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売り手:顔を合わせなくても、“人柄”が伝わる理由 ーリピート客を”教育”する、ストーリー化の3つの技法 vol.1ー

化粧品・健康食品通販のロイヤル顧客20名へのインタビューから見えてきた、既存客がリピート購入へと向かう“気持ちのスイッチ”とは?前号では、「1.自社利益より顧客メリット」「2.とにかく正直であること」をお伝えしました。今回は、「3“. 周辺情報”を伝えていく」をご覧ください。まずはお客様インタビューの抜粋からです。

共感を呼ぶストーリーの法則

会報誌の記事、お客様には読まれている?

 

「毎月、会報誌が届きます。
美容の話や歴史上の女性などの話なども載っていて、毎月見ています。
テーブルに置いておき、暇なときに読みます。気になったものがあれば折り目をつけておいて、娘が買いたいものがあるときなどに一緒に頼んだり。
まとめ買いによる割引があるから、一緒に頼むんですよ。」
(54歳/東京都立川市/世帯年収1,000~1,200万円)

 

 

恥ずかしながら、正直に告白しましょう。

 

「会報誌などあまり読まれていないのではないか?」
このインタビューを行う前は、そう思っておりました。

 

商品とは関係のない記事については、美容雑誌や女性週刊誌など専門のメディアもあるし、お客様が気にするのは、商品カタログや体験談、割引情報だろうと。

 

ところが今回の調査で分かったのは、ロイヤル顧客との関係を長く保っている会社は、会報誌やメールマガジンなどを使って、商品とは直接に関係のない情報を伝えて、会社への愛着を醸成するのが上手だということ。
そして、これらのメディアに触れることが、購入のきっかけになっているケースが見られることです。

 

「お客様」や「売り手」、「商品」など販売の周辺にある情報を、お客様の心に入っていきやすいストーリーに加工して伝えているという共通点に着目しました。

 

1:売り手:顔を合わせなくても、“人柄”が伝わる理由
2:お客様:体験談が、信用されにくい時代に
3:商品:信頼を「ボディーブロー」のように蓄積するとは?

 

 

会ったこともないのに、「近くに感じる」の不思議

 

このインタビューを始めて驚いたのが、会ったこともないオペレーターの方や会社自体について、熱心に語るお客様がいらっしゃることです。

 

ある大手健康食品会社の商品を2年間定期購入するお客様のコメントです。

 

「後で知ったのですが、地方から立ち上げたんでしょう。
素朴な感じがして、一つひとつ丁寧に作っている気がしています。
この会社の人とは会ったことはないのですが、距離が近く感じるんですね。

 

それに、定期的にはちみつの飴やジャム、お米などをプレゼントしてくれるんです。
こちらが忘れていても、しっかり気にしてくれているんだと嬉しいですね。」
(68歳/東京都稲城市/世帯年収900~1,000万円)

 

この会社から届く会報誌や同梱ツールを調べてみると、定期購入者にはプレゼントが3回目などに届くのはもちろんのこと、会社の成り立ちや創業の思い、社員や地元の紹介など、誰がつくっているか?売っているか?」について、くり返し開示しています。

 

 

「一生懸命」が「もう少し摂ってみようかな」に

 

「壁新聞みたいな手書きの入れてくださったり。
そういうのを見ると、なんかちょっと親近感もありますし、一生懸命やってくださっているじゃないけど、もう少し摂ってみようかなと思ってしまうんですね。」
(60歳/東京都東大和市/世帯年収~400万円)

 

以前のブログでも、このように健康食品の定期購入を「正直、効いてるかどうかはわからないけど」続けているお客様を紹介しました。
このようなメディアを通じた一斉での情報発信に、1対1での丁寧なコミュニケーションを合わせて、お客様の信頼とリピート購入を勝ち取っている例は他にも見られます。

 

今回のインタビューで、偶然にも複数名のお客様が定期購入している、ある健康食品会社について熱心に語っていました。

 

「社長様が会社をつくったときの話が書かれていたり、アットホームな会社なんでしょうね。
お手紙に手書きで、『その後お元気でしょうか』と書かれているなど、お客さんを大事にしている感じがします。
『私が配送しました』という紙が同梱されているのも、機械でオートメーションしていない、一つ一つ手詰めしている印象です。」
(49歳/東京都豊島区/世帯年収1,000~1,200万円)

 

「いつも手書きのものが入ってきます。しかも、とてもキレイな字で。
アンケートを返信すると、丁寧にお礼を書いてくれる。
気持ちがよく、購入を続けていこうと思えました。」
(51歳/神奈川県川崎市/世帯年収900~1,000万円)

 

「定期購入していると届く冊子のなかに、『ブルーベリーの作り方』や社長様からの手書きのメッセージがあったのですが、一生懸命やっている感じがとても良い印象でした。
ブルーベリー以外に商品のチラシが入ってこないのもグッド。
(52歳/東京都江東区/世帯年収1,000~1,200万円)

 

 

人々の琴線に触れる、物語の作り方

 

一方、“社員の想い”や「私たちがつくりました!」といったコンテンツは多くの会報誌などでも載っています。

 

これに対して、前の段落にコメントを載せているお客様(49歳/東京都豊島区/世帯年収1,000~1,200万円)は、ある美容サプリを3ヵ月間購入したものの、離脱してしまったそうです。
その会社について、

 

「社長が若作りで美容の本も書いたりするのがヤラシイ感じ。
会報誌にも、社員が出てきて、プロフィールと少し自慢のようなところもあって、あまりいい印象を受けなかった。

 

と辛口の評価をしていました。
共感してもらいやすい想いと、反感を買ってしまう想い、どのような違いがあるのでしょうか?

 

「苦労を乗り越えて開発しました!」という見せ方は王道ですが、そのなかでも、お客様の支持を集める会社の織りなす物語は、この神話の法則にしたがった構成が多いのです。

 

 

コラム : 人々を魅了し続ける物語 -「神話の法則」-

 

今ある物語の原型になっているのが、古来から受け継がれる神話。
世界中の神話を研究したある学者によれば、そのパターンは全世界でも共通して、2、3しかないそうです。典型的なのは、ヒーローの物語。

 

ありふれた日常を離れて冒険に出る、困難に出会う、これを克服して目的を達成する、宝物をもって故郷へ帰る。
登場人物や時代背景などは異なれど、多くの神話がこのような展開をたどっています。
( 参考:「神話の法則」クリストファー・ボグラー)

 

「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」など世界中の人々を感動させたハリウッド映画も、実は、この神話の法則に基づいて脚本が作られているものが多いのです。

 

共感を呼ぶストーリーの法則

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