単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

スマホ時代、入力フォームの新法則!画面遷移数など、UX改善のテスト事例から

カートやフォームまでたどり着いても、7-8割のユーザーが離脱してしまう「カゴ落ち」。

スマホからの流入が圧倒的多数になったのにともない、CVRアップのための方法論も変化してきました。

定石を覆したA/Bテスト事例と、背景にあるユーザー行動の変化をレポートします。

テスト事例「画面の遷移数を増やして、離脱率が5%改善」の不思議

 
ASPなど、カートシステムで一般的なのが5画面の遷移です。
 
LPやECサイトで「購入する」「買い物カゴに入れる」のボタンを押すと表示される「カゴページ」が1画面目。
続いて「お客様情報入力」→「支払い情報入力」→「確認画面」と遷移していき、「完了画面」(サンクスページ)に到達します。
 

一般的な5画面のカートシステム

一般的な「5画面」のカートシステム


 
この画面遷移のUX(ユーザーエクスペリエンス)を改善して、離脱率を下げることはできないでしょうか?
 
ユーザーが1ページで入力する情報量を減らして、8画面の遷移をたどるようにしました。
従来型の「5画面」のタイプとA/Bテストで比較したところ、離脱率が5〜6%改善したのです。
 

お客様情報の入力を、4画面に分割


 
具体的には、お客様情報の入力画面を4つに分割しました。
 
1画面目では、名前と郵便番号のみ。
入力してもらいやすい項目を最初に並べ、次のページに進んでもらうたびに「Yes」を取り続けていくことを意図しました。
 
・2画面目:住所(郵便番号自動入力で表示されなかった残りの番地や建物名など)
・3画面目:電話番号、性別、誕生年
・4画面目:メールアドレス、パスワード
 
 
この「8画面遷移」タイプ。
従来の「5画面遷移」タイプとA/Bテストで比較しましたが、数社ともいずれも離脱率に改善効果が見られました。
 
 

フォーム「一体型」と「遷移型」どちらを選ぶ?

 
入力フォームでは、「画面遷移をできるだけ少なくする」がUXについて従来の鉄則。
 
5〜10ページの遷移が発生してしまうカートシステムより、「フォーム一体型LP」のように遷移数の少ないパターンの方がCVRが高い傾向がありました。
 
フォーム一体型LPは最短で、LP→確認画面→完了画面と3画面の遷移です。
「ユーザーは、ページを遷移するたびに離脱しやすい」という傾向から、物理的に遷移数を少なくする設計がフィットしていました。
 
 

この2年間、スマホシフトの完結で「風向きが変わった」

 
ところが、この2年間で風向きが変わってきたのを感じます。
背景にあるのは、デバイスの変化。
 
中高年の顧客が多い単品リピート通販業界でも、弊社の把握しているデータでは、コスメは90%、健康食品でも70-80%程度はスマホからの購入です。
 
いわゆる「ユーザビリティ調査」、すなわちエンドユーザーがスマホでECサイトから注文する操作を観察するなかで、興味深い傾向が分かってきました。
縦長の入力フォームを操作するときに、どう入力してよいか分からずつまづいたり、途中で離脱してしまったりといった行動が少なからず見られたのです。
 
 

スマホの操作は「縦」より「横」!ファーストビュー完結に支持

 
PCが主流の時代には、縦に「スクロール」という動作が一般的でした。
したがって、フォーム一体型LPの縦に長いデザイン(UX)がユーザーの行動にも適っていました。
 
一方、スマホの使用時間が長くなるにつれ、ユーザーは「ブラウザ」より「アプリ」の操作体験が増えました
 
アプリでは、1つ1つのページの縦幅が画面内におさまるのが一般的です。
つまり、タップやスワイプで横に移動していきます。
 
ファーストビューで完結するページ操作が、ユーザーにとって馴染みやすくなった。
このような変化を反映してか、フォーム一体型LPと遷移型フォーム(8画面)を比較しても、CVRは後者の方が高い傾向があります。
 
画面遷移が増えた方が、CVRが高まる。
ダイレクトマーケターの“常識”からはずれるテスト結果の背景には、スマホシフトの完結にともなうトレンドの変化があると捉えています。
 
 

チャットボットは?2019年時点では、中高年は操作に不慣れ?

 
ちなみに、もう1つの大きな変化が、チャットボットの登場。
 
スマホでのUXを変えうる“破壊的な技術”として、私たちも業界動向や技術情報をウォッチしています。
2019年夏時点での暫定的な結論としては、現状では「取り組むのはまだ早い」ということ。
 

チャットボット型の入力フォームも登場


 
たしかに20〜30代では、チャットの操作に慣れた顧客層も少なくありません。
商材によってはチャットボット型フォームの導入で、CVRを改善した事例も出てきています。
 
一方、化粧品や健康食品など単品リピート通販でターゲットとなるのは、40代以上の中高年女性が大半です。
 
アンケートで「馴染みのあるフォーム」を尋ねたところ、中高年世代については以下の傾向が分かりました。
 
・1位:遷移型フォーム
・2位:一体型フォーム
・3位:チャットフォーム
 
30〜60代男女のモニターを対象としたインタビューでは、「男性よりも女性」「若年層よりは年配」の方がチャットに不慣れな様子。
「何を買おうとしているのかわかりにくい」「普通で良い」といったネガティブな意見も出ました。
 
もちろん将来的なデバイスの進化や、主流のアプリやメディア等の移り変わりによっては、潮目が変わる可能性もあります。
チャットの操作に慣れた若年層も、ターゲット顧客層とだんだんと重なってくるでしょう。
 
新しい技術とユーザー動向を注視しながら、特に単品リピート通販業界に当てはまりやすい形で導入していきたいと考えています。