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【簡単解説】リスティング広告とは?仕組みや費用、始め方

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索したキーワードに関連した広告を、検索結果に表示する広告手法のことです。仕組みや基本、費用や設定方法など、初めての方には知らなくてはいけない情報が多く、わかりにくいかと思います。この記事では、リスティング広告をわかりやすく解説します。

リスティングってどんな広告?基本と費用、始め方(サムネイル)

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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リスティング広告とは

リスティング広告とは

リスティング広告とは


リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などで検索したキーワードに関連する広告を、検索結果に表示する広告手法のことです。
 
Google 広告やYahoo!広告が代表的で、検索連動型広告や、1クリックに対して費用が発生するためPPC広告(Pay Per Click)とも呼ばれています。ユーザーが検索をした時、つまり関心が高い時に広告を表示させるため、問い合わせや購入につながりやすく、高い費用対効果が見込める広告です。
 
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リスティング広告の基本と仕組み

 
リスティング広告を使うことで、自社の商品やサービスに関心があるユーザーを、自社のサイトに誘導することができます。この章ではリスティング広告でできることや、仕組みなどを紹介します。
 
リスティング広告では、以下のようなことができます。
 

  • 低額(月1,000円程度など)からでも出稿できる
  • 誰でも広告のアカウントを発行できる
  • 設定さえすれば、すぐに広告を出すことができる

 
 

リスティング広告の仕組み

 
リスティング広告では、以下のような流れで自社の広告が検索画面上に表示されます。
 

リスティング広告が出稿されるまでの流れ

広告が出稿されるまでの流れ


①広告を出したいキーワードを決める
②払える金額の上限(上限クリック単価)を決める
③ユーザーが対象のキーワードを検索する
④どの企業が広告枠に表示できるかのオークションが発生
⑤オークションに勝った企業が広告を表示させることができる
 
リスティング広告の仕組みを知る上で1番重要なのが、④のオークションの部分です。オークションという名称を使用しているため、上限クリック単価を上げれば上げるほど1位が取りやすくなると思われるかもしれませんが、実際は違います。
 
リスティング広告で広告の表示順位を決める際、1番重要になってくるのが「広告ランク」という指標です。広告ランクは、「品質スコア×上限クリック単価」という式で簡易的に表すことができる指標です。
 
広告ランクとは

広告ランクとは


広告ランクを表すための品質スコアは、キーワードと広告の関連性の高さや、有益な広告であるかなど、検索したユーザーにとっての広告の品質をスコアで表した指標です。
参考:『Google 広告 ヘルプ|品質スコアについて
 
それでは、実際に広告ランクがどのように表示順位に影響しているのか、確認していきましょう。例えば、以下の3社が同じキーワードで広告を出していたとします。
 
リスティング広告の掲載順位の決まり方
この場合、単価のみを見た場合はA社が1位表示になるように見えますが、実際は広告ランクで評価されるため、B社が1位となります。
 
上位に表示させるためには、上限クリック単価を引き上げるだけでなく、品質スコアの見直しを行うことも重要です。仕組みを理解した上で、改善を行うと効果的でしょう。
 
 

リスティング広告とディスプレイ広告の違い

 
リスティング広告とよく比較されるのが、ディスプレイ広告です。実は、ディスプレイ広告もリスティング広告と同じ管理画面で配信することができます。
 
詳しくは以下の記事をご覧いただければと思いますが、両者で異なるのは何に向いているのかという点です。
参考:『初心者でもわかるディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットをまとめました』
 
リスティング広告は、問い合わせやコンバージョン(CV)など「顧客を獲得すること」に向いています。一方、ディスプレイ広告は「顧客への認知を促進させること」に向いています。
 
リスティング広告は、「今すぐ〇〇が欲しい」や「〇〇の悩みを解決したい」など、能動的に検索しているユーザーに対して配信するため、問い合わせやコンバージョンが獲得しやすい広告です。
 
一方ディスプレイ広告は、年齢や趣味・趣向などターゲットとなる人物の属性に合わせて、「この人はこういうものに興味があるだろう」という予測を元に配信します。そのため、「あなたにオススメなこんな商品があります」といった文脈での興味喚起や認知のための広告が多くなります。
 
