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初回限定割引の効果的な訴求方法は?顧客心理から解説

トライアルセットやお試し商品など購入した見込み客を、本商品や定期コースへと引き上げるために有効なのが「割引」。
数多くの通販企業が“初めてのお客様限定”の割引オファーを用意していますが、ある化粧品企業の商品を購入したところ、チケット(金券)が同封されていました。
単純な割引と比べて、どちらが効果的なのでしょうか?

初回購入者限定の割引、その効果は?

 

トライアル購入者の「引き上げ」をテーマにした調査を先日まで行っていたのですが、そこで多く見られたのが、初回購入者限定の割引です。

 

たとえば、以下をご覧ください。

 

○○○(商品名)お試しセットお買い上げのあなただけに
掲載商品すべて10%オフ+送料無料
このご案内到着後、30日間有効
(化粧品 DM)

 

サンプル請求をいただいたお客様だけに15%OFFで
さらにお電話のみ500円割引で2箱初回初回△△円で
お届けできるキャンペーンを行っております。
(健康食品 アウトバウンド)

 

 

数々のオファーをテストしてわかったのが、新規顧客にもっとも簡単にメリットを伝えやすいのが、残念ながら単純に割引すること」と神田昌典氏も述べていましたが(出典:「60分間・企業ダントツ化プロジェクト」)にも載っていましたが、そんな記述と一致するように、調査したほとんどの会社で初回購入者限定の割引が行われていました。

 

一方同じ割引でも、違う見せ方をしている会社もありました。

 

 

割引金額は同じだけど、「金券」という見せ方

 

ある化粧品会社から商品が届いた際に、以下のように表示されたチケットが同封されていました。

 

 

はじめてのお客様だけのお得な特別企画
「○○○(商品名)通販専用商品券」 1000円分
有効期限:5月7日まで

 

 

こちらも、健康食品を購入して14日後に送られてきたDMに入っていたチケットです。

 

○○○○(企業名)通信販売お買い物券
500円
有効期限:到着から30日以内

 

 

他にも、「お買い物クーポン券」や「サンクスプレゼント」など名称はさまざまですが、割引に使えるチケットが入っていたことが多数。

 

 

単純に割引を告知する場合とチケットを同封する場合、お客様にとって実質的には同じ出費です。

 

ただしチケットを用意すると、印刷や封入などでコストも上乗せですし、コピーされないように気を使うでしょうし、大変ですよね。
それでもチケットが封入されているということは…?

 

お客様の目に映る魅力、両者にはどのような違いがあるのでしょう?

 

 

その1000円、「もらうと得」?それとも「使わないと損」?

 

別の視点から少し離れて見てみると、割引は今注文をすれば「得になる」ことに焦点があてられます。

 

「初回購入時に1000円割引」を例にとると、1000円分の価値は、望めば手に入れられるもので、まだ自分の手元にはありません。
つまり、得をできる権利です。

 

 

一方、チケットの場合は、「1000円」と書かれた紙の実物が自分の手元に送られてきます。
ここでは、1000円分の価値が自分に移転されたように錯覚しがちです。

 

逆にそれを使わないと、1ヶ月後にはその価値は失われます。
そこで生まれるのが、「もったいない」という感情でしょう。
「損をしてしまう」からです。

 

 

ここで考えるヒントになるのが、人間は「得になる」ことより「損をする」ことに敏感だという原則。

 

これを裏付ける、カリフォルニア大学で行われた実験を紹介します。
(出典:「影響力の武器 実践編」N・J・ゴールドスタイン他)

 

 

3倍の違いを生んだ、電力会社によるA/Bテスト

 

研究者たちは地元の電力会社の者だと名乗って、住宅の所有者たちにエネルギー効率改善策を勧めました。

 

 

その際に、2つの勧め方をしました。

 

1つ目は、その方法を実行すると「毎日50セント(約50円)節約できる」という言い方です。
2つ目は、実行しないと「毎日平均50セントを失い続ける」というトークです。

 

 

結果は・・ 1つ目よりも2つ目の言い方をされたときの方が、実行率が最大で3倍も高くなったそうです。

 

経済的にはどちらの50セントも同じですが、心理的には損失を強調したメッセージの方が3倍も説得力があったわけです。

 

 

先ほどの割引の話に戻りまして・・
上記の結果から推測すると、同じ金額の場合は「割引」と比べると「金券」の方が、「この機会を逃さずに買おう」というインセンティブがより働きやすいのかもしれません。

 

と推測で書いてしまいましたが… 何か変化をテストされた方、いらっしゃいますでしょうか?
「それは違う!」などございましたらぜひご教示いただければ幸いです。

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