ラジオで流れる音声広告全般が「ラジオ広告」です。
4大マスメディアの1つですが、広告の種類や料金については詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではラジオ広告(ラジオCM)の種類やメリットとデメリット、費用などについて解説します。

ラジオからオフライン広告に挑戦し、インフォマーシャルに拡大する企業が増えています。
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目次
ラジオ広告(ラジオCM)とは
ラジオ広告とは、ラジオ放送の中で流される音声広告全般を示します。
ラジオCMとも呼ばれます。
ラジオは新聞、雑誌、テレビと合わせて「マスコミ4媒体」と呼ばれますが、イラストや画像を使える新聞や雑誌、映像を使えるテレビなどに比べると、音声だけのラジオの広告は訴求力が弱い印象を持たれていました。
しかし、近年はラジオ機器を持っていなくてもスマートフォンやPCからラジオを聴けるようになったことや、新型コロナウイルスの感染拡大や自然災害時などの対策の呼びかけなど、緊急時の情報伝達力が高いことから、ラジオが再注目されています。
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ラジオ広告の種類
ラジオ広告には配信するタイミングで2種類、配信する方法で2種類存在します。
以下の章では、それぞれの種類について詳しく解説していきます。

ラジオ広告の種類
配信タイミングの種類
ラジオ広告は、放送されるタイミングによって以下の2種類に分類されます。
- タイムCM(番組提供)
- スポットCM
番組の枠内で放送されるタイムCM(番組提供)
タイムCMとは、ラジオ番組の枠内で放送される広告のことです。
あらかじめラジオ広告を放送する番組を指定しておき、「この番組は○○の提供でお送りします」というクレジットと共に番組の枠内で流します。
番組との連動性によって商品に親近感をもってもらったり、長期間同じ番組で配信することで商品イメージを醸成するといった活用ができます。
また、リスナーの多い人気番組の枠内でラジオ広告を流せば、多くの人にラジオ広告を聴いてもらえるでしょう。
番組によっては1社のみのスポンサー企業と契約する場合もあります。
その場合は番組の途中で競合他社の広告が放送されず、高い広告効果を期待できます。
なお、タイムCMは約20秒程度から広告枠を購入できて、最低契約期間は3か月に設定されていることが一般的です。
特定の時間を指定するスポットCM
スポットCMとは、時間帯や曜日を自由に選んで放送できるCMのことです。
時間帯を指定したり、空いている枠を利用したりと、さまざまな契約形態があります。
タイムCMのように特定の番組を指定しないため、さまざまな番組のリスナーに広告を聴いてもらうことが可能です。
自社のターゲット層が多く聴いている曜日や時間に配信することで商品に興味を持ってもらいやすくしたり、イベントやセール等の広告を短期集中で配信することにより短期間で認知を獲得するといった活用ができます。
配信する期間や時間、回数を発注単位で設定することができるので、費用をコントロールしやすい点が魅力です。
なお、スポットCMも約20秒程度から枠を購入できます。
配信方法の種類
ラジオ広告の配信方法は、収録の有無によって2種類に分類されます。
- 生コマーシャル(インフォマーシャル)
- 収録型
リアルタイムで配信する「生コマーシャル」(インフォマーシャル)
生コマーシャルとは、ラジオ番組のパーソナリティが生放送中に原稿を読み上げて商品を紹介する手法で、インフォマーシャルとも呼ばれています。
実際にパーソナリティの手元に商品がある状態で放送されるため、番組との連動性が高いことが特徴です。
リスナーが支持しているパーソナリティがおすすめするような形で話が進むため、「この人が言うなら良い商品なのかも」と興味を持たれやすい点がメリットです。
番組のコンセプトやパーソナリティのキャラクターを活かせるような商品であれば、より効果が見込めるでしょう。
一方、生コマーシャルならではのデメリットもあります。
生コマーシャルは放送する度に原稿を作成したり、パーソナリティの手元に商品を手配したりする必要があり、多くの工数が発生します。
さらに、番組のイメージと合致しているかや、パーソナリティの調子は良かったかなど、広告の効果測定をする上での変数が多いため、振り返りが難しいといったデメリットもあります。
予め用意した広告を配信する「収録型」
収録型とは、予め収録しておいた広告をCM枠で配信する手法です。
生コマーシャルのような都度の原稿作成や商品手配が発生しないため、一度制作してしまえば使い回しできる点がメリットです。
また、番組パーソナリティの個性やその日の調子などの影響を受けないため、広告の効果にムラが生じにくい点もメリットです。
一方、配信間際の文言の差し替えなど、突然の変更には対応できないのがデメリットです。
そのため、収録前の綿密なすり合わせが重要になります。
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ラジオ広告のメリット
ラジオ広告のメリットは、主に3つあります。
- リスナーがCM中に番組を変える可能性が低い
- パーソナリティを通して広告に親近感を持ってもらいやすい
- ラジオを聴くことを習慣化しているリスナーが多い
