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客単価を上げるには?通販・D2C企業が実践している施策8つ

客単価を上げるには、既存顧客に対するアップセルやクロスセル、1人あたりの購入数を増やす施策などが効果的です。客単価を上げるメリットは、比較的少ないコストで売上を増やせる可能性がある点です。通販・D2C企業が実践している効果的な客単価アップの施策を8つ紹介します。

客単価を上げるには?通販・D2C企業が実践している施策8つ(サムネイル)

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

客単価の意味は?

 
客単価とは、顧客1人が1回の買い物で支払う金額です。売上単価や顧客単価、平均単価などとも呼ばれます
 
客単価を上げずに売上を上げようとすると、新規顧客の数を増やす必要があります。しかし、客単価を上げることができれば、施策の幅が広がり多くの収益につながります。
 
 

客単価の計算方法は?

 
客単価は、以下の計算式で算出します。
 
客単価 = 一定期間あたりの売上 ÷ 同期間における購入人数
 
たとえば,
2023年4月の売上が240万円、同月内に商品を購入してくれた顧客数が300人の場合、客単価は以下のように計算できます。
 
客単価 = 240万円 ÷ 300人 = 8,000円
 
つまり、2023年4月の期間中において、顧客1人あたりが1回の買い物で使用した平均金額は8,000円です。
 
 

客単価を上げるメリット

 
客単価を上げるメリットを一言で表すと「売上の増加」です。売上は「顧客数×客単価」で計算できるため、顧客数が大きく増えなくても、客単価を上げることで大きく売上を増やせます。
 
また、新規顧客の集客と比べて、少ないコストで効果を得られる点もメリットでしょう。大規模なプロモーションを行わなくても、販売や提案の方法を工夫することで効果が見込めるため、客単価のアップは費用対効果の高い施策です。
 
通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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客単価を上げるための施策8つ

 
弊社が通販・D2C企業を中心に支援してきた中でわかった「効果的に客単価を上げることができる施策」を厳選して8つ紹介します。実際に客単価アップを実現している企業が実践している施策をまとめましたので、売上を伸ばしたい担当者やオーナー、経営者の方の参考になれば幸いです。
 

 
 

商品の単価を上げる

 
シンプルな施策として、商品単価を上げると客単価アップにつながります。つまり、商品の値上げです。
 
ただ、値上げの仕方によっては顧客離れを起こす可能性もあります。購入者数を減らすことなく商品単価を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。ポイントは2つです。
 
1つ目は「顧客に値上げした分の価値を感じてもらうこと」
 
単純に商品を値上げするだけでは、価格帯が安く似たような商品にスイッチングされる可能性があります。値上げをしたとしても選んでもらえるように、商品単価を上げた分に相当するだけの付加価値があるかや、顧客に値上げに納得してもらえるような説明ができるかが重要です。
 
具体的には、アフターサービスの充実や原料や品質に対するこだわりを訴求することで値上げに納得してもらえたり、他社にはない価値があると感じてもらうことができます。
 
2つ目は、「一度に大幅な値上げをしないこと」。大幅に商品単価をアップしたい場合、一般的には一度に大きく値上げするのではなく、数回に分けて少しずつ値上げする方が受け入れてもらいやすいでしょう。
 
 

セット商品を用意する

 
セット商品を用意すると、単品で購入する予定だった人でも複数商品を購入してもらえるため、客単価を上げることができます。たとえば、化粧水を購入している人にスキンケア関連のセット商品を用意すると、ついで買いが発生しやすくなる、といったイメージです。
 
セット商品の例
 
セット商品を販売する際には、特定のテーマに合う商品を組み合わせてまとめ買いの意欲を喚起しましょう。
 
たとえば、家電量販店では「一人暮らしを始める人」をターゲットに、「一人暮らし応援セット」と題して冷蔵庫や洗濯機などの家電をセット販売しています。「家電の検討をする手間が減る」「1回で必要なものが揃う」など顧客にメリットがあり、まとめ買いの意欲が高まります。その結果、購入商品数の増加による客単価アップを期待できます。
 
ライフイベントや、季節(クリスマス、母の日など)は特にテーマが考えやすいでしょう。
 
 

一人あたりの購入数を増やす

 
「セット商品を用意する」と似た施策ですが、一人あたりの購入数を増やす仕組みを作るのも効果的です。
 
たとえば

  • 「○○個以上の購入で20%割引」
  • 「△△個以上の購入で送料無料」
  • 「□□円以上で限定xxxプレゼント」

などと、まとめて購入した方が個別に購入するよりもお得なことを訴求すると、購買意欲を喚起しやすくなります。お得感を演出して購入個数を増やすことで、最終的に客単価を上げることができます。
 
 

既存顧客に上位の商品を提案する(アップセル)

 
アップセルとは、顧客が購入しようとしている商品(または過去に購入した商品)よりも、価格が高い同種の商品・サービスを勧める手法です
アップセルのイメージ
 
 
より高性能な商品や最新バージョンの製品、リッチなメニューを提案することで客単価を上げることができます。通販で単品購入やお試し購入をした顧客に定期コースを勧めるケースもアップセルに該当します。
 
