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CRMの実践的ノウハウが分かる、マーケティングおすすめ本5冊

CRMの分野で、実践に役立つ事例・ノウハウが載っている本をピックアップしました。「引き上げ」「リピート(F2転換)」「定期継続」、そして「データベース分析」「MA活用」と、それぞれのテーマで選んだ5冊。特に通販ECやダイレクトマーケティングの分野でCRMを学びたい方は、ご覧になってください。

書架

注目のD2C企業が実際に行っているLINEでのCRM施策10個をまとめました。
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リピート顧客育成とデータベース分析を手ほどき

 

1冊目が、健康食品通販で有名な「やずや」の事例を元にした、「社長が知らない秘密の仕組み」(橋本陽輔)です。

 

同社が低迷から脱して10数年で売上が14倍、300億円規模まで成長した事例をもとに、リピート顧客育成の考え方とデータ分析の具体的な方法を解説しています。

 

社長が知らない秘密の仕組み
社長が知らない秘密の仕組み

 

 

同書で強調されるのが、「RFM分析」に代表されるような「買ってもらいやすい顧客に絞ってアプローチする」という方法では、短期的には売上を拡大できるものの、長期的には顧客の離反を招き売上がしりすぼみになってしまいやすいということ。

 

“売上の上位客にアプローチを繰り返しているうちに、たとえば100人いたお客様は80人になり、60人になり、ついにはゼロに近づいていくのです。
ということは、どこかの顧客層からお客様が流出しているわけです。
どの顧客層かというと、購入金額は少ないけれど、コツコツ買っていたお客様の層だったのです。
金額が低くRFM分析の結果にはあらわれないために、宝の山″が見えていなかったのです。”

 

この発見をもとに、元やずやの西野博道氏が提唱した「顧客ポートフォリオマネジメント理論」(CPM理論)にもとづいた顧客分析・育成の方法を解説しています。

 

・初回客のフォローでは、90日間に10回のアプローチ
・「よちよち客」へ初回客からの推移率は、最低でも50%はほしい
・離脱率が低い「コツコツ客」と心を通わせ、長くお付き合いしてもらう
・優良客に「特別感」を抱かせる施策の実例
・クロスセルを行うべきタイミング、やってはいけない時期
・休眠フォローの最優先が、「優良離脱客」である理由
・フォローDMの考え方は「財布から出したお金が1ヶ月以内に戻ってくれば続ける」

 

「既存顧客を大切にして、末長くお付き合いしたい」「データベース分析の方法論を知りたい」という方は、参考になるはずです。

 

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新規顧客の2回目購入(F2転換)の方法論を解説

 

2冊目が、「ゼロからはじめる通販アカデミー」(田村雅樹)です。

 

同書は通販ビジネスの初心者に向けて、事業計画の立て方から商品開発の基本、広告やCRMの具体的ノウハウまでを解説していますが、 CRMという観点から特に勉強になったのが、第4章の「既存販促」です。

 

ゼロからはじめる通販アカデミー
ゼロからはじめる通販アカデミー

 

 

“初回受注単価と同額かそれ以上のコストをかけて獲得した新規顧客に、原価率の高いトライアル品だけを買って立ち去られてしまったら、つぎ込んだコストは回収できません。
まずはきっちりF2転換させて、アクティブ顧客にすること。
あらゆる既存顧客向け販促は、ここから始まると言っても過言ではないでしょう。”

 

 

新規顧客の2回目購入タイミング、これを「F2」と言い、1回購入(F1)からF2に進む割合を「F2転換率」と言います。
リピート率アップに直結する、このF2転換率を改善するために、次のようなノウハウを解説しています。

 

 

・F2転換率の目標値は、トライアルから本品なら35%
・1年目LTVは、本品初回受注単価の3倍以上を目指す
・F2転換の鉄則は、「3・3・2」の法則
・割引オファーは2段階用意して、それぞれ締切を設ける
・DMやメールでの接触タイミング・回数を決めるのは、「日別転換率分析」