リスティング広告とディスプレイ広告、どちらの特性も理解した上で自社の商材に合わせて、最適な広告を選ぶとよいでしょう。
 
 

Google広告とYahoo!広告の違い、使い分け方

 
リスティング広告を配信できるプラットフォームは、「Google広告」「Yahoo!広告」の2つです。基本的には、2つのプラットフォームで同時に配信するのがおすすめです。
その上で、「予算の配分」をGoogleに寄せたり、Yahoo!に寄せたりして使い分けていきます。配分する際の判断に使うのは、2つのプラットフォームの「ユーザー数」と「ユーザー層」の違いです。
 
まず、「ユーザー数」の違いについて説明します。
 
Google広告はYahoo!広告と比べ、より多くの人にリーチすることができます。下記の、日本における検索エンジンのシェア率を表したデータを見ると、Googleは75.97%、Yahoo!は16.2%と圧倒的にGoogleが多いことが分かります。
 


次に、「ユーザー層」の違いについて説明します。
 

引用元:『マナミナ|ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた
GoogleYahoo!
年齢層の違い若年層が多い高年層が多い
職業の違い会社員が多い専業主婦が多い

 
2つのプラットフォームのユーザー層には、上記のような違いがあります。Googleは若年層や会社員が多く、Yahoo!は高年層や専業主婦が多くなります。
 
例えば、自社が「どの企業でも使えるような営業管理ツール」の販売を行っていたとしましょう。その場合、ユーザー数が多く会社員の割合も多いGoogle広告に予算を多く割いた方が、多くのコンバージョンを獲得できるでしょう。
 
一方、自社が「50代以降の専業主婦を対象としたサービス」を販売していた場合、高年層かつ専業主婦が多いYahoo!広告に予算を割いた方が、多くのCVを獲得できるといえます。
 
基本的には取りこぼしがないように、Google広告とYahoo!広告は同時に配信することをおすすめします。その上で、どちらの方に予算を多く割くかを検討する場合は、上記のようなプラットフォームの特徴を考慮するとよいでしょう。
 
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リスティング広告の費用は?いくらから始められるの?

 
リスティング広告は、設定するキーワードの数や種類によって適切な金額が異なるため、〇〇円から始めましょう!といった具体的な費用の目安は明言できません。その上で、目安となる費用の算出方法をこの章ではご紹介します。
 
費用の決定方法は主に2つあり、自社が設定したい「キーワード」を基準に決定する方法と、目標のCPA(Cost Per Action:顧客獲得単価)を基準として決定する方法の2種類があります。
 
 

キーワードから決定する方法

 
キーワードをもとに費用を決める場合は、自社が出稿したいキーワードの表示回数やおおよその月間クリック数を調べ、その値を参考に費用を算出します。
 
たとえば、自社が化粧品の販売会社だとします。出稿したいキーワードは「商品名」と「シワ 化粧品」です。まずは、その2つのキーワードでどれくらい広告が表示され、どれくらいのクリックがあるかを調べます。Google広告では管理画面上にある「キーワードプランナー」、Yahoo!広告なら「キーワードアドバイスツール」から確認できます。
 
例として、以下のような数字が出たとします。
 

Google広告 ※例としての数値です。
キーワード表示回数クリック数クリック率クリック単価費用
商品名5,0003006%500円150,000円
シワ 化粧品1,60022414%700円156,800円

 

Yahoo!広告 ※例としての数値です。
キーワード表示回数クリック数クリック率クリック単価費用
商品名500306%1,000円30,000円
シワ 化粧品50510%1,500円7,500円

 
ここまで出せたら上記で各キーワードの費用を足します。「商品名」「シワ 化粧品」で登録した場合は、344,300円の費用が必要、という目安を立てることができます。
 
 

