単品リピート通販の事例から、

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単品リピート通販とは?業界上位企業の売上ランキングと、ビジネスモデルの特長

通販業界のなかでも、「単品リピート通販」という業態に注目が集まっています。
「利益率の高さ」や「積極的な広告宣伝」、「成長企業を数多く輩出していること」など注目されるポイントは多々ありますが、それらを支える単品リピート通販のビジネスモデルには、どのような特長があるのでしょうか?
売上上位企業やマーケティングの仕組みなど、気になるポイントとともに解説しました。

「単品通販」「リピート通販」≒化粧品・健康食品のEC通販

 
 
単品リピート通販の呼び方は、「単品通販」や「リピート通販」などまちまちですし、定義も人それぞれです。
 
ですが、健康食品や化粧品などリピート性のある商材を、EC通販で顧客に直接販売している事業を指すことが一般的です。
 
 

当てはまる商材

 
さまざまな商材がありますが、例を挙げてみましょう。
 
・青汁やグルコサミンなど、健康食品
・酵素や黒酢など、ダイエットサプリメント
・口臭予防や便秘防止など、コンプレックス商材
・化粧水や美容液など、スキンケア化粧品
・ファンデーションやメイクなど、コスメ
・シャンプーや白髪染めなど、ヘアケア製品
・コラーゲンやプラセンタなど、美容ドリンク
 
健康食品・化粧品の他には食品、たとえば魚・果物はじめ産地直送品やコーヒー・お菓子といった嗜好品などで、定期購入を主体としたEC通販を含む場合もあります。
 
 

業界の売上上位企業

 
通販新聞社が毎年に発表している「通販・通教売上高ランキング」から、単品リピート通販(化粧品・健康食品通販)企業のみを抜粋して、1〜10位へと並べてみました。(※1)
 
化粧品・健康食品通販の売上ランキング
 

順位 企業名(※2) 年商(※3) 本社 主力商品
1 サントリーウェルネス 83,900
セサミン
2 オルビス 29,963
基礎化粧品/「オルビスユー」
3 新日本製薬 27,209

基礎化粧品/「パーフェクトワンモイスチャージェル」
4 ファンケル 27,183

基礎化粧品/「マイルドクレンジングオイル」
5 再春館製薬所 24,900 熊本 基礎化粧品/「ドモホルンリンクル」
6 コーセー 23,309
基礎化粧品
7 シーズホールディングス(ドクターシーラボ) 21,000
基礎化粧品/「アクアコラーゲンゲル」
8 ディーエイチシー 19,700
基礎化粧品/「ディープクレンジングオイル」
9 富山常備薬グループ 19,024
第3類医薬品(フルスルチアミン、L-システイン)
10 世田谷自然食品 18,800
グルコサミン、青汁

 
※1 出典は、通販新聞社が2019年12月に発表した「化粧品・健康食品通販売上高ランキング」。売上ランキングの全体は、通販新聞社が発行している本紙を購読した方はご覧になれます。
※2 企業名:株式会社など正式な名称から一部省略。敬称略
※3 年商:単位は百万円、実質対象決算期は18年6月〜19年5月期。通販新聞社の推定も一部含む。それぞれ同ランキングに掲載されていた上位85社から、化粧品・健康食品の売上を合算して算出

 
 

総合通販やモール販売との違いは?ビジネスモデルの特長

 
前章では分かりやすさを重視して、「化粧品や健康食品の通販」と説明しましたが、もっと詳しく知りたい方向けにビジネスモデルからその特長を深掘りしていきます。
商品(単品)・販売方法(リピート)・チャネル(通販)の3つの視点から、見ていきましょう。
 
 

ポイント1:1種類の自社オリジナル商品/ブランドが軸

 
1つ目は「単品」、商品の視点からです。
 
「単品」というと、よく聞かれるのが「1商品しか売っていないの?」という質問です。
ですが実際には、「単品通販」と呼ばれる会社のほとんどは複数の商品を販売しています。
 
これは、業界の先駆けとも言える、「やずや」(香醋)や「再春館製薬」(ドモホルンリンクル)といった企業が、爆発的に支持をされた1種類の商品/ブランドを前面に出して広告を展開。
看板商品を軸に売上を伸ばしていったことから、「単品通販」と形容されるようになった、と私は推測しています。
 
商品によっても分かれ、健康食品では「1つの看板商品が、売上の8割を占める」といった企業もあります。
一方、化粧品は洗顔・クレンジングから化粧水、美容液、あるいはファンデーションなどSKUを増やし、「ラインで売る」会社が多いでしょう。
 
