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メディアレーション(MR)とは?通販広告での意味や計算方法を7分で解説

通信販売などダイレクトレスポンス広告の費用対効果をはかるために使われる、メディアレーション(MR)という指標。その意味と計算方法、基準値、さらにはCPOやROASなど他の広告指標との関係を解説します。

メディアレーション(MR)とは?通販広告での意味や計算方法を7分で解説(サムネイル)

MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

マーケティングにおけるMR(メディアレーション)とは

 
メディアレーション(MR)とは、初回売上によって広告投資をどれだけの割合で回収できたか?を測定する指標です。
 
MRが高いほど、費用対効果の高いマーケティング施策を行えていると言えます。MR=1であれば初回の売上で広告費を全回収、MR>1であれば初回売上が広告費より大きくなること(黒字)を表します。
 

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MR(メディアレーション)の計算方法と計算例

 
MRとは、「メディアレーション」(Media Ration)の略。計算式は、次のとおりです。
 

MR=初回売上÷媒体費

 
広告実施時にかけた費用を、どれだけ回収できたか?を表します。
 
たとえば、ある化粧品会社が、300万円の媒体費をかけて新聞広告を実施。広告に4,000円の商品を載せたとしましょう。
 
広告を見て、600人のお客様から注文がありました。初回売上は、以下です。

4,000円×600人=240万円

 
このときのMRは、以下の計算から0.8 です。

240万円(初回売上)÷300万円(媒体費)=0.8

MRが0.8とは、媒体費の80%を初回売上で回収したという意味です。
 
MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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MR(メディアレーション)の基準値

 
基本的に、MRの基準値は1です。
つまり、MRが1を上回る(1回の売上で広告費を回収する)ことが理想的です。
 
理由としては、MRは基本的に売り切り型のビジネスモデル(一回きりの販売により、商品やサービスを顧客に提供するモデル)において使う指標であるためです。売り切り型ビジネスの場合、消化した広告費よりも売上が少ないと、そのまま赤字となってしまいます。つまり、広告を出稿すればするほど赤字が増えてしまいます
 
一方で、リピート販売モデル(定期購入などの商品を継続的に購入してもらうモデル)の企業では、MRが1を下回るケースが多いです。理由としては、初回売上だけではなく、リピートを重ねることで利益を出すビジネスモデルであるためです。
 
仮にMRが1を下回っている場合でも、初回売上で広告の媒体費をある程度回収する事業モデルを構築できている場合は、MRが指標として有効に機能します。
 
先ほどの化粧品会社の例のようにMRが0.8であれば、さらに広告のレスポンス率(反応率)を高めたり、まとめ売りや高単価商品へのアップセルが成功したりすれば、MR=1つまり広告費の回収が見えてくるためです。このメディアで専門に取り扱っている、化粧品や健康食品など単品リピート通販ビジネスでは、成長期を迎えていた2000年代にはMRが1を上回ることも珍しくはなかったようです。
 
ところが競合の参入が増えると、広告のレスポンスはどんどん下がっていきます。初回売上で媒体費を回収できることは稀になり、レスポンスを高めるために本商品ではなく「無料サンプル」や「500円トライアルセット」などお試し商品のオファーを打ち出す広告も増えてきます。広告では顧客リストの獲得に注力して、2回目以降のリピート販売で利益を回収する。そんな事業モデルのもとで有効な指標が、「CPO」です。
 
CPOに関しては次章で解説します。
 
MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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通販広告の別の指標、「CPO」との違いは?

