テレビや中古車、スーツなどさまざまな店舗で導入されている、「下取り」。
古い商品を買い取りしてもらい、新しい商品をお得に購入できるのが人気ですが、通販などダイレクトマーケティングで導入したとき、どのような販促効果があるのでしょうか?
下取りには、単なる「割引」とは異なりお客様の心を惹き付ける、心理的な効果がありました。
300社以上の支援実績をもとに、ロイヤル顧客を育てるCRM施策をまとめました。
心理フェーズに合わせた引き上げ施策や、目的に合った同梱ツール作成方法を解説しています。
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目次
テレビ、中古車、スーツ・・ 繁盛店が「下取り」を導入する理由
「今なら、このテレビがなんと198,000円。さらに、お宅にあるテレビを5万円で下取りします!」
あの九州の通販会社の経営者が、テレビで叫ぶカン高い声、聞き覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
商品の購入を条件に、お客様から家にある商品を買い取る「下取り」。
「家で古いモノをまだ使っているから・・」
「せっかく買ったのに、もったいない・・」
としぶるお客様に、お得感をプラスして、購入へと踏ん切りをつけてもらえるよう、さまざまな業種で導入されていますね。
・紳士服(スーツ)
・自動車ディーラー
・携帯電話ショップ
・靴屋
・家電量販店(カメラ)
読者の皆さんも、買い物をしたついでに利用されたこともあるのではないでしょうか?
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化粧品・アパレルなど通販企業でも、クーポン券やポイント還元が
この下取り、通販でも応用できないだろうか・・!?
そんな興味がムクムクと出てきてしまって、調べていたら、いくつか事例が見つかりました。
先ほどの家電製品のほか、アパレルや雑貨など総合通販では、お客様が持ち込んだ不要品を買い取る制度がありました。
参考:食品、製品の廃棄削減に挑む<持続可能な社会に向けた通販各社の取り組み> 不要品買取や廃棄食材使い商品化
化粧品通販でも、「商品をそのまま郵送してもらう」(=他社製品でもOK)や「使い終わった容器を回収する」など方法はさまざまですが、不要品によって、クーポン券やポイントなどを進呈、販売につなげようとする試みはいくつかの会社で見られました。
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「定期お届けで、余ってしまった」商品を、もし下取りできれば・・!
思えば、定期コースの解約理由で多いのは、「商品が余ってしまっている」から。
他社で休眠になってしまったお客様に「もう一度!」とスイッチングしてもらうため、新規顧客の獲得に、効果的な試みかもしれません。
既存顧客でも、化粧品では「肌に合わなかった」、健康食品でも「効果が出なかった」などとやめてしまったお客様が、下取りをきっかけに別の商品を買ってもらえるならよいですね。
と、そんな想像を膨らませつつも、冷静に考えると気になるのが費用対効果です。
自動車やカメラなら、買い取った商品をそのまま中古品として販売したり、解体して原材料として回収しても価値があります。
ところが化粧品や健康食品の場合は、下取りした商品をそのまま売ることはできません。
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余分なコストもかかるし、なぜ割引ではダメなのか・・?
下取りを行っている企業のホームページを見ると、リサイクル処分するところが多い模様。
その分、余計な費用もかかります。
しかも、店頭販売と比べて通信販売の場合は、受け取りなどオペレーションの手間も大きいでしょう。
それならば、ストレートに「割引」や「プレゼント」をオファーとした方がよいかもしれません。
一方、この下取りセールは、何年か前から継続的に実施されているようです。
そのような余計なコストをかけてまで、どうして下取りをするのでしょうか?
そんな疑問に答えてくれたのは、あの伝説的な経営者。
セブンイレブンを一代で興し、現在はセブン&アイ・ホールディングスの会長を務めるカリスマ経営者、鈴木敏文氏でした。
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セブンイレブン創業者 鈴木敏文氏が、下取りセールを強行した理由
リーマンショック後、景気が急落するなかで、イトーヨーカドーが始めたのが「現金下取りセール」。
衣料品のお買い上げ金額5,000円ごとに不要になった衣類を1点1,000円で下取りしました。
(出典:「鈴木敏文の実践!行動経済学」鈴木敏文 朝日新聞出版 )
これが大好評で、爆発的な集客効果を発揮。
回を重ねるごとに、対象品目を広げていったそうです。
この下取りセール。冷静に考えれば「2割引」と同じです。
そのため社内からは、疑問視する声が強かったそうです。
「手間をかけて下取りを行うより、 割引セールをした方が効果的ではないか?」と。
そのときに鈴木会長が下取りセールを強行したのは、お客様の心理状態を読み解いていたから。
続きは、後編「「保有効果」による心の揺らぎが、購入のトリガーに」でお伝えします。
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