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林田七恵の通販保健室〜小売業の歴史を通して見る通販 第二回〜

こんにちは、通販保健室林田です!

前回は小売業の歴史を100年前から振り返っていきました。
前回の記事: 『林田七恵の通販保健室〜小売業の歴史を通して見る通販 第一回

普段何気なく使っているデパートやスーパーが、それぞれどの時代に、どの背景に生まれたのかを知ると、今の品揃えや各社の戦略がまた違った視点から見えてきて面白いのではないでしょうか。

では小売業の歴史、続きを始めたいと思います。

消費者ニーズをとらえ、多様化する小売。そして通販が・・・

 

さて1970年代、そろそろみなさんが記憶がある時代になってきたでしょうか。

スーパーは総合型のGMSと食品スーパーとに分かれ、全国各地に次々に進出していきました。

が、1973年に大規模小売店舗法なるものができ、零細小売を守るための規制が入り、これがブレーキとなって成長に陰りが見え始めます。

また業態としての強みがロープライスのため、どうしても価格競争に陥り、弱体化していったという側面もあります。

 

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その前後で現れはじめたのが、コンビニ、ドラッグストア、ホームセンター、ファーストフード、ファミリーレストランといった、より利便性に特化したり、商品カテゴリーを絞った個性的な業態たちです。

これらは当時のアメリカから輸入された業態が多く、所得が向上し、生活水準が上がり、見る目が肥えてきた当時の消費者のニーズを上手にとらえていきました。

 

(ターゲット)
=生活水準が上がり多様化していくニーズに対し

(アテンション)
=特化したニーズを深く満たす業態が出来たとアピールし

(インタレスト)
=ニーズの満たし方にバリエーションを持たせて楽しませ

(D/M)
=機能的価値だけでなく情緒的価値も手に入ると伝え

(アクション)
=ポイントなどでリピーターになるほどお得になる買い方を提案する。

 

同じ原則に基づき、さらに業態は多様化していきます。
ディスカウントストア、家電量販店、大型紳士服店、100円ショップ・・・

 

で、実はこのタイミングで伸長していったのが総合通販です。

 

1975年にニッセンから初めて総合カタログが発刊。
また1976年には千趣会が初めてベルメゾンカタログを発刊しています。

1986年、男女雇用機会均等法が制定され、さらに女性が結婚後も仕事を続けるようになると、カタログ通販のニーズは高まっていきます。

総合通販を今までの原則に照らし合わせると、下記のようになるでしょうか。

 

(ターゲット)
=社会進出が進み、多面的な顔を持ち始めた忙しい女性に

(アテンション)
=家に居ながら買い物ができる新しい形態ができたとアピールし

(インタレスト)
=働く女性、母、妻、すべての役割で必要な商品が安く一度に買えると訴え

(D/M)
=実際にモノを手に取らなくても質が良くて安心であると納得してもらい

(アクション)
=宅配や支払いの利便性を高めて、便利に購入できる仕組みを提案する。

 

ここで少し注目してほしいのが、特徴が品揃えとロープライスということ

スーパーと同じ、ですね。ですからスーパーの生鮮食品以外のニーズをスイッチングしていったということでしょうか。
またロープライスが特徴ですから、スーパーと同じように価格競争に陥りやすく1990年代後半からは停滞していきます。

 

健康・環境への原点回帰。情緒的価値への特化から単品通販へ・・・

 

この流れがまた大きく方向転換していくのが、バブルの崩壊と、ネットの台頭です。

モノや情報はあふれ、経済成長はかげりはじめ、心の充足感が必要となってくる時代。

2000年代、関心事のテーマは健康や環境といった、より本質的なものに原点回帰していきます。
専門店はさらに情緒的価値を特化したものがもてはやされ、通販の世界でもブランドを立て、お客様との深いコミュニケーションを売りにする単品通販が伸びていきます。
さらに現在ではそれらの専門店が大型のショッピングモールの中に再集結し、よりテーマパーク的なモノではないコトの体験場所としての価値を高めていっています。

 

 

以上がこの100年の小売業の歴史となります。

いかがでしたでしょうか。

なんだか父母や祖父母の時代に、好奇心いっぱいに世界に出て行っては、それを日本の新しい成長の糧にしようと寝る間を惜しんで次々にビジネスモデルを作っていった先輩たちの姿が浮かびますよね。

そして私たちもまた、未来に向かってのバトンリレーの中にいて人々をHAPPYにする新しい提案、次代の買い方を作り出そうとしています。
ダイエーの急成長から全盛期の時に第一線で活躍された大先輩がいつも言われていたのが、

「鳥の目と虫の目を持ちなさい。」という言葉でした。

現場でお客様を一心に思って日々活動する時は、地を這う虫の目のごとく細やかに見ること。

でもそれだけではだめで、常にお客様も業界も大きな流れの中にいて、それをしっかり鳥の目でとらえなさい、と。

 

次回では鳥の目から通信販売の歴史を一緒に振り返っていければと思います。

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