メリット1:リスナーがCM中にチャンネルを変える可能性が低い
ラジオ番組のリスナーは、他の作業を行いながら放送を聴いているケースが多く、CMが流れてもチャンネルを変えない傾向がある点がラジオ広告のメリットです。
テレビではCMが始まった途端にチャンネルを変えられたり、録画であればCMをスキップされたりすることが多くあります。
情報の比重が映像にあるテレビの場合は、他のことをしながら視聴している割合が低いと考えられるため、CMが放送されているわずか数分だけでも、面白さを求めて他のチャンネルに変える傾向が強いと推測されます。
そのため、ラジオ広告はテレビ広告と比較して、視聴者に届く確率が高くなっています。
メリット2:パーソナリティを通して広告にも親近感を持ってもらいやすい
ラジオはパーソナリティとリスナーの距離が近く、テレビのタレントよりも親近感を持ちやすいと言われています。
特に番組の中でパーソナリティによって紹介される生コマーシャルは、自然な流れで広告が始まり、番組の一環として聴いてもらえるため、CM感が薄くなる点がメリットです。
また商品の魅力が、馴染みのあるパーソナリティから紹介されることによって、興味を持ってもらいやすくなったり、伝わりやすくなったりする点もメリットです。
このようにラジオ広告ではパーソナリティの発信力を活用することで、リスナーに抵抗なく聴いてもらえるため、高い広告効果を期待できます。
メリット3:ラジオを聴くことを習慣化しているリスナーが多い
インターネットの普及に伴い、ラジオはスマートフォンやPCでも楽しめるようになりました。
特にスマートフォンではアプリを起動するだけで気軽に聴けるため、ラジオを聴くことを習慣にしている人が増えています。
ラジオ広告を活用すれば、日常生活の中でテレビを視聴するよりもラジオを聴いている時間の方が長いという人にも商品を知ってもらえます。
そのため、テレビ広告とは異なる層にアプローチできる点がメリットです。
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ラジオ広告のデメリット
ラジオ広告にはメリットがある反面、デメリットもあります。
ラジオ広告を検討しているのであれば、メリットと併せてデメリットも理解しておきましょう。
デメリットは、主に3つあります。
- 聞き流されてしまう可能性がある
- 若者へのリーチがしづらい
- 馴染みのない商品は、音声情報でのイメージが困難
デメリット1:聞き流されてしまう可能性がある
メリット1で説明した内容の裏返しになりますが、ラジオは聴覚情報を伝達するメディアであるため、何か他のことをしながら聴かれることが多く、ラジオ広告が聞き流されてしまう可能性があります。
勉強や家事、読書、車の運転など、他の作業に集中していれば、ラジオ広告の情報はリスナーの耳に届かないこともあるかもしれません。
ラジオはテレビに比べて楽しみ方が自由な分、リスナーに対するアプローチが容易になります。
しかし、リスナーが聴いている状況よっては、広告の効果が期待できない場合もあるので、コメント内容や効果音などで耳を傾けやすくしてもらう工夫が必要です。
デメリット2:若者へのリーチがしづらい
ラジオの主なリスナーは50代や60代であることから、若者へのリーチが難しい点もデメリットの1つです。
2020年3月に株式会社ビデオリサーチが公開した「ビデオリサーチ2020年2月度首都圏ラジオ調査結果まとまる」によると、男女共に平均聴取率は50~69歳が最も高くなっています。
週平均の全局個人聴取率は50~69歳で8.6%を記録している反面、12~19歳は0.9%、20~34歳は2.0%と低くなっています。
ラジオ広告では紹介する商品のターゲット年齢層がリスナーと一致していれば、大きな成果を期待できるでしょう。
しかし、商品のターゲット年齢層が10代や20代の若者である場合は、この年齢層の視聴率が低いため、広告効果を期待できません。
ただ、この点は最近流行りを見せているSpotifyやradikoなどのオンライン上のオーディオアドの登場により、デメリットではなくなってきています。
ターゲットの年齢層が若い場合は、Spotifyやradikoなどを活用することでリーチができるようになりました。
デメリット3:馴染みのない商品は、音声情報でのイメージが困難
馴染みのない商品は音声だけでは説明しづらい点がラジオ広告のデメリットです。
日頃から馴染みのある商品で、商品の形状や動作、味などを頭の中で簡単にイメージできれば訴求しやすいのですが、これまであまり目にしたことのない商品の場合はイメージしづらく、魅力が伝わりづらくなります。
リスナーに馴染みのない商品をラジオ広告で紹介する場合は、イメージが伝わりやすくなるような工夫が必要になります。
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ラジオ広告の制作費用と広告費用はどれくらい?
ラジオ広告を配信する場合、制作費用と広告費用が発生します。
配信する時間帯や回数によって費用は異なりますが、この章では一般的な費用の相場を紹介します。
広告の制作にかかる費用は?
ラジオ広告の制作にかかる費用は、生コマーシャルと収録型で異なります。
1本あたりの主な相場は、以下の通りです。
1本あたりの平均制作費用 | |
---|---|
生コマーシャル | 約5万円 |
収録型 | 約15万円 |
なお、制作費は収録時間やキャスティングするタレントなどによって変動します。
広告配信にかかる費用は?
