単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

ザッポス並みのホスピタリティ!通販コールセンターの“感動レベル”のCS事例

通販会社の顧客へのインタビュー調査で、意外な事実が分かりました。
「明確な効果を感じていない」にもかかわらず、コールセンターのオペレーターによる親身な対応や機転を利かせたコミュニケーションに感動して、定期購入を続けているお客様が多数いたのです。
カスタマーサポートで有名な米国の通販会社、ザッポスのエピソードも参照しながら、“感動レベル”のCSの事例を紹介します。

ヒトの“自動的スイッチ”を働かせる、「返報性の法則」

 

さて、いきなりですが「返報性の法則」という言葉、聞かれたことはありますか?

 

このメルマガでもたびたび紹介している古典、「影響力の武器」(ロバート・チャルディーニ)でも紹介されている心理的法則です・・

 

と言うと、大仰に聞こえますが、すなわち

 

「相手から何かをもらったら、こちらも、お返しをなければいけない気になる」

 

という、当たり前の気持ちのことです。

 

 

そんなヒトの心の“自動的スイッチ”を働かせようと、「無料サンプル」や「プレゼント」、はては「手書きの手紙」など。
先にお客様に“恩を売る”ことで、後で買ってもらおうとする戦術を、各社とも昔からとっていますね。

 

 

「手書きの手紙だからといって、今さら読みません… 」

 

通販では“お馴染み”になっているこれらの工夫、本当にお客様の心を捉えているのでしょうか?

 

本サイトでもたびたび紹介した、健康・美容通販のロイヤル顧客への調査。

 

そこで気づいたのは、「特典」や「プレゼント」「キャンペーン」等に、売り手の想像以上に、お客様は“慣れて”しまっているのでは、ということでした。

 

 

「私は、無料サンプルは絶対に注文しません。
無料サンプルでいいものなんて、ないと思ってますから。」

 

「キャラクターやケースが送られてくるけど・・・
もう少し使えるものを送ってほしいです。」

 

「手書きの手紙も送ってくるけれど、今さら手書きだからと、特別読むようなことはないかしら。」

 

 

各社が競うように、“与える”施策をとってきたため、何かモノをもらえること、お客様にとっては“当たり前”という感覚になってしまったのかもしれません。

 

 

定期コースに申し込んだきっかけは、オペレータの小さな親切

 

一方、「何かの“恩”を感じることで、そのお返しをしたくなる」、という根本的なスイッチ自体は、人間心理に普遍的なもの。

 

上述の調査でインタビューした、ある健康食品会社から香酢を定期購入しているお客様(60歳/東京都)の声を紹介します。

 

 

「その後(※サンプルを注文した後)、別のところからの広告メールで、この会社のことがあって、『○ポイント』が使えるって書いてあったんですね。
それが引っかかって電話してみたんです。

 

そうしたら調べて、さっそく折り返しの電話をくださって、とってもよく説明していただいたんですね。

 

私が勘違いしてたみたいなんですけど、こんなに、親身になってくださるんだって。
通販で電話すると、皆さん感じいいんですけど、ここは特別でした。」

 

 

「実感してないのに、定期購入」の不思議

 

サンプル申込み→定期コースへと至るきっかけを話してくれた彼女ですが、驚くべきは、半年続けている今も、

 

「正直、実感はねぇ・・・
効いてるかどうかはわからなくて。」

 

と語っていること。同じようにを、「効果は実感していないのに、定期購入している」というケースは、他のお客様でも見られます

 

アイケアの健康食品で1年半、定期コースを注文してきたお客様(57歳/千葉県)。
効果がわからなくて迷いながら続けているという彼女が、購入を続ける理由として語ってくれたのは、この会社への“信頼”です。

 

「この会社、九州にあるんですけど、震災の後、半月くらいたった後ですかね。
わざわざ電話してくれたんです。

 

『お住まいのあたりはだいぶ揺れたかと思いまして。
大丈夫でしたか?』って売り込みじゃなく心配してくれて。」

 

 