 

 

「新規顧客がなかなか定着してくれない」「リピート率を高めたい」という方は、ぜひご覧になってください。

 

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お試し客の「引き上げ」、実践的ノウハウを公開

 

3冊目は、「<ネット広告&通販の第一人者が明かす>100%確実に売上がアップする最強の仕組み」(加藤公一レオ)です。

 

新規顧客獲得のための広告やLP(ランディングページ)について主に解説されている同書ですが、CRMという観点で参考になったのが見込み客の「引き上げ」のノウハウです。

 

<ネット広告&通販の第一人者が明かす>100%確実に売上がアップする最強の仕組み
<ネット広告&通販の第一人者が明かす>100%確実に売上がアップする最強の仕組み

 

「無料サンプル」や「500円お試し」などを用意して、2ステップ・マーケティングを進める場合、多くの通販企業で課題になるのが、本商品や定期コースへの「引き上げ」。
フォローメールをはじめとしたオンラインのコミュニケーションに関して、次のようなノウハウを解説しています。

 

・ほとんどのメルマガが、「即ゴミ箱行き」になる理由
・本サイト(ECサイト)ではなく、引き上げ/リピート専用ランディングページ
・フォローメールの配信タイミングは、「初回申込時間」に合わせる
・無視されないフォローメールの鍵は、“人間性”の演出
・「業務連絡風」の件名で、フォローメールの開封率がアップ!
・なぜ確認画面でアップセルすると、引き上げ率が劇的に上がるのか?

 

“たとえば、30日分の本商品を申し込んだお客様には、商品が残り少なくなった商品到着〝25日後〟くらいに「定期で継続しませんか?」というリピート専用フォローメールを送るのである。”

 

“さらにフォローメールの効果を上げるには、配信タイミングをお客様の〝初回申込時間〟に合わせて送ることである。 たとえば、20時くらいに初回申込をしたお客様には、それ以降のフォローメールを〝20時台〟に送る。”

 

このように具体的で実践的なノウハウが惜しまみなく公開されています。
「サンプル顧客は集まるけど、本商品に転換してくれない」「広告のCPAが悪化しているので、引き上げ率を高めたい」という方は、一読されると良いでしょう。

 

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「マーケティングオートメーション」の未来を考える

 

4冊目が、「BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門」(岡本泰治)です。

 

通販EC企業でも導入が広がっている、マーケティングオートメーション(MA)。
MAはBtoBでの活用事例も多いですが、本書では、BtoCビジネスにおけるMA活用を「CCCM(Consumer )」と定義して、メールやLINE、SMSやアプリのプッシュ通知などを活用して、顧客起点のOne to Oneコミュニケーションを活用して売上を高める方法を解説しています。

 

BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門
BtoC向けマーケティングオートメーション CCCM入門

 

 

同書で一貫して述べられているのが、One to Oneコミュニケーションでも「企業起点」より「顧客起点」の方が、圧倒的に反応が良いということ。

 

 

“一番簡単な例は、Eコマースで商品購入者に送られる注文確認のメールや商品発送メールのような、いわゆる「トランザクションメール」だ。拍子抜けする人もいるかもしれないが、普通のメールマガジンよりも開封率はずっと高い。(中略)資料請求や商品購入の翌日、3日後、5日後……といった具合に送られてくる「フォローメール」も、顧客の資料請求や商品購入を起点としたOne-to-Oneだ”

 

 

・「カート放棄フォローメール」のCVRは、顧客ごとにパーソナライズされたメールマガジンの数十倍
・旅行予約サイトの「空席検索者フォローメール」のA/Bテスト事例
・LINEやプッシュ通知で、One to Oneチャネルが広がる
・プライペートDMPとCCCMの融合、そしてアドテクノロジーの未来
・オンラインデータの活用は、コールセンターにどのような変化をもたらすか?
・パーソナライズ化されたDMや同梱物の、レスポンス事例

