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チャットボットの活用事例3選!マーケティングで売上アップに貢献した、3つの手法

チャットボットの活用は、マーケティングにおいても注目が集まっています。

一方、「売上アップに貢献するか?」が見えにくいケースも。

EC通販やサブスクリプションなどの事業でKPIの改善に貢献した事例を、「広告」「フォーム」「解約抑止」と3つの分野からピックアップしました。

チャットボット×事例

LINEなどチャットボットの会話型広告で、CPAが2分の1以下も

 
1つ目の活用シーンが、広告での新規顧客獲得。
LINEやFacebook Messengerなどメッセンジャーツールで、チャットボットによる会話型の広告を展開する手法です。
 
たとえばメンズコスメをECメインで販売する「バルクオム」は、LINE広告を配信したユーザーに「肌診断」を訴求。
LINE公式アカウントの友だちに登録してもらったうえで、診断結果に合った商品や使い方を提案するなど、チャットボットによる会話型のナーチャリング(育成)施策を展開しました。
 
LINE社導入事例より
LINE社導入事例より
 
同社は、それ以前にもLINEでインフィード広告などを出稿していましたが、当時は思うような成果を上げられなかったそう。
このチャットボットによる会話型広告に取り組んだところ、定期購入時点でのCPAが従来の「257%改善」と2分の1以下にまで下がったそうです。
 

友だち獲得後のコミュニケーションを軸にしているため、当然ながらコンバージョンまで時間がかかるユーザーもいます。
なかには、広告接触から100日ほど経過してコンバージョンしたユーザーもいたとのこと。

 
「今すぐ商品を購入したい」顕在層だけではなく潜在層も取り込んだうえで、LINEで丁寧にコミュニケーション。
ニーズが顕在化したタイミングで「刈り取り」、購入まで案内できたことが、CPAを合わせられた要因でしょう。
 
このチャットボット型広告、ご紹介した事例は広告配信でのオファーとして友だち登録を促すタイプでしたが、LP上で友だち登録を働きかける手法もあります。
 

 
たとえば商品購入を訴求する広告でLPに誘導、商品を買わずに離脱しようとしたユーザーに、「診断」「アンケート」などを訴求したポップアップでLINE友だち追加を働きかけます。
そうすれば、直接CV(コンバージョン)を獲得したうえで、商品に興味のあるユーザーのリストも蓄積できるのです。
 
ITP対応でリターゲティング広告の配信条件が厳しくなるとも予想されるなか、見込み客をナーチャリング(育成)していくための手段として、チャットボット型広告の有効性は高まりそうです。
 
 
 

フォームでの離脱率が下がり、CVRが1.5倍にアップ!LTVの向上も

 
続いて活用されているシーンが、購入のための入力フォームです。
 
一般的なフォームでは、入力欄が初めから表示されていて、1つずつ入力していきます。
それに対してチャットボット型フォームでは、申込ボタンを押すとチャット画面が起動します。
 
「はじめに商品をご確認ください」「続いて、お名前をお書きください」「ご住所の都道府県をお選びください」など、質問に順次答えていくと、注文が完了するという流れです。
 
たとえば、美容液や育毛剤などを主にECで販売する「株式会社RAVIPA」は、チャットボット型フォームを導入。
「LP一体型」のフォームを活用していた時と比べて、CVRが8%から12%へと1.5倍にアップしたそうです。
 
QUALVA社ブログより
QUALVA社ブログより
 
LPのCVR(コンバージョン率)を上げるため、課題になりがちなのは「カゴ落ち」。
ショッピングカートに商品を入れるなどして、申込フォームに遷移したユーザーが、フォームに入力する途中で離脱する現象です。
 

 
チャットボット型フォームの良さは、フォームでの入力に慣れないユーザーでも、心理的な負荷が低く入力しやすいよう設計されていること。
 

実際に自分でもqualvaが導入された他社サイトで購入してみたところ、「対話形式でシナリオが進んでいくから、ターゲットユーザーである年配の女性の方でも、入力時のストレスが減るだろう」と感じました