ラジオ広告の配信にかかる費用は、タイムCMとスポットCMで異なります。
タイムCMは3ヶ月単位の契約が一般的であり、20秒のCM時間で費用が10万円ほどから高額な場合は200万円を超えるものもあります。
それに対し、スポットCMでは1回ごとに費用が発生することが一般的で、20秒のCM時間で2万円程度から配信が可能です。
なお、放送される時間帯や地域、契約形態によっても、費用は大きく異なります。
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ラジオ広告の事例
この章では、弊社で実施している少ない工数で制作できる収録型と効果の高い生コマーシャルの良さをかけ合わせた、収録型生コマーシャルでの成功事例を紹介します。
具体的には、各局の15分ほどの放送枠を買い取り、独自企画の番組を事前に収録して放送するというものです。
番組枠ならではの連動性やパーソナリティによる親しみやすさを担保しつつ、事前収録した音源を使用することで生コマよりも制作工数を減らすことができるため、高い反響と拡大性があることが特徴です。
紹介する事例では、ラジオ広告を活用して獲得件数の大幅な増加に成功しています。
事例1:健康食品
健康食品を取り扱うA社は、ラジオ広告を活用する前は、月間獲得件数が200件程でした。
しかし、収録型生コマーシャルを実施した結果、出稿前の20倍である4,000件まで獲得件数が増加しました。
成功要因は、反響がよかったラジオ広告の音源を大きな工数を割かず拡大できたことです。
生コマーシャルでラジオ広告を実施した場合、出演の調整やCM考査の工数がかかってしまい、拡大性を実現することが非常に難しくなります。
収録型生コマーシャルに変更して、生コマーシャル特有の工数の多さがなくなったことで、拡大することが容易になりました。
事例2:化粧品
化粧品を取り扱うB社は、ラジオ広告の月間獲得件数が250件程でした。
しかし、収録型生コマーシャルを活用した結果、出稿前の5倍である1,250件まで獲得件数が増加しました。
成功要因は、生コマーシャルよりも迅速にCMの内容のPDCAを回せたことです。
生コマーシャルを実施した場合、出演の調整や原稿作成など広告制作に工数がかかってしまうことで拡大性を実現することが非常に難しくなります。

収録音源の作成パターン
リスナーから反響がある広告になるようにCMの内容に改善を行い続ければ、さらなる獲得件数の増加を期待できるでしょう。
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ラジオ広告の様々な活用方法
マーケティング活動を行うのであれば、より効果的な方法を採用したいものです。
そこで、この章ではラジオ広告のおすすめの活用方法を紹介します。
- 複数メディアの活用でリスク分散
- ラジオ広告の成功事例をテレビ広告に横展開する
複数メディアの活用でリスク分散
他メディアの広告で成果が芳しくなかった場合、リスク分散のための1メディアとしてラジオ広告の活用をおすすめします。
近年は、WEB広告の隆盛により多くの予算をWEB広告に割かれている企業様が多くいることと思います。
しかし、その予算が1つのメディアに集中してしまうと、「クリエイティブ審査が通らず、広告出稿ができない」や「広告の成果が悪く止めざるを得ない」となった場合、新規獲得が一時的に止まってしまいます。
テレビ広告や新聞広告よりも比較的安価に出稿できるラジオ広告を活用すれば、メディアが偏るリスクを分散することが可能です。
また、複数のメディアに出稿することによって、ラジオ広告とテレビ広告で商品が認知され、興味を持った状態でWEBで検索しコンバージョン、という別媒体でのコンバージョンのアシスト効果も期待できます。
ラジオ広告の成功事例をテレビのインフォマーシャルに横展開する
ラジオ広告で効率よく獲得できるクリエイティブ(音源)を作ることができれば、その成功事例や訴求をそのままテレビのインフォマーシャルに横展開することも可能です。
テレビにおけるインフォマーシャルとは、通販会社が商品を販売することを目的に、テレビ局の広告枠で放送する番組です。
一般的なテレビ広告よりも長い時間商品について説明できるため、商品の魅力を余すことなく伝えることで視聴者の購買意欲を高めやすくなっています。
しかし、インフォマーシャルなどテレビで放送する広告は放送1回にかかる費用が高額です。
視聴者に刺さらない訴求で広告を制作してしまった場合、大きな出費にも関わらず、あまり効果が得られないという事態になってしまいます。
このような事態を避けるために、インフォマーシャルの制作前にラジオ広告で訴求のテストを行うという活用方法がおすすめです。
訴求ごとにラジオ広告を放送して、どの訴求が反響が良いかを確認できれば、視聴者にささる訴求を使用したインフォマーシャルを制作できます。
闇雲にインフォマーシャルを制作するよりも、費用を抑えながら、高い効果を狙うことが可能です。
この記事ではラジオ広告の概要からメリット・デメリットや活用方法をお伝えしました。
自社の状況や商材に合うかどうかを検討した上で、なおかつオフラインへの展開に関心のある企業は、テストする媒体の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
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