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お試し購入からの“引き上げDM”、顧客心理に合わせた3ステップ設計とは?

トライアルセットやお試し商品から本商品/定期コースへの引き上げに有効なのが、ダイレクトメール(DM)。
化粧品や健康食品の通販では、2〜3回はDMを送って後追いする企業が多いでしょう。
この“引き上げDM”で「○日後には、△△を送ればよい」といった具体的な手順について、レスポンス率を高めるための3ステップの設計の考え方をもとにお伝えします。

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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化粧品・健康食品通販の、引き上げDMによくある間違いと改善実績

 

私たちは単品リピート通販のDM・同梱物の企画・制作をお手伝いしていますが、最近ご相談いただく機会が多いのが、「引き上げDM」です。

 

お試し商品を用意して定期コースなどへの引き上げに注力している通販企業では、2〜3回はDMを送るのが一般的で、なかには4回・5回とDMを送って追いかける企業もあります。

 

そこでDMを見せていただくと、まだまだ工夫の余地があるように感じる場合があります。

 

 

よくある間違い1:健康食品通販の事例

 

ある健康食品会社では、トライアル購入から1回目に送るDMで、「定期コース入会、今なら50%オフ」を前面に押し出した圧着DMを送付していました。

 

まだ使い終わらない段階では、割引をしなくても買ってくれるお客様も一定数残っています。

 

それなのに、割引を強調してしまっては通常の定期価格との差額が損になりますし、「すぐに割引する企業」というイメージがついて、LTVにも影響してしまうでしょう。

 

 

よくある間違い2:化粧品通販の事例

 

またある化粧品会社では、1回目に送るDMと2回目、3回目に送るDMの内容がほとんど同じでした。

 

どのDMにも、成分の解説やお客様の声、割引価格などが万遍なく散りばめられています。

 

これでは、1回目のDMで反応しなかったお客様は、2回目・3回目には反応してくれません。
事実、レスポンス率も1回目を頂点に2回目・3回目と大きく落ちてしまっていました。

 

 

3通のDMで、引き上げ率が約1.5倍にアップ

 

私たちが化粧品・健康食品通販で引き上げDMを制作したとき、一般的な引き上げ率の改善実績は以下のとおりです。

 

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この表のなかで、1回目・2回目・3回目とDMのレスポンス率をどうやって高めていったのでしょうか?

 

私たちがDMを設計してきた考え方と具体的なクリエイティブについて、3つのステップに分けてお伝えします。

 

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初回購入から3ヶ月、お客様の心理状態から逆算してDMを設計

 

引き上げ率改善のポイントを端的にお伝えすると、初回購入日から経過した日数とそれにともなうお客様の心理状態に合わせて、何を伝えるか?を明確に分けることです。

 

トライアルセットを購入してから3ヶ月間に、3回(または4回)のDMを送る場合を想定して、具体的に考えていきましょう。

 

 

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フェーズ1(17日後):商品・成分のリマインド

 

1回目のDMは、商品が切れるタイミングに送ります。
たとえば、10日間のサンプルの場合は商品到着から10日後(発送から17日後)に届くようにします。

 

商品への「期待値」も、購入意欲も高い方の割合が高いでしょう。

 

そういったお客様には、商品の特長や成分の効果を伝え、LTVの高いお客様へと育てていきます。
商品や成分について、初回同梱物に記されている内容のなかから、ポイントを記載してリマインドするとよいでしょう。

 

1回目DM(オモテ面)

1回目DM(オモテ面)

 

A4サイズの4面圧着DMで制作。
ここでは割引や特典などのオファーは強調せずに、あくまで真面目に商品や成分の良さを実感してもらえることを心掛けます

 

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1回目DM(ウラ面)

 

成分の認知度が低かったり、成分の良さを実感してもらいにくい場合は、1信DMの前に「啓蒙DM」を挟む手段も有効です。
商品については触れずに、成分の良さだけを語ったDMを送ります。

 

 

フェーズ2(40日後):「お客様の声」押し

 

次は商品が使い終わって、少し経ったタイミングです。

 

実感はまだ低く、本人も効果を気づきづらい頃でしょう。
このタイミングになってしまうと、商品や成分について語っても響きにくい傾向があります。

 

そこで重要なのは、「共感」を醸成すること。
「企業視点」から「お客様視点」に変更して、お客様の声やよくあるご質問などを伝えていきます。

 

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2回目DM(オモテ面)

 

サイズはハガキ大、6面圧着DMで制作します。
6面のうち2面がQ&A、1面が体験談で占められているのが分かります。

 

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フェーズ1が論理的(左脳的)なアプローチなら、フェーズ2は感覚的(右脳的)とも言えるでしょう。

 

 

フェーズ3(65日後):“お得感”重視

 

最後に商品が使い終わって、しばらくしたタイミングです。

 

時間の経過にともなって、商品への期待値は下がり、なかには購入したことを忘れているお客様もいるかもしれません。

 

既に何回かのアプローチを受けても商品を購入しなかったお客様。
同じように「商品・成分の特長」や「お客様の声」を届けても、レスポンス率は低くなってしまいます。

 

そこで、このタイミングでは「70%割引」など“お得感”を強調します。

 

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具体的には、「○月○日まで限定」「このDMが届いて○日以内有効」といった期日の煽りで、購入を促します
これまでのオファーより割安な価格を提示するのも有効でしょう。

 

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2回目のDMと同じで、ハガキサイズの6面圧着DMを使います。
お客様の声やよくある質問が大幅に減り、同じスペースに代わりに割引・限定情報が載っているのが分かるでしょう。

 

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諸刃の刃の「割引」、オファーの見せ方を変えるだけで・・・

 

このように1回目「商品・成分」→2回目「体験談」→3回目「お得感」という3ステップにしたがってDMを再編成することによって、これまで多くのケースで引き上げ率のアップを実現してきました。

 

もしあなたの会社が、引き上げ率アップに課題を抱えているなら、今回ご紹介した3ステップを参考に、お客様の心理に合わせた設計を試してみてください。

 

 

引き上げ率が目標値まで改善したとき、次なる課題は引き上がったお客様のLTVを高めることです。

 

LTVの改善にあたってネックになるのが、3回目DMの「割引」。

 

2回目DMまでのオファーよりさらに安い価格を載せるのは、引き上げ率アップのための強力な武器ですが、「待っていれば、もっと割引してもらえる会社」という印象も付いてしまいかねません。

 

そこで現在テストしているのが、3通目のDMでは価格や限定などのオファーを強調するものの、割引率は2通目のDMまでと同じにすること。

 

たとえば、休眠顧客向けのDMでの結果となりますが、次のようなA/B2パターンを送ったところ、

 

・Aパターン:通常の価格の見せ方(商品の効能・効果のリマインドがメイン)
・Bパターン:価格のお得感を強調(ただし割引率は、これまでのオファーと同じ)

 

Bパターンのレスポンスが、Aパターンを大きく上回ったことがありました。

 

このテスト結果を応用して、3通目DMでもオファーの価格を下げずに見せ方を工夫して、割引価格を載せた場合と比べてもレスポンスを維持できるのではと考えています。

 

また参考になるテスト結果が出たら、お伝えしたいと思います。
 
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