商品を手に取って選ぶことができない通信販売では、買い物に不安を抱くお客様も多いものです。
ある化粧品の口コミサイトを調べてみたところ、お客様が購入前に抱く不安が赤裸々に記されていました。
口コミからわかる、購入前の不安な心理
「育毛剤」というと男性用がおなじみだと思いますが、女性専用の育毛剤も、通販で売られているのを見かけることが最近多くなってきました。
実際に使っているのはどんな方なのかな?と化粧品の口コミサイトで検索してみたところ、ある商品について↓の書き込みを見つけました。
「初めての育毛剤で本当に抵抗があったのですが」
「ネットでは一番信用ありそうなこちらを購入しました。」
全部で5つの口コミのうち、2人が書いているということは、そうかぁ、育毛剤は大事な頭皮に直に触れるので、特に初めての方にとって、買うのは勇気がいるのかもしれません。
他の商品についても調べてみると、↓のように信頼性への不安を正直につづった記述もチラホラと…
「チラシが胡散臭くて、怪しい気がして、大丈夫なのか?と」
「メーカーによると、半年以上は使い続けてくださいとのことで、約半年で本当に効果があらわれたようでびっくり。こういう通販ってうそっぽいのが多いじゃないですか。」
「こちらの商品、ブログでも雑誌でもバンバン紹介されていていつも『アヤシイ』と思っていました・・・。」
「安全性」「効果」「会社の信頼性」… 行動への障害
前号では、「悩みへの共感」から「解決策としての商品」という流れで、広告の購買意欲が高まると書きましたが、いくら「買おうかな」と思っても、不安要素が何かあると、なかなか「購入」までは踏み切れないもの。
特に通信販売の場合、直接に商品に触ったり、店員と話したりできないため、どうしても不安を感じやすいのかもしれません。
購入を検討したときに浮かぶ不安は、具体的にはどんな点でしょう?
私が思い浮かぶ範囲で、洗い出してみました。
・この商品は安全なのか…?
・本当に効果はあるのか…?
・ヘンな会社にだまされないか…?
・買っているのは自分だけじゃないか…?
・値段は高すぎないか…?
・使いこなすのは難しくないか…?
・はたして自分には続けられるか…? 等々
これらの不安を解消しようと、<お客様の声>や<生産者の表示>など説得のための要素を、各社とも販促物には揃えていますが、これら要素に1つ共通するのが、「第三者の推薦」の活用です。
健康食品の同梱ツール&DMを分析すると
ある健康食品のサンプルを請求すると、6日後にサンプルが到着した後にも、24日後、44日後と続々とDMが届きました。
この商品の場合、広告ではサンプルを「無料」とハードルを低くしたうえで、同梱ツールやDMで説得をはかっていると思われるのですが、そこで第三者を効果的に登場させています。
・お客様
:体験談やアンケートで「みんな満足している」ことを強調
・社員の家族
:商品を使った料理が簡単にできる様子を、食卓からレポート
・生産者
:無農薬で栽培された、国内産の穀物を使っていることを示す
お客様の不安に感じそうな点を先回りして、取り除いてあげるのが上手だなぁと感心しながら見ていました。
商品の良さを分かってもらうためには、自分で説明するのではなく、第三者に語ってもらった方が説得力がある。
このことは、広告で「お客様の声」を入れると反応率が上がる、などで実感されている方も多いと思います。
その他に、 専門家や研究者など<権威からのコメント>を活用したり、<受賞歴>や<記事掲載>を並べたりしている例もありますね。
他の会社のツールでも、同様に第三者の推薦を活用している例は多く見るのですが、このDMにより強い説得力を感じてしまうのはなんでだろう…?と考えていたら、気づいたことが!
3つのツールすべてに共通するのですが、特徴的なのが、「人の顔」が非常に多く登場することです。
と、途中で申し訳ありませんが、長くなってしまいましたので、続きは後編「「顔出し」が効果のある理由は?」でお伝えいたします!