単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

なぜ今ECで、“紙のDM”?「カゴ落ちDM」など、パーソナライズの鉄板施策と費用対効果

アパレルや総合通販をはじめとしたEC業界で、活用が進んでいる「パーソナライズDM」。

顧客接点の創造がデジタル移行していく中、なぜ”紙のDM”が求められているのでしょうか?

30以上の施策やテストをお手伝いするなかで、費用対効果が合う・合わない施策の傾向が見えてきました。

商材や顧客層が異なっても成功確率の高い、“鉄板”とも呼べる施策を実績データの裏付けとともにお伝えしていきます。

デジタル全盛の今、なぜ「パーソナライズDM」が広がっているのか?

 
弊社ファインドスターがパーソナライズDMの配信ソリューション「Re;p」を提供し始めたのは、2018年。
サービス開始から2年が経ちました。
 
導入企業も20社以上と増加しており、パーソナライズDMの市場は広がりつつあります。
デジタル全盛の今、なぜ”紙のDM”に予算を割く企業が増えているのでしょうか。
 
「デジタルのCRMだけでは、アプローチできない顧客の比率が増えている」
ITの進歩ともない逆説的に、このような課題がEC企業全体で徐々に明確になりつつあります。
 
 

「デジタルだけでは、75%の顧客には届かない」という現実

 
たとえば、現在もCRMの中心施策となっているメールについてみてみましょう。
 
メールには紙とは異なりセールの告知やレコメンドなど、配達コストをかけずに配信できるというメリットがあります。
一方、配信される側の顧客は「週平均で74通以上のメルマガを受け取っている」というデータも。
 
また、ECサイトから配信されるメルマガは、2016年時点でも開封率が平均で16.82 %、クリック率は2.48 %と多くの顧客には届いていないという裏付けもあります。(出典:Email marketing statistics 2016 MailChimpより)
 
EC企業では、メール配信を許諾していないユーザーは平均して50%にものぼり、その割合はさらに増えてきています。
 
もちろん「メール離れ」を見越して、LINE公式アカウントに力を入れたり、自社アプリを導入してPush通知でユーザーを惹きつけたりといった努力をしている企業もあります。
 
このように最近では、多くの企業がデジタルでの顧客接点創造に力を入れることで、配信する情報の総量が増えてしまいました。
その結果として、顧客の”アテンションの奪い合い”になっています。
 
私たちの経験では「デジタルのみでアプローチできる顧客は、顧客リストの約25%」と捉えています。
 
デジタルでの顧客接点
 
 

DMは「時代遅れの施策ではない」

 
顧客接点の創造がデジタルへ移行するなか、その価値が見直されているのがDMを始めとした紙媒体。
 
DMのメリットは住所データさえ正しく登録されていれば、自宅のポストまで届けられること。
LINEやアプリを含めたデジタルのチャネルでは接触ができない顧客層に、高い確率でアプローチできます
 
さらにもう1つのメリットは、デジタルの媒体に反応しなくても一定の割合で紙媒体に反応する層がいること。
特に中高年では紙媒体に反応しやすいことを、肌感覚として理解している方もいらっしゃるでしょう。
 
つまり費用対効果さえ合えば、紙のDMを活用して売上を押し上げられる余地があります。
 
紙のDMの有効性
紙のDMの有効性
 
 
一方、デジタル施策と比べて1通あたりの送付費用が高いDMは、いかにレスポンス率を高められるかという点が重要。
 
そのニーズに答えるのが、DMのパーソナライズ化。
技術の進歩により、費用を抑えてクリエイティブとタイミングの最適化することが可能になりました。
 
 

2020年版 購入ファネル別、ECでの鉄板施策

 
パーソナライズDMの導入が特に進んでいるのが、多品種小ロットの業態。
「アパレルEC」や「総合通販」などの領域です。
 
具体的にどのような施策が「費用対効果が合う施策」として生き残ってきたのか?20社の施策をくり返すなかで、見えてきた傾向をお伝えしていきます。
 
 

購入直前の“顕在層”刈り取りに、「カゴ落ちDM」は必須

 
カゴ落ちDMとは、カートに商品を追加し離脱したお客さまに送るDMのこと。
カゴ落ちメールを送っている企業は多いと思いますが、そのDM版というイメージです。
 
たとえばカゴ落ちメールを送信後、反応のなかった顧客へ向けて「パーソナライズDM」を送付。
送付リストには、メール配信不可の会員、あるいはメールを送信しても開封履歴がない顧客
を設定しました。
 
