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健康食品企業の顧客データから見つかった、LTVが“不自然に”高い年齢層

ある健康食品通販企業の顧客データを分析したところ、LTVが抜きん出て高い顧客属性が見つかりました。

 

そのデータを活用して売上アップを実現するためには、どのような視点でデータを捉えればよいか?

実際の施策へと、どのように結びつければよいか?

 

実データをもとに解説しました。

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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健康食品企業のLTVを、性別×媒体別でクロス集計すると

 

LTVの高いお客様を獲得していくためには、何をすればよいのでしょうか?

 

その第一歩は、年齢や性別、獲得媒体や決済手段などの属性ごとに顧客をセグメントして、それぞれLTVを見ていくことです。

 

ある健康食品企業(A社)の2014年6月~12月のデータから、獲得媒体(Webなど「オンライン」と紙・テレビなど「オフライン」)と、性別の掛け合わせで違いを見ていきます。

 

【 オンライン媒体の男女別LTV 】

・男性:11,700円

・女性:9,800円

 

【 オフライン媒体の男女別LTV 】

・男性:8,700円・

・女性:10,300円

 

LTVは、「直近1年間の顧客別の売上」と定義して算出しましたが、性別×獲得媒体でも、このようにLTVには大きな違いが出ます。
 
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 ターゲットは「40~50代」、年齢別のLTVははたして・・

 

今度は、獲得媒体に年齢を掛け合わせて数字を見ていきます。

同じく、健康食品企業A社の、2014年6月~12月のデータからです。

 

【 オンライン媒体の年齢別LTV 】

・20代以下 :4,500円

・30代   :9,800円

・40代   :12,000円

・50代   :10,600円

・60代   :9,900円

・70代以上 :7,500円

 

この企業でメインの顧客ターゲットは、40~50代。

 

「オンライン」では、ターゲットと合っている顧客において、LTVが高くなり、見事に山をつくっています

 

ところが、「オフライン」を見てみると・・
 
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LTVが“不自然に”高い、年齢層を発見!・・

 

【 オフライン媒体の年齢別LTV 】

 

・20代以下 :3,500円

・30代   :9,200円

・40代   :9,700円

・50代   :7,400円

・60代   :8,300円

・70代以上 :12,200円

 

不自然に金額が高い山が、見つかりました。

「70代以上」です。

 

オンラインを含めても、また性別×獲得媒体別のデータを含めても、すべてのグループの中で、この「12,200円」は最も高い数字

 

もしお客様すべてが「オフライン媒体からの70代」になれば、売上は大きくアップするはずです。

 

大きな手がかりを見つけた!と心躍らせながら、次のデータを見たときに、心はまた迷宮へと戻っていきました。
 
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 売上全体には限られたインパクトしか出ない、という事実 

 

オフラインで獲得した「70代以上」のお客様は、たしかにLTVは高いものの、平均年齢の高いオフラインのなかでも、10%しかいなかったのです。

 

【 オフライン媒体の顧客人数の年齢構成比 】

・20代以下 :2%

・30代   :6%

・40代   :24%

・50代   :42%

・60代   :16%

・70代以上 :10%

 

そのため、このセグメントの顧客数がたとえ2倍になったとしても、売上全体には限られたインパクトしか出ません。

 

LTVの高い70代以上のお客様に絞って、オフラインの媒体から獲得していこうとしたら、どうなるでしょうか?

クリエイティブや媒体など今までの延長線上ではいかないですし、人口的にも限られた母数の層を、他の顧客層より優先することになります。

 

つまり、「70代」×「オフライン」はたとえどんなにLTVが高くても、企業の売上を創る主力には、今すぐにはなりえないのです。
 
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 LTVの高い顧客だけを求めても、売上は拡大しないというジレンマ 

 

広告展開において、獲得効率のよい媒体のみに絞ってしまうと、獲得件数を拡大できないこと。

読者の皆さまなら、ご存知と思います。

 

それと同じように、LTVの高い顧客のみを求めても、新規顧客のボリュームを獲得をすることが難しくなります

したがって、「LTV」と「獲得規模」を合わせた数字にもとづいて、私たちは判断をするべきなのです。

 

では売上目標の達成に向けて、この2つの最適な組み合わせを見つけるために、私たちは何から取り組むべきなのでしょうか?

一つの答えは、「顧客のポートフォリオ」を作成することです。

 

・どのチャネル(新聞、TV、ネット、ラジオ・・)

・どのデバイス(電話、ハガキ、スマホ、パソコン・・)

・どの決済方法(クレジット、コンビニ、代引き・・)

 

それぞれの手法から流入してきた顧客の構成比が、男性と女性は、どうあるべきなのか?

年代は、どうあるべきなのか?

 

売上目標から逆算すると、だんだんと明確に見えてきます。

 

逆に言えば、それぞれの組み合わせのLTVを把握しているということは、新規顧客を獲得した時点で、1年後、そして2年後の売上を垣間見れる、ということなのです。
 
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未来予測を、シンプルな目標に落とし込むということ

 

LTVは「顧客生涯価値」と言われるように、検証するのには時間がかかります。

 

たとえば、1月に獲得したお客様のLTVの実数値は、1年後にしか算出できません。

 

だからこそ、早い段階で、つまり新規顧客を獲得した時点でその成否を判断するために、

「○○の属性のお客様を△人獲得する」などシンプルな目標を、あらかじめ立てておくのです。

 

お客様の属性は、多様性に満ちています。

しかし多様性に満ちているのは、その条件の「組み合わせ」に過ぎません。

 

そして、その条件も顧客ポートフォリオから逆算すれば、実務のうえでは、シンプルな目標数字に落とし込むことができます。
 
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「顧客ポートフォリオ」を起点に、新規獲得戦略を立てる 

 

まずは、条件を組み合わせたLTV指標を算出して、獲得規模に応じた顧客ポートフォリオを設計しましょう。

 

売上目標によっては、LTVが高い顧客だけを獲得すればよいかもしれません。

LTVが低い顧客も獲得した方が、よいかもしれません。

 

それでも、広告媒体による結果や外部の情報に踊らされない、自社の明確な目標をもつことが、最適なLTVで目標を達成するための第一歩です。

 

大切なことなので、2回言います。

 

「獲得効率」や「目標LTV」だけを追うのではありません。

企業の売上目標に応じた顧客ポートフォリオを、今あるデータから予測して、必要な規模を、必要な属性で獲得できる戦略を立ててみてください。

 

後半は、なかなか具体的なことをお伝えできなかったのが心苦しいですが、読者の皆さまが「LTV」について考えるヒントに、少しでもなればと思っております!
 
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