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通販広告のキャスティング、「年間契約」の投資対効果と芸能人・モデルの選び方

芸能人やモデルといった著名人を起用したWEB広告は、CVへの貢献効果が大きく、コスメやサプリ、ダイエットなど、通販各社が取り組みを拡大しています。

その場合、キャスティングに必要な費用は1,000万円以上が一般的。特に最近のトレンドになりつつある「イメージキャラクター」として長期契約を結ぶ手法では、初期投資の費用がネックになるケースも少なくありません。

そこで重要になるのが販売効果のある芸能人やモデルを選択すること。

今回は、著名人を選ぶ上でのポイントをお伝えします。

イメージキャラクターの年間契約、投資対効果は合う?合わない?

 
イメージキャラクターとして著名人を活用すると大きなメリットがあると分かっていても、すぐに導入に踏み切れるわけではありません。
 
特に問題となるのがコスト。
通常、芸能人やモデルと長期契約を結ぶ場合、最低でも500万円~1,000万円、芸能人のランクや人気によってはそれ以上の金額が必要になるのが一般的です。
 
では、初期投資を回収できるほど売り上げへの効果があるのでしょうか。
 
このとき、目安になるのが企業の規模です。
広告費が経営を圧迫するリスクを考えると、大まかな目安として年商で10億円以上の通販企業は、十分に初期投資を回収し、売り上げに上乗せすることができるでしょう。
 
 

サプリメントでは、月間CV件数が10,000件超えの事例も

 

著名人を使用したイメージキャラクター戦略では、最も影響が大きいのは新規顧客獲得への後押し効果です。
 
あるサプリメントの事例では、月間の新規顧客獲得が、それまで1,500件程度にとどまっていました。
そこで元アイドルと契約を締結。
商品を実際に使用してもらい、積極的な広告戦略を打ち出したところ、爆発的なCVの伸びを記録。
目標CPAの範囲内で、月間10,000件前後と6倍以上にまで増加しました。
 
ランディングページや広告バナー、記事コンテンツとして使用したことで、大きな反響を得られました。
 
 

目標CPA内で広告を拡大できれば、初期投資も十分に回収できる

 
芸能人やモデルなどの著名人を活用した広告の場合、初期投資と広告の効果が見合うかという点も重要です。
 
たとえばCPA(CPO)を9,000円で、LTVが15,000円と設定した場合、新規顧客1人あたりの粗利は15,000円ー9,000円、つまり6,000円ということになります。
 
例えば下のグラフのように、CPAを維持したままでCV件数を3倍に伸ばせたとすると、粗利額は年間で1億8千万円を超える計算に。
年間契約にかかったコストも十分に回収することができます。
 
これはあくまでも計算上の数字ですが、芸能人やモデルのお墨付きがあれば、記事やバナーでの反応、ランディングページでのCVRのアップ効果を見越して、成果報酬型の広告代理店やアフィリエイターなども広告を回してもらいやすくなるのは、別の記事でも述べたとおり。
 
そのため、すでにある程度の規模がある場合、年間契約のコストを考えても、芸能人やモデルなどを起用する意味は非常に大きいと言えるでしょう。
 
単品リピート通販広告でのキャスティングの投資対効果の考え方
 
 

芸能人・モデル選びで押さえておきたい、3つのポイント

 
投資対効果が合う水準が理解できたとしても、単に著名人を広告に使用すれば必ず売上が伸びるということではありません。
芸能人・モデルと自社の商品の組み合わせによって、「当たりハズレ」が出てきてしまうのも事実
 
それでは、自社の商品に合った芸能人・モデルを選定するときには、どのような点に注意すれば「ハズレ」のリスクを抑えることができるのでしょうか。
 
 

ポイント1:費用感は、500~1,500万円程度

 
多くの通販企業からキャスティングに関して問合せをいただく中で、少なからず尋ねられることがあります。
それは、「あの国民的な大女優をキャスティングできないか?」「旬のタレントをイメージキャラクターに使いたいのだがどうすればよいか」ということ。
しかし、実際にこういったクラスの芸能人を一般的な通販企業の広告でみることはほとんどありません。
 
その大きな理由は費用の問題です。
芸能人でもハイクラスになると、費用は少なくとも2,000万円以上。
そのため「国民的大女優」や「旬のタレント」の一般的な通販企業の広告への掲載は現実的ではありません。
 
では、どのような芸能人やモデルが適しているのでしょうか。
 
ねらい目は、「過去にテレビなどで多数出演していて、“誰もが顔や名前を知っている”レベルの知名度の高さを誇るが、現在は何らかの事情でマスメディアには露出していない」という方です。
 
