、100ドル払います
・表が出たら、150ドルもらえます
このギャンブルは魅力的ですか?あなたはやりますか?」

 

もしこのような質問を投げかけられたら、いかが答えられますか?

 

払う金額よりもらう金額の方が高く、それぞれの確率は50%-50%。
このギャンブルの期待値は、明らかにプラスです。

 

それでも多くの人々は、これには乗らないそうです。

 

「ファスト&スロー (下)」ダニエル・カーニマン )

 

なぜなら、「得」と「損」が同じなら、「損」を避けるように行動する、「損失回避」の傾向が、ヒトには備わっているからです。

 

 

「損」には、「得」の2〜2.5倍は敏感!?

 

では、100ドル払うのと同じ確率で、何ドルもらえるなら、このギャンブルに生じるのでしょう?

 

平均的な答えは、200ドルでした。

 

つまり、一般的な人々は、「損」の2倍の「得」が見込めないと、ギャンブルには乗らないそうです。

 

この事実を示した行動経済学者 ダニエル・カーニマン氏の提唱する「プロスペクト理論」では、以下のように言われています。

 

「1万円を得するのと損するのとでは、「損」をすることから生じる不満足は、得することから生まれる満足感より、2~2.5倍は大きい」

 

今回はポイントや割引の失効を事例に、休眠顧客の掘り起こし・復活をテーマに記しましたが、

 

この「損失回避」の傾向は、新規顧客のための広告表現や引上げのためのキャンペーンメールの終了告知など、さまざまな場面でも応用できそうです。

 

普段とは異なる施策を考えられるときの切り口として、頭の片隅にとどめていただければ幸いです!