ただし、何百・何千種類もの商品を並べて販売する「多品種少量」型のいわゆる総合通販とは異なり、あくまで軸となるのは1つの商品です。
 
・新規顧客には、1つの商品をフロント商品として販売する
・その商品を使い終わったら2回目も、基本的には同じ商品を薦める
・関連する商品も合わせ、クロスセルを狙う
 
ただし、商品ラインナップを広げていっても、1つのブランドに揃える(あるいは顧客層やコンセプトなどが異なる場合は、別ブランドとして販売する)のが一般的です。
 
品揃えが少ない分、ほとんどの企業は自社ブランドのオリジナル商品を販売しています。
メーカー直販、いわゆる「D2C」(Direct to Consumer)と呼ばれる業態とも、共通するポイントです。
 
 

ポイント2:リピート購入を前提にしたモデル

 
2つ目が「リピート」、販売方法です。
 
化粧品や健康食品は、消耗品。
一度使って気に入ったら、同じ商品をくり返し購入するお客様も多いです。
 
ポイント1と合わせて、総合通販と比べると違いが際立つはずです。
 
総合通販と単品リピート通販のビジネスモデルの違い
 

総合通販 単品リピート通販
商品例 家電・本・アパレル・家具など 化粧品・健康食品など
品揃え 多い 少ない
購買サイクル 同じモノはくり返し買わない 消耗品なので定期的に購入
調達先 仕入れ販売 自社ブランド
価格競争 起こりやすい 巻き込まれにくい
広告効率 CPAを低く抑えやすい CPAが高騰しやすい
代表的企業 Amazon、千趣会、セシール、アスクル、ヨドバシカメラ、ZOZOTOWN、ケンコーコム、マガシーク、ゴルフダイジェストオンライン 再春館製薬所、ドクターシーラボ、オルビス、ファンケル、サントリーウェルネス、ライオン、山田養蜂場、やずや、オイシックス、ブルックリン

 
総合通販でも、リピート購入するお客様は多くいます。
ただし、本や家具などは一度買った同じモノをくり返し買うことは稀で、別の商品を買うケースが多いはずです。
 
一方、単品リピート通販では品揃えは多くありません。
したがって大事なのは、広告で獲得した新規顧客を「1回切り」に終わらせず、リピート購入によって売上を積み上げていくことです。
 
そのために、一度購入した顧客にはメールやDM、あるいは電話(アウトバウンド)などで販促をしていったり、定期購入の仕組みを用意したりしています。
 
 

ポイント3:販売チャネルは自社ドメイン、広告からの集客が中心

 
最後にチャネル、「通販」です。
これは「カタログ通販」や「テレビショッピング」など伝統的な通信販売だけでなく、「EC(Eコマース)」や「ネット通販」ももちろん含みます
 
では、化粧品や健康食品をネット販売している企業が、全て「単品リピート通販」と呼ぶかというと、そうではありません。
 
具体的には、Amazonや楽天などECモールを主戦場に販売する事業者は当てはまらない、という考え方が一般的です。
単品リピート通販でメインになるのは、自社ドメインすなわち自社で用意したECサイト・LPや、出稿した広告やDM・カタログなどでの販売です。
 

モール出店 単品リピート通販(自社ドメイン)
販売方法 Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど 自社のECサイトやDM・カタログなど
集客チャネル モール内の検索・広告など WEB・テレビ・紙媒体の広告など
新規獲得コスト 低い 高い
決済・物流など初期投資 小さい 大きい
利益率 低い 高い

 
モール出店と比べた時、単品リピート通販のメリットは、事業が軌道に乗ると利益率が高くなりやすいことです。
 
・自社サイトやDMなどで販売すると、Aazonや楽天などプラットフォームに手数料を支払わなくてよい
・競合商品との比較が付きまとうモールとは異なり、独自の商品価値・ブランドを
 顧客に理解してもらえれば、販売価格が高くても買ってもらえる
・一度購入した顧客のリストに自由にアプローチできるので、リピート購入してもらいやすい
 
といった特長から利益率が高くなり、既存顧客が積み上がっていくほど利益を安定的に出しやすいのです。
 
しかし、単品リピート通販で一番難しいのが、新規顧客の獲得です。
 
「今すぐ商品を探している」顕在顧客が既に集まっているECモールに出店すれば、モール内での検索や広告など安価なコストで集客できます。
一方、自社ドメインのECサイト/LPに顧客を連れてくるには、広告など集客コストがかかります
 
また決済や物流、ITシステムなども自前で準備するべき割合が増えるでしょう。
これらの初期投資を、リピート購入による売上で回収するスキームを組めるか?が、自社ドメイン(単品リピート通販)で利益を出すためのポイントです。
 
 

高い収益性を実現する、マーケティング戦略とは?