アップセルの具体的な場面を顧客目線で説明しましょう。
 
たとえば、1世代前のスマホを購入しようとした際に、販売員から「価格は高いですが、最新モデルの方がカメラなどの性能が高く、機能も拡充されていて便利なのでいかがでしょうか?」と聞かれたとします。
 
「安くない買い物だから損したくない」や「どうせなら良いものが欲しい」といった心理が働く上に、購入する意思を持って来店しているため購入を迷っているタイミングに比べると、価格面への心理的なハードルが低くなっています。そのため、当初の想定よりも高い商品でも、提案を受け入れやすくなります。
 
アップセルを成功させるには、商品設計(=何を?)・タイミング(=いつ?)・チャネル(=どこで?)を提案することがポイントです。
 
以下の記事で既存顧客向けに行うアップセルのコツをくわしく解説していますので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。
 

アップセルとは?クロスセルとの違いやメリット、施策を成功事例をもとに解説
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既存顧客に関連商品を提案する(クロスセル)

 
クロスセルとは、顧客が商品を購入する際(もしくは購入後)に、その商品とは別の商品の購入も勧める手法です。購入しようとしている商品と組み合わせて使えるものや、その商品を購入した人が興味がありそうなものを提案して、ついで買いによる客単価向上を図ります。
 
クロスセルのイメージ
 
 
よく見かけるクロスセルの例は、飲食店で食事を頼んだお客様に対して飲み物を一緒に勧めるケースです。通販サイトだと、「この商品を購入した人は、こちらの商品も購入しています」というリンクを設置していたり、過去の購買データをもとに自動で関連商品をレコメンドする方法もあります。
 
クロスセルの効果を高めるには、ニーズや過去の購買行動を踏まえた提案を行うことが重要です。長期的な関係性を構築できている既存顧客は嗜好や購買データを取得できているため、「ほしい・利用したい」と思うような商品・サービスの追加提案がしやすく、有効に働きやすいでしょう。
 
 

価格のラインナップを3つ用意する

 
「松竹梅の法則」を応用して、商品ラインナップを価格別に3つ用意して最も売りたい商品を真ん中の価格帯として販売するのも1つのテクニックです。
 
松竹梅の法則とは、商品を3段階の価格帯(松・竹・梅)に分けた場合、多くの人は真ん中の価格帯(竹)を選ぶというものです。
 
たとえば「ベーシック(梅)」、「スタンダード(竹)」「プレミアム(松)」の3プランを用意すると、多くの人は価格や品質などが中くらいのスタンダードプランを選択します。
 
実際弊社が通販会社を支援した事例でも、「1週間サンプル(無料)」、「定期注文(単品から10%OFF)」、「単品注文(価格割引なし)」という順番でオファーを並べて、定期注文コースが真ん中の値段に感じるような見せ方にしたところ、申し込み数が増加しました
 
「自社が最も売りたい商品・サービス」、利益率の高い商品や安定した売上確保につながるサービスを真ん中に設定することで売りたい商品を選んでもらいやすくなるでしょう。
 
 
松竹梅の法則を通販企業で応用した事例は以下の記事で解説しています。

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優良顧客向けの商品を提供する

 
優良顧客向けに特別な商品を用意する施策も客単価を上げるために効果的です。具体的には、数量限定の商品や、付加価値や特典を付けた限定商品を優良顧客向けに販売します
 
ポイントは「特別感」を演出すること。「今しか購入できないかも」「自分たちだけが買える」と感じられると商品の希少性が上がり、購買意欲が刺激されるだけでなく価格面への納得度も高まります。ロイヤルティが高く実際に長く利用してくれている優良顧客に効果を発揮しやすいでしょう。
 
 

決済方法を増やす

 
決済方法を増やすのも客単価を上げる手段の1つです。対応できる決済手段が多いほど、顧客の離脱率が低くなります
 
特に、多くの消費者が使用しているクレジットカードや電子マネー決済は、カバーしておくことがおすすめです。店舗では、現金のみの支払いだったが現金がないため購入しなかった、という人も出てきています。キャッシュレス決済が浸透してきていることを考えると対応しておくことで、取りこぼしを防ぐことができるでしょう。
 
また、決済方法を増やす際には、主要なものとは別に、ターゲットとする顧客のニーズも踏まえて検討することも重要です
 
たとえば高齢者層ならば、キャッシュレス決済を使えない方も少なくありません。銀行振込や口座振替などの決済方法に対応したほうが顧客のためになるかもしれません。
 
実際、営業支援システムを展開するモズエンタープライズの調査では、キャッシュレス決済を利用したことがある高齢者は3割ほどと現金利用者が多いことがわかります。
出典:「シニアに聞いたキャッシュレス決済について モズエンタープライズ
 


 
今回の記事では、客単価を上げるための効果的な施策を8つ紹介しました。基本的には、商品単価の向上や購入点数の増加、優良顧客向け施策の強化を図ることで、客単価のアップが期待できます。本記事が客単価を上げたい方のお役に立てれば幸いです。
 
今回紹介した以外に「顧客心理」を活用して客単価を上げるコツを以下の記事で解説しています。よろしければご覧ください。
 

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