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2020年、オフライン通販で売れている企業は?チラシ広告の最新状況

デジタルシフトが急速に進んで1年以上、WEB広告からの新規獲得が伸びた通販企業も多いかと思います。

一方、オフライン広告はどうだったのでしょうか?

同封同梱広告を事例にマーケットの現状をレポートするとともに、チラシでレスポンスを獲れる通販企業の共通点を、商材・媒体・クリエイティブの3つの視点からまとめました。

 

“デジタルシフト”で、紙媒体のレスポンスはどうなった?

 

弊社が取り扱う同封同梱広告でも、コロナ禍と急速に進んだDX(デジタルトランスフォーメーション)により大きな変化がありました。

同封同梱広告とは、通販カタログや会報誌、ECで発送した商品などにチラシを添える広告手法です。
 

チラシを届ける媒体のなかでも、外出が減ったことで最も影響があったのが旅行誌。

その他旅行のコンテンツを特集していた媒体なども、発刊の延期や見合わせが起こりました。

オンラインでの購入が盛り上がったため、物流が混乱し発送の遅延が生じるなどスケジュール通りに届けられないこともありました。

 

しかし状勢が落ち着いた2020年の後半以降は、大きな変化はないといえます。

紙媒体のレスポンスは、これまでデジタルメディアの隆盛とともに低下傾向にありましたが、幅広い世代への通販の普及により上昇傾向になっています。

 

その理由の1つが長期的に続く「巣ごもり需要」です。

2020年、EC利用が増加したことはご存知の人も多いかと思います。

オンラインに限らずオフラインでの購入も増え、「通信販売」が著しく伸びました。

 
JADMAが発表した通信販売の売上データによると、2020年1月と2021年1月を比較して全体として15.4%アップ。
 

2020年1月対比通信販売売上高 (総合):単位100万円

2020年1月対比通信販売売上高 (総合):単位100万円


店舗での買い物から、外出しないでもできる消費に流れていることが見てとれます。

これに伴い、テレビや紙などオフラインでの通販も伸びました。

 

特に60代以上のシニア世代は、外出を控える傾向が強いためか消費行動が限られています。

百貨店やスーパーなど店頭での買い物や外食する機会が減った高齢者の割合は約4割から5割ほど。(65歳以上の高齢者1000人に聞いた”with”コロナ実態調査より)

お金に余裕のある層の「使いたくても使えない」お金が、通販に流れている印象も受けました。
 
 
 

2020年代、売れているチラシの3つの共通点

 

こうした追い風が吹いているマーケット動向を受けて、「チラシへの出稿金額が、1年間で6倍に増加」といった企業も出てきました。

ただし、チラシを出稿している中でもレスポンスが上がっているものと低迷しているものがあります。

どのような違いがあるのか、売れるチラシの共通点を商材・媒体・クリエイティブの3つの視点から整理しました。

 
 

商材:食品・雑貨は◎、化粧品(スキンケア)・健康食品は堅調

 

外出に紐づく商材は、売れ行きが厳しくなりました。

たとえば、メイクアップ化粧品やアパレルなどです。

オフラインに限らず、どのメディアでも昨年対比の売り上げが悪化。

コロナ禍で出勤や休日のレジャーなどの機会が減るとともに、ニーズ自体が減ったと考えられます。

 
販売金額が減少した消費財

商材 前年比売上
1位 口紅 44%
2位 鎮暈剤(酔い止めなど) 54%
3位 強心剤 63%
4位 ほほべに 66%
5位 ファンデーション 68%

 

2020年に販売金額が落ち込んだ日用消費財の市場調査からも、顕著に影響があらわれています。
 

一方、売上の伸びが著しいのが食品。

魚介類や肉など高級食材のお取り寄せや、コーヒー・酒をはじめとした嗜好品の反応が良くなりました

百貨店や旅行先などでの買い物を控えて支出が減った代わりに、在宅時間のクオリティを上げて楽しもうとする人たちの通販の購入が増えている印象です。

そのため、通販売上がコロナ禍以前の1.5-2倍となった企業も少なくありません。

 
またダイエットサプリや運動器具など、健康まわりの商材も伸びています。

リモートワークの増加や休日に自宅で過ごす時間が増え、運動不足を懸念する消費者に刺さるものとなっているようです。

 
その他レスポンスが堅調な傾向にあるのが、健康食品やスキンケア化粧品

スキンケア化粧品は「メイクをする回数が減り素肌を見る機会が増えた」「マスクをする部分の化粧品の支出が減った」などの理由から、高価格帯のものに変更する人が増えたことも影響しているといえます。

新たなアプローチの1つに、結果が好調な食品を「フロント商材」として、健康食品へのクロスセルを試みる企業も出てきています。

 
商材別のレスポンスの傾向(2020年度)

レスポンス(前年比) 商材例
好調 食品、ダイエットサプリ・運動器具など
同水準 健康食品(ダイエット以外)、スキンケア化粧品など
低迷 メイクアップ化粧品、アパレルなど

 
 