CPAから決定する方法

 
目標のCPAと目標の獲得件数から計算する方法です。こちらは上記の方法よりも簡単な方法になりますが、実際に出稿してみた場合と大きくズレる可能性が高くなります。
 
費用目安は、「目標のCPA」と「目標の獲得件数」をかけて算出します。
 

目標のCPA×目標の獲得件数=費用

 
ただ、初めて広告運用を開始する場合、適切なCPAが何円なのか分からないかと思います。その場合、こちらのサイトから自社の業種の平均CPAを見つけ、参考にされるとよいでしょう。
 


上記の図は、業界別の平均CPAを示したものです。先ほどと同様に自社を化粧品の企業(Beauty & Personal Care)として考えた場合、平均CPAは約5,000円(40ドル)です。仮にコンバージョンの獲得目標が60件であった場合、以下のような計算になります。
 

5,000円×60件=300,000円

 
この場合は、月額の費用目安を300,000円として運用していきます。
 
ここで紹介した方法は、あくまで費用の目安を計算する方法ですので、実際出稿してみると全く違うということは多々あります。結果を見ながら最適な費用を調整していく方法が良いでしょう。
 
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リスティング広告を始めるには

 
ここでは、Google広告または、Yahoo!広告でリスティング広告を出稿する方法を簡単に解説します。
 
 

①アカウント作成の申請

 
以下の各公式サイトにアクセスします。
Google広告公式サイト:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/
Yahoo!広告公式サイト:https://ads-promo.yahoo.co.jp/
 
公式サイトの手順に沿って、アカウント開設のための申請を行いましょう。開設方法が分からない場合は、Googleは『Google 広告 ヘルプ|Google 広告アカウントを作成する: ご登録方法』、Yahoo!は『Yahoo!広告|お申し込み方法 – ヘルプ』を見るとスムーズです。
 
 

②各媒体にて審査

 
必要な情報が入力でき申請が完了すると、審査が行われます。審査にはGoogleは約1営業日、Yahoo!は約2〜3営業日かかります。審査が完了したら、アカウント開設完了です。
 
 

③アカウントの中身を考える

 
アカウント開設が完了したら、アカウントの中身を考えていきましょう。Google 広告の構成についてより詳しくお知りになりたい方は、Googleの公式サイトより『Google 広告の構成について』をご参照ください。リスティング広告は以下のように「アカウント」の下に「キャンペーン」があり、その下に「広告グループ」、広告グループの中に「キーワード」や「広告文」がある、という構成になっています。
 

リスティング広告のアカウント構造

リスティング広告のアカウントの中身


どのように「キーワード」や「広告」をグルーピングするかは広告運用のやりやすさに関わってきますので、しっかりと練りましょう。
 
 

④入稿する

 
アカウント構成を考えたら、実際に管理画面に登録していきましょう。登録する際は、以下の2つ方法があります。
 

  • 管理画面に手動で1つ1つ登録していく
  • エディターを使って一括登録する

 
登録する広告やキーワードの数が少ない場合は手動でも問題ないですが、多い場合は広告文やキーワードを一括で登録できるエディターを使うと効率が良くなります。エディターは以下のサイトからダウンロード可能です。
 
Yahoo!検索広告:https://ads-promo.yahoo.co.jp/dr/yce/
Yahoo!ディスプレイ広告:https://ads-promo.yahoo.co.jp/dr/ydn_campaigneditor/
Google広告:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/ads-editor/
 
 

⑤予算設定を行う

 
入稿が完了したら、予算を設定していきましょう。
予算については、「リスティング広告の費用は?」の章で解説した費用をGoogleとYahoo!に配分します。その後、細かくキャンペーンごとに設定していきます。
 
 

⑥広告審査

 
予算の設定まで完了したら、広告の審査に移ります。ここでは、広告の文言がガイドラインに違反していないかが確認されます。公式サイトによると、Googleは1営業日、Yahoo!は3営業日前後ほど審査にかかります。審査が完了したら、支払い方法を設定します。
 
 

⑧タグ設定を行う

 
最後に、タグの設定を行います。このタグとは、GoogleやYahoo!が「コンバージョン」を計測するために必要なものです。設定を忘れるとコンバージョン数が管理画面上で計測できないので、忘れないようにしましょう。
 
 