 
では、このような単品リピート通販のビジネスモデルを踏まえて、新規顧客獲得(広告)やリピートなど、どのように戦略を立てていけばよいのでしょうか?
 
単品リピート通販では利益率の高さにもよって、ビジネスモデルの歯車がかみ合うと「5年間で年商100億円」など、短期間に一気に売上を伸ばす企業がたびたび登場します。
その高い収益性を支えるマーケティング手法には、業界上位企業が共通して取り入れている仕組みがあります。
 
 

定期コース

 

一度使って気に入った商品があると同じ商品を買い続けるのが、単品リピート通販のお客様の特長です。
その習慣を高い収益性へと転換するのが、「定期販売」という事業モデルです。

 

定期顧客の人数が増えれば増えるほど、座布団が積み上がっていくようにストック収入として積み上がっていくため、継続性・安定性が高いのがその魅力です。
健康食品はもちろん、化粧品でも定期コースを収益の柱とする企業が増えています。

 

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トライアルセット・お試し商品

 

販売側としては定期購入をしてほしいですが、お客様としては使ったことがない商品を定期購入するのは難しいもの。
そこで、「お試し商品」や「トライアルセット」「無料/有料サンプル」などを、「980円」や「500円」など低価格で販売する企業が増えています。

 

新規購入のハードルを下げることで、CPA(顧客の獲得単価)を下げることができるからです。
広告では顧客リストを集めて、リピート購入で収益を上げようという考え方です。

 

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引き上げ(F2転換)

 

顧客リストは集まったものの、「お試し客」や「サンプル客」だけが増えてしまっては、いつまでも赤字のままです。
リピートしてもらえるかどうか?の分かれ目は、新規購入直後に本商品や定期コースに申し込みしてもらうこと。

 

サンプルの期間が30日間の場合は、その期間中にキャンペーンを設定して、「本商品購入で○%引き」や「定期入会で3つの特典」などと働きかけます。
そのために、メールやDMを何通も送ったり、場合によっては電話(アウトバウンド)をかけるなど、「引き上げ」のためのコミュニケーションを工夫します。

 

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クロスセル・アップセル

 

顧客が集まったら、今度はLTV(顧客生涯価値)を高めていきます。
LTVとは、その顧客が長期間にもたらす売上(または利益)のこと。リピート購入のサイクルが短い単品リピート通販では、1年間の期間でLTVを計算するのが一般的です。

 

そのために、同じ商品を継続的に購入してもらうのはもちろんですが、別の商品も勧めたり(=クロスセル)、高価格の商品を販売したり(=アップセル)します。
化粧品では、「クレンジングを購入したお客様に、化粧水も販売する」などクロスセルが盛んです。
健康食品でも、3ヶ月分などの「まとめ買い」やお徳用ボトルなどの「増量」によるアップセルが見られます。

 

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CPOとLTV

 

CPA/CPOとは、新規顧客一人あたりを獲得するのにかかった費用のこと。
たとえば、200万円の広告費用をかけて、100人の新規顧客を獲得できたときにCPOは、200万円÷100人=2万円です。

(獲得したのが見込み客の場合はCPA、本商品/定期コースの顧客の場合はCPO、と区別されるのが一般的です。)

 

単品リピート通販のビジネスモデルを単純化して、利益の方程式を出すと、利益=(LTV-CPO-コスト)×顧客数です。
いかにCPOを下げて、LTVを高めるか?が利益を伸ばすためのポイントです。

 

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>LTVの事例を調べる

 

この記事では、単品リピート通販のビジネスモデルから売上上位企業、マーケティングの流れを解説しました。
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今回は、化粧品や健康食品の事例を主に扱いましたが、単品リピート通販のビジネスモデルは、たとえば通信教育や食材宅配、ECのサブスクリプション(定期購入)・モデル、はてはNGO/NPOによる寄付集めなどさまざまな事業で応用されています。

 

このブログでは、単品リピート通販のマーケティング事例を解説した記事を多く載せています。
文中にもいくつかリンクを貼っていますので、もっと興味がある方はぜひいろいろと調べてみてください。