 

取り上げられている事例は通販ECに限りませんが、他業界の先進事例から学んだり、IoTやAIの活用が進んだ未来を構想することに興味がある方には、きっと有用でしょう。
「LINEやSMSなど、最新テクノロジーをCRMに取り入れていきたい」「MA活用の提案を受けているが、どう判断してよいか分からない」という方は、参考になるはずです。

 

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定期顧客の継続率アップのヒントを、米国の事例から学ぶ

 

5冊目が、「シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術」(ロビー・ケルマン・バクスター)です。

 

定期購入ビジネスなど、月額課金のサービスに置けるマーケティングの方法論を書いた同書。
「メンバーシップ」という視点で、会員を獲得して、つながりを保ち、長期的に継続してもらい収益を最大化するための方法論を述べています。

 

シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術
シリコンバレー発 会員制ビジネス起業術

 

 

特に通販事業者の視点からは、定期購入の「継続促進」や「離脱防止」という点で参考になる事例・ノウハウが載っています。

 

・「最初の30日間」で会員の忠誠心を組み込む作業を埋め込む、「定着」の3つの手順
・企業への「忠誠心」をかきたてる、3つの原則 ー「簡単」「個人化」「関与」ー
・会員同士の「つながり」「関与」を実感してもらうために、助言やサポートを求めたりコンテンツ作成のために招待する
・クレジットカードの変更や更新で、定期顧客の離脱を食い止める方法
・解約手続きは簡単にできるようにしなければならない理由

 

たとえば米国のオンラインDVDレンタル・映像配信の雄、ネットフリックス初期にマーケティング重役は、新規会員に素晴らしい体験をさせることに注力していたと言います。

 

 

“最初の映画3本を返品して次の作品を借りるまでの回転の早さを体験するまで、ネットフリックスのすごさを完全に体験してもらうことはできないとわかっていたので、会員に必ず映画5本を選択させる仕組みをあらかじめ用意していました。”

 

 

オンライン定期購入やコミュニティサービス、航空会社などのポイントサービスやカード会社、非営利組織に至るまで米国の事例を解説。
通販だけにフォーカスしてはおらず、また登場する事例も米国企業が主なので分かりにくい箇所もあるかもしれませんが(また翻訳が読みにくい箇所もありますが)、視野を広げて自社のCRMをとらえ直す機会として良いかもしれません。

 

「定期顧客がなかなか定着してくれない」「既存顧客の離脱率を改善したい」という方は、参考になるでしょう。

 

LINEで解約抑止を自動化している通販企業の事例をまとめました。
事例集はこちら
 
 

ご自身の課題に合わせて、テーマにもとづいたインプットを

 

「CRMのオススメ本を教えてほしい」

 

そんな質問を、周りの方々からたびたびいただいてきました。
しかし、抽象的な概念だけではなく、実践に役立つ事例・ノウハウを載せている本を選べずに、なかなか「これ!」といった本を紹介できない時もありました。

 

ダイレクトマーケティング、特に通販ECのCRMについては、すべての分野をカバーして、体系的に紹介している書籍が見当たりません
私自身も、CRMについては日々の仕事や情報交換、セミナーの受講などのなかで得た情報を、1つ1つ組み合わせて体系的な理解を得るように努力してきました。

 

そこで今回は、通販ECの分野を中心に、「引き上げ」「リピート(F2転換)」「定期継続」、そして「データベース分析」「MA活用」とそれぞれのテーマごとに参考になる書籍を紹介させていただきました。

 

なお今回は紹介できませんでしたが、「社長が知らない秘密の仕組み」の続編にあたる「リピーターになる時期は予測できる」や、数字には現れにくい顧客との結びつきにフォーカスした「売上につながる『顧客ロイヤルティ戦略』入門」も参考になりました。

 

このブログでも、課題やテーマごとに参考になる書籍があれば、随時ご紹介していきたいと思います。
 
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