すると、送付リスト数に対してのレスポンスは、平均で5~6%と高い数値が出ました
なかには「15%」といった驚異的な数字が出るケースも
 
カゴ落ちアイテムのパーソナライズ例
カゴ落ちアイテムのパーソナライズ例
 
 
カゴ落ちDMのレスポンス率をさらに上げるために大事なのは、タイミング
 
一般的なDMの場合、CSVなど手作業によるリスト抽出が必要になり、リスト抽出から送付まで1ヶ月程度かかってしまうケースもあります。
そのため、顧客がカゴに入れた商品の存在を忘れる頃にDMが届くことになり、レスポンス率は上がりにくい傾向にあります。
 
一方、データ連携やクリエイティブの自動生成ができるパーソナライズDMは、2日後などカゴ落ちメールと同じタイミングでの送付が可能です。
 
カゴに入れた記憶が新鮮なうちに、カゴに入れた商品情報が載った紙のDMを手元に届けられるようになることでレスポンス率は上がりやすいです。
 
送付リストの段階で商品に対してのニーズが高い顧客をセグメントできるので、費用も抑えながら効果が実感できる施策です
 
 

購入検討の“準顕在層”には、「閲覧履歴DM」が有効

 
次に、購入を検討中の顧客が取るアクションとして思い浮かぶのは「お気に入り登録」。
そこで、商品をお気に入りに入れた直後にDMを送付する施策を行った企業がありましたが、レスポンス率はイマイチでした。
 
理由を深掘り判明したのが、お気に入り登録の目的が購入意欲と関連性がない場合があるということ。
 
「商品を後で買うために、チェックしておこう」という顧客もいれば、「セール時に買うかもしれないから記録として」「買う気は無いけど、後で眺めて楽しむためにブックマーク」など、使い方は人それぞれ。
配信リストのセグメント基準にすると、購買意欲がマチマチになってしまいます。
 
意外にもお気に入り登録よりも効果があったのが、閲覧履歴にもとづいたリスト抽出施策
 
たとえば、ある企業では「同じ商品を1週間に3回以上見たが、まだ購入していない」顧客は、「購買しようか迷っている」状態ではないかと仮説を立てリストを抽出。
作成したリストをもとにDMを送付したところ、レスポンス率がお気に入り顧客よりも高いという結果になりました。
 
 

休眠掘起しやF2転換などの活用法も

 
これまでは、商材や顧客層が異なっても成功確率の高い、“鉄板”とも呼べる施策を紹介しましたが、それ以外でも活用の幅が拡がっています。
 
たとえばある企業では、休眠顧客の掘起こしのために一定期間未購入かつ、直近1ヶ月以内に具体的な商品閲覧があった顧客をセグメントしてDMを送付しました。
 
DM内に記載する商品情報を閲覧履歴に基づき、パーソナライズ。
あわせて顧客が持っているポイントとの差額を表示することで購買モチベーションを高める施策を行ったところ、通常のDMと比べて約5倍もの反応がありました。
 
また別の企業では、初回購入から6ヶ月以内の顧客に対しリピート購入を促しています
 
具体的には、メルマガを含めたデジタル施策では接触できない顧客を抽出。
初回購入した商品やブランドなどの情報を元に、パーソナライズしたクリエイティブでハガキなどのDMを送り、2回目の購入につなげています。
 
ターゲット顧客
 
 
その他にも、優良顧客向けの誕生日DMや、変わったところでは3rdパーティーデータをもとに新規獲得用DMを送付する施策など、顧客のファネルや購入履歴に合わせパーソナライズDMの活用は拡大しています。
 
 

送付有無のA/Bテストでも、ROASが290%と売上増加効果

 
このように数字で結果が出ているなか、思い浮かぶのが「DMを送らなくても自然に購買した顧客が一定数以上いるのでは?」という疑問。
DMを送付していなくても、カゴ落ちやお気に入り登録などの状態から一定数は自然に購入が発生しているものだとすると、DMを送った分の費用対効果は悪化してしまいます。
 
この疑問を検証するため、カゴ落ちDMでA/Bテストを実施しました。
 
メルマガNGなどデジタルでアプローチできない、かつカゴ落ちしている顧客を以下の2つのグループに分け売上を比較しました。
 
A:従来通り何もアプローチしない
B:カゴ落ちDMを送付
 
すると結果は、Bのカゴ落ちDMを送付したグループは送付リストに対してのCVRが約10%も改善し、売上金額は約350万円上がりました
 
一方、発送費や印刷費などの費用は約120万円で、売上の増加分を費用で割ってROASを算出したところ290%に。
 
その結果、CRMの施策のなかではROASが高いと実証され、この企業では現在もカゴ落ちDMの施策を続けています。
 
今回ご紹介したように、デジタルのみでは接触できない顧客が増えているなか、紙のDMを活用する企業は増えています。
紙のDMで売上を最大化する方法を実践したい方は、ぜひお声掛けください。