 
LINEをはじめスマホの操作でなじみのある、会話型のUI(ユーザーインターフェース)で入力が進んでいくのも、CVRアップに貢献するのでしょう。
 
なお、チャットボット型フォームの活用メリットは、CVRのアップだけではありません。
初回購入時に継続率の高いクレジットカード決済に誘導、あるいはアップセル・クロスセルを仕掛けることで、LTVを高められる可能性も見えてきました。
 
ダイレクトマーケティングゼロ社の田村雅樹社長は、同社のブログ
 
・クレジットカード決済への誘導:クレジットカードの選択率が、5~15%程度アップする傾向
・おまとめ配送のアップセル:初回購入単価が20~30%くらいの改善も珍しくない
 
と事例をもとにした成果の目安を公開。
オペレーターと会話しているような感覚の「人感」と、コールセンターでの引き上げトークのような「ナチュラルな突然のレコメンド」など成果が上がった方法論を解説しています。
 

解約抑止率が11%以上も!メールやフォームの代替に

 
最後にご紹介するのが、カスタマーサポート(CS)での活用事例。
なかでもKPIアップなど数字面での貢献が現れやすいのは、解約の抑止です。
 
たとえば、アニメ動画配信サイトの「バンダイチャンネル」は、解約防止専門のチャットボットを提供する「Robee」を導入
2ヶ月後には解約防止率、すなわちサイトの解約ページに来たユーザーのうち翻意したユーザーの割合が11%を超えたそうです。
 
チャットでのコミュニケーションは、具体的にどのように展開されるのでしょうか?
 
解約を希望するユーザーがマイページなどを訪れボタンを押すと、チャットボットが起動します。
はじめに「今までありがとうございました」と感謝を伝えたうえで、
 

「解約しますか?」というチャットボットの問いかけに解約希望者が 「はい」か 「い
いえ」と答え、「はい」と答えたら 「もしよろしければ解約の理由を教えてください」 と問いかけます。
この問いかけに対して 「見る時間がない」「端末が対応していない」 など用意された選択肢を選んでいきます。

(「解約新書 マーケッターに捧げる解約の真実と処方箋」佐野敏哉 より)
 
解約の理由やサービスへの不満などを選びながら答えていくなかで、「●●様でしたら、このような活用方法があります」「商品を変更して続けてみませんか?」といった提案をします。
そのうえで「解約したい」「解約は希望しない」「解約しようか悩んでいる」など確認すると、一定割合のユーザーが解約を思いとどまり購入を継続するのです。
 

 
このように双方向のやり取りでの継続促進を昔から実践していたのが、電話のコールセンターでした。
 
ECやサブスクリプションなどオンラインでのコミュニケーションが主体の業態では、解約の連絡はメールや問合せフォームなどで寄せられることが多いもの。
これらの一方通行のコミュニケーションでは、ニーズを聞いたうえでの提案が難しくなります。
 
これらの解約連絡がチャットへ移行すれば、「テキストコミュニケーションを好む属性のお客様へも電話と同様のご案内が可能」になると述べるのが、コールセンターなどを手掛ける株式会社ダーウィンズのブログ
チャットでの解約阻止率が「7.0%」や「21.1%」といった実績とともに、解約の減少→売上アップにも貢献すると説きます。
 


 
今回の記事では、売上アップに役立つという観点から、広告・フォーム・解約抑止の3つの分野でチャットボットの活用事例をお届けしました。
さらに、コスト削減やCS向上などチャットボットの活用目的は他にもあります。
 
「チャット」というインターフェースは、LINEなどメッセンジャーツールの普及やSlackなどビジネスチャットの浸透などとも連動して、これからも広まっていくでしょう。
また人手不足の長期的なトレンドのなか、「ボット」による自動対応の必要性が高まるのも大きな流れ。
 
チャットボットは登場して10年に満たない新しい技術ですが、事業に貢献する活用の仕方を模索していきたいものです。