⑨広告掲載開始

 
ここまで来たら設定は完了です。掲載された広告の消化費用や表示回数など進捗を確認しながら、運用していきましょう。
 
配信までの手順を、簡単にですが説明しました。詳しい手順については、GoogleやYahoo!、またマーケティング支援を行っている企業のサイトに掲載されていますので、そちらを参考にしてください。
 
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筆者がリスティング広告を始める前に知りたかった注意点4つ

 
ここまで一通りリスティング広告の概要をお伝えしましたが、最後に筆者がリスティング広告を始める前に知りたかったと感じたことを、4つご紹介します。
 
 

今日の今日で広告出稿はできない

 
リスティング広告の始め方で少し触れましたが、広告を出稿するには「アカウント審査」と「広告審査」と2段階の審査があります。
 
2段階の審査日数を合わせると、Googleでは約2営業日、Yahoo!では約6営業日かかるので、配信開始予定日から余裕を持ったスケジュールでアカウント開設〜入稿を行いましょう。
 
 

サイト(ランディングページ)はきちんと作り込もう

 
ユーザーが検索し、リスティング広告をクリックすると、自社サイトに遷移します。
ここでやってしまいがちなのが、様々な商品が載っている自社の公式サイトを載せてしまうことです。
 
例えば、ユーザーが「化粧品を使ってシワ対策をしたい」と思って「シワ 化粧品」で検索し、自社のサイトに流入したとします。しかし、表示されたサイトがシワ対策の化粧品だけでなく、ヘアケア商品やオーラルケア商品など様々な商品が載っている公式サイトだった場合、ユーザーは「このサイトには私が求める化粧品はなさそう」と判断してしまい、離脱につながります。
 
きちんと商品単体のページを作成し、この商品がどのようにシワに対して効果があるのか、この商品を使った人がどのような感想を持っているか、などその商品のみを説明したページを作成し、流入先のサイトとして設定しましょう。
 
 

上限クリック単価を超えることがある

 
リスティング広告の仕組みの章で「上限クリック単価」を説明しました。名称上、その上限を超えない単価で出稿できると思われがちですが、「拡張クリック単価」という設定をオンにすると、上限クリック単価を超える金額が消化される可能性があります
 
拡張クリック単価とは、検索したユーザーがコンバージョンする可能性が高いと判断された場合は自動で単価を上げ、コンバージョンの可能性が低いと判断された場合は単価を自動で下げる設定のことです。
 
詳しくはGoogleの公式サイトの『拡張クリック単価(ECPC)』を参考にしていただければと思いますが、自社でこの設定を取り入れるかどうかを予め検討しておきましょう。
 
 

キーワードには「マッチタイプ」というものがある

 
リスティング広告で設定するキーワードにはマッチタイプと呼ばれる設定があります。自社が設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードがどれくらい一致していたら広告出稿するか、を指定することができます。
 
マッチタイプには全部で3つの設定があります。
 

マッチタイプ意味
完全一致設定したキーワードと全く同じ意味のキーワードのみ広告を出す
部分一致設定したキーワードと関連のあるキーワードに広告を出す
フレーズ一致完全一致と部分一致の間くらいの一致度で広告を出す

 
以下はGoogle公式サイトから引用した画像ですが、「芝刈り サービス」で設定した場合、以下のようなキーワードに対して広告が表示されます。
 

キーワードのマッチタイプとは

引用元:『Google 広告 ヘルプ|キーワードのマッチタイプについて


マッチタイプの設定をする際、いきなり部分一致で設定すると、思わぬキーワードにまで拡張されてしまいます。最初は完全一致のみの設定で開始し、徐々に部分一致まで広げていくことをおすすめします
 
 


 
リスティング広告は、「キーワードを設定し、設定されたキーワードが検索されたら広告を表示する」というシンプルな構造上、簡単だと思われがちですが、仕組みや設定方法など奥が深い広告です。
一方、コンバージョンが獲得しやすい広告でもあるので、基礎を理解された上で運用を行うことで求める成果が得られやすいでしょう。
 
この記事がリスティング広告を出稿する際の参考になれば幸いです。
 
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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