 
「CPO」は、Cost Per Orderの略。
新規顧客に購入してもらうために、1件あたりにかかった広告費用を指します。
 

CPO=媒体費÷受注件数

 
先ほどの化粧品の広告の例では、媒体費は300万円、受注件数は600人。
CPOは、300万円÷600人=5,000円です。
 
リピート性のある商品で単価が4,000円だとすると、5,000円で新規顧客を獲得できたら十分に投資回収できそうです。計算してみましょう。
 
初回売上=600人×4,000円=240万円
投資回収に必要な金額=300万円-240万円=60万円
2回目購入で獲得すべき人数=60万円÷4,000円=150人
 
1回目購入した600人のうち25%である150人が2回目購入して貰えれば投資回収できるので、通販業界の2回目購入する人の平均割合が30%前後であることを考えると、投資回収できることがわかりましたね。
 
仮に広告のレスポンスが悪化しても、2回目以降のリピート販売がうまくいけば、CPOが10,000円になってもビジネスが回るでしょう。
 
このように、CPOは2回目以降の売上で時間をかけて投資回収する、「リピート販売」のモデルが重要という考え方が背景にあります。
 
一方、メディアレーション(MR)では、1回目から広告投資の回収を狙う「一発回収」「売り切り」のビジネスモデルで機能する指標でしょう。
 

MRCPO
目的広告投資を売上で、どれくらい回収できたか?新規顧客をどれだけ効率的に獲得できたか?
業界総合通販など単品通販など
リピート性低い高い

 
他にも、CPOやCPA/CPRROASなど広告の費用対効果を測る指標はいくつかあります。商材や目的に合わせて使い分けるとよいでしょう。各KPIの定義は、以下のリンク先の資料でも解説していますので、もしご興味あれば併せてご覧ください。
解説資料はこちら
 
 

広告のKPIとして使われる「ROAS」との違いは?

 
ROASとは、Return on Advertising Spendの略です。かけた広告費に対して、どのくらいの売上を回収できたかを表します。ROASの計算式は以下となります。
 

ROAS(%) = (初回)売上 ÷ 広告費 × 100

 
たとえば、売上が300万円、広告費が100万円の場合、ROASは300%となります。
 
計算式からもわかる通り、ROASはMRの計算式とほぼ同じです。MRをパーセンテージで表したものがROASと考えて問題ないでしょう。
 
ROASは高ければ高い方が良く、基本的には100%を上回ることが理想です。理由としては、MRと同様に売り切り型ビジネスで使われることが多く、100%を下回ると赤字になるためです。リピート販売モデルの場合は100%を下回ることが多いですが、その場合には継続購入してもらう仕組み作りが不可欠です。
 
MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
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マーケティング以外の分野における「MR」とは

 
MRは、マーケティング以外の分野でも使われる用語です。
この章では、代表的なものとして、職種としてのMR(医薬情報担当者)とMR(仮想現実)の意味や概要を解説します。
 
 

職種としてのMR(医薬情報担当者)

 
職種としてのMRは、医薬情報担当者(Medical Representatives)を意味します。
医師や薬剤師をはじめとした医療関係者に対して、医薬品の販売や情報提供、医療現場から受け取った情報を開発部門にフィードバックすることが主な仕事内容です。
 
働き方としては、製薬会社に所属して自社の医薬品を販売することが一般的です。同じ職種間での転職が活発である他、金融や人材などの業界で営業の経験を積んだ人材がMRに転職するケースも見受けられます。
 
 

MR(仮想現実)

 
MR(仮想現実)は、Mixed Realityの略です。
特殊なゴーグルによって現実空間の形状を把握し、デジタル情報を現実世界に重ね合わせるように表示する技術です。分かりやすい例で言うと、現実世界に恐竜や自動車、人体模型などのホログラムを実物のように可視化させることができます。
 
完全に視界全てがCGで覆われるVR(仮想現実)とは根本的に概念が異なります。また、現実空間にデジタル情報を投影する点では、MRはAR(拡張現実)と類似しています。しかし、表示するのみのARとは異なり、MRでは利用者の動きとデジタル情報を連動させることが可能です。
  
MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
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MRについてのまとめ

 
MR(メディアレーション)は、初回売上によって広告投資をどれだけの割合で回収できたかを表す指標です。1を目標値とすることで、現状のマーケティング施策や広告が適切であるかを判断し、改善策を講じることが可能です。
 
リピートモデルの通販企業では1を下回るケースもあるため、継続的に購入してもらう仕組み作りが大切です。
 
MR以外にも、通販事業ではF2転換率やCPOなどのKPIの理解が重要です。
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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