ホスピタリティ溢れるサービスで、業績を伸ばす企業

 

もう1人。コラーゲンの粉末サプリをリピート購入しているお客様(59歳/東京都)のコメントも紹介します。

 

「一度買うのをやめたんですけど、もう1回電話して送ってもらったんですね。

 

そのときの対応もよかったし、コーヒーゼリーの作り方を聞いたら、わざわざ手書きのものを送ってくれて、親切だと感じました。

 

定期購入しようかも相談しましたが、やはり飲みきれないので、今はなくなったら注文しています。」

 

 

オペレータ一人ひとりの親身になった対応、機転を利かせたコミュニケーションなど、高いレベルのカスタマーサポートが、リピート購入にあたって重要な役割を果たしていることがわかります。

 

 

同じような話、かつて行かせてもらったセミナーで、聞いたことあったな・・・?

 

と思い出したのが、靴のECで有名なザッポス。
米国のCS事例を最後に紹介しますね。

 

 

急成長ザッポス、“伝説”となったオペレータの対応

 

1999年に創業したから、10年後の2009年には既に12億ドルの売上高に達した同社。

 

その急成長の秘訣は、「既存顧客の売上が75%を占める」という、業界では珍しいほどのリピート率の高さだそうです。

 

<参考:創業10年でノードストローム超え!急成長ザッポスの感動連鎖サービス

 

 

「送料・返送料は無料」「365日以内の返品はOK」「迅速(最速8時間)で間違いのない配送」など、徹底したカスタマーサポートは有名です。

 

そのなかで、“伝説”となっているのは、コールセンターのオペレータの一人ひとりの臨機応変な対応

 

商品の在庫がないときは、他社のサイトを検索して、同じ商品が、どのサイトにいくらで売っているのか?を調べてあげたり。

 

オペレータの生産性を測らず、電話の時間は無制限。
最長では、7時間半も話した記録もあるそうです。

 

 

“感動体験”の伝播が、CPOを下げる!?

 

そんな逸話を聞いていると浮かんでしまうのは、
「一人ひとりのお客様に、そこまで時間をかけていて、効果/コストが合うのだろうか?」
という疑問です。

 

上で紹介した記事で、この疑問に答えていたのが、私には「なるほど!」と感じられたので、紹介しますね。

 

 

ザッポスの客単価は1万円程度。

 

例えば、ザッポスの顧客サービススタッフが、お見舞いに花を贈ると5000円かかる。
これでは赤字だ。

 

しかし、感動した顧客はソーシャル・ウェブで自らの体験と感動を語り、1万人に伝わる。

 

このうち他で靴を買おうとしていた100人がザッポスで買えば、100人×1万円/人×30%マージンとすると30万円の粗利になる。

 

小さな行為が一つの感動を呼び、それが共有化されることでコミュニティ(顧客群)を動かす。

 

<出典>:創業10年でノードストローム超え!急成長ザッポスの感動連鎖サービス

 

 

お客様の“感動体験”は、「お友達紹介」にも貢献

 

化粧品・健康食品で、ますます顕著になっているのがCPOの上昇。
それに伴い注目されつつあるのが、「お友達紹介」です。

 

お客様の友達へと、口コミが広がっていくためには?

 

なかなか一筋縄ではいかない課題ですが、今回紹介したようなお客様の“感動体験”が、その引き金になるのかもしれません。

 

ソーシャルメディアの普及は年代にもよりますし、もちろんザッポスの事例は、日本の健康・美容通販に今すぐは当てはまらないかもしれませんが・・・

 

もしお客様の“感動体験”が、リピートはもちろん、新規顧客獲得にも貢献するような時代がくれば、コールセンターでのオペレータの人件費も、広告費への投資と天秤にかけながら最適化していく。
そんな考え方も、妥当に思えてくるようになったり・・・

 

と・・・最後はアイデアに任せて、先走ってしまいましたが、皆さまお一人ひとりが、自社に当てはめて考えられる”きっかけ”に、少しでもなりましたら幸いです。