媒体:「EC商品同梱」や「宅配サービス同梱」が好調

 

前章でも述べたように、旅行通販誌や一部媒体では発行自体がストップしたケースもありました。

 

一方で好調に伸びたのが、EC関連の媒体です。

AmazonはじめECで購入された商品にチラシを同梱する「商品同梱」は、出荷数の急増にともないチラシの配布部数も大きく増えました。

なかでも食材宅配は、昨年を機にニーズが高まったサービスの1つです。

また、前述にもあるように幅広い層に通販が普及したため、新規ユーザーの増加が著しくこれまでアプローチできなかった方にも広告を届けることができるようになりました。

リーチ層の広がりや、外での支出減少に伴い通販意欲が高まるなど、レスポンスも好調な結果に。

 
媒体の変化とともに、広告予算の割合が代わった企業も。

他の紙媒体、特に折込チラシから同封同梱への広告予算のシフトが目立ちました。

同封同梱広告の予算が増えた要因の1つに、リーチ力が上がっていく中でシンプルにCPOといった売上に直結するLTVに近い指標が合っていた、ということがあげられます。

 
 

クリエイティブ:こだわりやストーリーなどで独自性を表現

 

これまで反応が良かった広告は、ターゲット顧客の悩みや商品ベネフィット(例:化粧品ならたるみ・ハリなど)をストレートに打ち出すタイプでした。

しかし、これらの“鉄板”とも言えたクリエイティブのレスポンスがこの1,2年間で低下しています。

どの通販企業も成功パターンにならって「コモディティ化」したこともあり、顧客がこのような訴求方法に慣れてしまったのではないかと考えられます。

 
以前は、CPOで10,000円前後だったチラシが20,000円など2倍近くまで悪化した例も。

 
最近は、「製品のこだわり」や「企業としての想い」「開発者のストーリー」など、その商品ならではの独自性を作り手の視点から打ち出したチラシのレスポンスがよい傾向です。

たとえば、

・開発の想いとエピソードを、マンガで表現(化粧品)
・国産原料へのこだわりと通販限定の理由をアピール(健康食品)
・自社農園で製造した原材料の希少性をうたう(化粧品)

など。

 
背景として考えられるのがシニア世代の購買行動の変化

新聞やチラシなど紙媒体の広告からでも、購入前にWEBで口コミやレビューを調べる方が増えている傾向があると、複数の通販企業からお伺いしています。

 
いままではチラシ完結での購入を狙う傾向にありましたが、WEBで比較されることを前提に企業や商品が“本物”だと信頼するに足る情報を載せることが、より重要になっています。

 
 
 

広告のオフライン展開、「シニア顧客」「月予算5,000万円以上」ならGO

 

ここまで紙媒体の費用対効果の高め方を解説してきましたが、そもそもオンライン専業で販売してきた企業では、オフライン広告の実施すらしていないことも。

どのような場合に紙媒体を実施すべき、あるいは実施すべきではないのでしょうか?

これまで1,000社以上の通販企業を支援してきたなかでの経験としては、「40代以上がターゲット」「広告予算が月5,000万円以上」の企業には特におすすめしています。

 
 

CPAで単純に比較すると厳しいことも、ただし・・

 

同封同梱広告を検討する通販企業から一番にいただく質問は、WEBあるいはテレビ(インフォマーシャル)と比べた時の費用対効果について。

CPA(CPO)でWEB広告と比較すると、正直に言えば高くなってしまうケースもあります。

しかし、広告予算が月5,000万円以上になると、WEB広告だけでは獲得件数が頭打ちになったり、あるいはCPAが合わずに高騰する企業も出てきます。

また、月予算1,500万円ほどであっても成長の停滞を打破するために、新しい獲得先として紙媒体への出稿をスタートする企業も。
(参考:「単品通販で年商10億円を超えると、なぜ紙媒体への投資が必要か?企業規模別の広告展開法」)

 

事業のリスクを分散するのにも新たなチャネルを始めることは有効です。

予想できない事態が起こった場合、1つの集客チャネルに依存して顧客獲得を行っていると事業が傾くリスクが高まります。

年商10億円など一定ラインを超えると、集客チャネルを分散させるためポートフォリオの1つに紙媒体を組み込み、さらなる拡大を目指す企業が増えてきます。

 
 

LTVは、平均の1.2〜1.5倍程度と高い

 

通販企業が追うもう一つの指標がLTVですが、チラシから獲得した顧客は高い傾向にあります。

弊社で顧客分析データを比べましたが、同封同梱広告からの顧客のLTVを他メディアと比べると、おしなべて1.2-1.5倍程度に。

落ち着いて読み込んで購入を決定するチラシ広告は継続率も高い傾向にあるようです。
 

「LTVが高い顧客を獲得する」という方向性は、前章でも述べた「企業の想い」や「開発ストーリー」などじっくりと読み込んでもらうタイプのクリエイティブとも親和性が高いといえます。

ロイヤルティの高い顧客を獲得したい、という企業はぜひチラシにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。