この場合、費用も安価な場合は500万円程度。
高額であっても1,500万円~2,000万円に収まる可能性が高く、コストパフォーマンスの面からも期待しやすいと言えます。
 
 

ポイント2:広告素材としての「使いやすさ」をチェック

 
通販広告の場合、コピーや写真が固定的ではありません。
テストの結果や媒体特性に合わせて変化しなければ、最適の結果を望むことができないというのはご存じの通り。
 
そのため、「契約時に決めた表現以外は、使用NG」「一度決めたものを変えることはできない」となってしまうと、広告の素材としての「使い勝手」が悪くなります。
表現方法に関するスピーディな変更ができないと、本来の販売効果を引き出すこともできなくなってしまいます。
 
ところが、先ほど述べた「女優」クラスの芸能人の場合、露出にあたっての制約条件も厳しいというのが現状です。
「この広告表現は、キツすぎる」「写真と商品の組合せによっては、イメージが崩れるからダメ」「変更のたびに事務所の確認が必要」となってしまうことも珍しくありません。
 
現在すでに他社(特にナショナルクライアント)の広告契約をしている場合には、バッティングの条件などもさらに厳しくなることが考えられます。
 

もし芸能人やモデルなどを使う場合、表現の自由度を広告主側でどこまでキープできるかという点を確認してみてください。
事務所側の提示する条件を詳細にチェックするのはもちろん、現在の広告契約状況や露出量、あるいは事務所の体質や本人のタイプなども理解しておくと、トラブルにつながりにくくなります。
 
 

ポイント3:自社商品に合ったストーリーをつくれるか?

 
これまでは「芸能人・モデルの名前や写真を広告に出せば、売れる」と考えられていた時代もありました。
ただ、同じような手法をとる競合企業が増えるにつれて、それだけでは効果を発揮しにくくなっているというのが現状。
 
そこで芸能人・モデルの起用の成否を分けるようになっているのが、「ストーリー性」です。
 
例えばダイエット・サプリといった商材であれば、「商品を飲んでもらい、やせてもらうまでのプロセスを追う」といった取り上げ方をすると、リアリティが増し消費者の共感を得やすくなります。
 
また「産後ダイエットにチャレンジ」や「美容や食に関する資格を取得して、ちょうど栄養素に関心があった」といった本人のエピソードがあれば消費者の興味をさらに引き付けることも。
記事やLPに落とし込んだ時に充実したコンテンツづくりにつながり、より広範な消費者にアピールすることができます。
 
この「ストーリー」は広告を制作する上で非常に重要な存在。
そのため、まず起用する芸能人やモデルのプロフィール情報をチェック、自社の商品と掛け合わせてLPや記事などで受けそうなストーリーを構築できそうかどうかを考えるとよいでしょう。
 
企業によっては、さらに上流段階で、まずは起用する芸能人やモデルを決定。
そのうえで「この芸能人・モデルに合った商品なら売れそうだ」「この著名人ならどのようなストーリーができるか」といった具合に、まず企画を立てて契約を締結、その後商品開発に入る、と本来の順番から逆転するケースもあるほどです。
 
 

誰を選ぶか迷ったら、既存顧客へのアンケートも有効

 
これまで、芸能人やモデルをどのように選ぶかというポイントを解説してきました。
しかし、特にポイント3の「起用する芸能人やモデルが自社の商品と合うかどうか」という点に関しては、論理的な予測が立てづらい、「アート」の要素も否定できません。
 
では選定の精度を少しでも高めるためには、どうすればよいのでしょうか。
 
私たちが最近実践していて選定を行う上で効果をあげているのが、「自社の顧客に聞いてみる」という方法です。
 
事前に10~20人程度の芸能人やモデルをピックアップ
その後「商品のイメージに合っているのは誰だと思いますか?」と既存の顧客にメールなどでアンケートを行います。
 

既存顧客へのアンケート結果の分析例

既存顧客へのアンケート結果の分析例


そうすると、クライアントのご担当者や私たちの事前の想定とはまったく違う名前が上位にランクインすることも珍しくありません。
 
さらに、アンケートは年代別、居住地別、LTV別といった属性別に結果を精査。
すると「商品購入に1万円以上使っているお客様にはこのモデルが響いている」といったデータを得ることもできます。
この方法では、イメージキャラクターの候補者を絞り込め、成功の確率を高めやすくできます
 
今回紹介したような投資対効果の考え方や具体的な方法論、起用のポイントなどを踏まえて芸能人やモデルとの協働を検討されてはいかがでしょうか。