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ダイレクトメールの心理学|購買行動を先延ばしさせないために

別の記事では、「選択肢が増えると、人は迷ってモノを買わなくなる」という傾向を、心理学の実験とともにお伝えしました。
この法則、化粧品・健康食品など単品リピート通販業界ではどのように取り入れられているのか?を調べてみました。
あるDMでは、複数の商品を載せつつ、1つの商品に迷わせずに誘導する設計が上手だなと思ったので、ご紹介します。

化粧品のダイレクトメール、2種類の商品の魅せ方

 

「選択肢が増えると、人は迷ってモノを買わなくなる」

 

DMやカタログを作るとき、この法則に当てはめて考えても、「せっかく届けるのだから」「これも売らなければ」とたくさんの商品を載せる必要が出てくるかもしれません。

 

ある基礎化粧品のトライアル商品購入後に届いたDMの事例です。

 

ジャバラ折りの圧着ハガキを開くと、中面に登場するのは、化粧水(ローション)とクリームの2種類。

これらが2ステップということで、並列で掲載されているのですが、右側に目を移すと・・・

 

大きく登場するのは化粧水(ローション)の写真。

そのうえで300円の割引が、「30日間限定」のお試し特別価格ということで表示されています。

 
 

お客様の気持ちの天秤を動かすのは?

 

これを見たお客様の心理から考えてみると・・・

 

DMを開けるとまず目に入るのが、2つの商品。

2つともほしいけど、どちらも買うとなると高いし…

と迷う方かもいらっしゃるかもしれません。

 

そこで、ふと視界の隅に入ってくるのが、化粧水(ローション)の割引価格。

(これをB’とします)

 

仮にお客様のなかでの気持ちの天秤が、

【クリーム(A)=化粧水(ローション)(B)】

だったとすると、割引(B’)という要素が新たに加わったことにより、

【A=B<B’】

となります。

 

「B’がお得」という答えが明確に提示されると、迷っていたお客様も注文へと踏ん切りをつけやすいかもしれませんね。

 

どれが得なのか、迷わせないような設計が上手だと思いました。

 
 

 購買行動の「先延ばし」が起こるのは…?

 

↑以外にも、各社のDMやカタログをバラバラと取り出してみると、「お買い得」「○%OFF」「お薦め」などがいろいろな製品に並んでいます。

 

「これ欲しいな」と思ったら、次のページでは「あっちもいいな」と目移りしてしまうことも・・・

 

見ている方には楽しいのですが、一度買いたいと思うモノがあっても、「こちらもほしい」というモノが新しくが登場すると、購買行動を先延ばししてしまう、という傾向も知られています。

(出典:「経済は感情で動く」 マッテオ・モッテルリーニ)

 

MP3プレーヤーを探している被験者がいます。

 

通りかかったお店に、人気のあるソニーのプレーヤーがバーゲンで16,000円の安値にが飾られていたのを発見。

すると、3分の2が「購入する」と回答しました。

 
 

「おいしい機会を逃さないように」という心理

 

次に、品質も上々なサムソン製品が26,000円で展示されていた場合ですが、これを買うと答えたのは4分の1。

一方、ソニー製品はといえば、こちらも4分の1に。

 

残りの半分はというと…

「他のモデルについても調べる」ということで、判断を先延ばししてしまったのです。

 

つまりチャンスが1つではなく2つになると、他にもおいしい機会があるかもしれないので逃してはいけないと、判断を先延ばしにする傾向が強まるというのです。

 

ちなみにこの記事でも、「松竹梅」と3つの選択肢があると「竹(真ん中の価格帯)を選ぶ」という法則をご紹介しました。

 

このように心理学のテクニックを上手に利用している販促物が他にも見つかって、勉強になります。

また面白い事例を見つけましたら、ご報告しますね。

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