ダイレクトマーケティングで欠かせないのが、LTVの分析。特に通信販売などリピート購入が収益源となるビジネスでは、お客様一人ひとりがどれだけお金を使ってくださるか? すなわちLTVを高めていくのは重要です。この記事では「広告」と「CRM」の2つの観点から、LTV分析の具体的な方法を紹介します。
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方法1:広告では、変数ごとにLTVを算出して投資可否を判断
ダイレクトマーケティングを行う企業では、広告の成功/失敗をCPAやCPO(見込み客または新規顧客一人あたりの獲得にかかる費用)で判断しています。
ところが、いくらCPAの段階では低く効率的に獲得できたとしても、その広告で獲得したお客様にリピートしてもらえてなければ、その広告は収益に貢献したことになりません。
そこで重要なのが、LTVにもとづいた分析です。
ある化粧品通販会社では、WEB・テレビ・折込チラシの3つの媒体(チャネル)に広告を出し、新規顧客を獲得していました。
WEBからはCPO10,000円、テレビではCPO12,000円、折込チラシではCPO15,000円で、獲得できていました。
折込チラシはCPOが高いので、出稿をやめようという議論が社内で出ましたが、廃止の判断をしてよいのでしょうか?
ここで、それぞれの獲得媒体ごとにLTVを分析してみました。
その結果は、WEBから獲得した顧客のLTVは33,000円、テレビからは30,000円、折込チラシからは40,000円。
折込チラシから獲得した顧客は、お金に余裕のあるシニア層が多かったからでしょう、LTVが他の媒体と比べて高いという結果が出たのです。
そこで、この化粧品会社では、折込チラシは他の媒体と比べて多少CPAが高くなっても、出稿を継続するという判断をしました。
このように媒体以外でも、さまざまな変数にもとづいてLTVを算出すると、その分析結果を新規顧客の獲得に活かすことができます。
たとえば、顧客の年齢・性別や初回購入月などによってLTVを算出すれば、注力して獲得するべき顧客ターゲット像や広告投資を集中するべき時期が見えてくるでしょう。
また決済手段ごとにLTVを比較すると、「クレジットカードの顧客は、LTVが高い」という結果が出る企業が多いのですが、クレジットカードへの支払いを推奨することによって、LTVを高められます。
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方法2:CRMでも、LTVを最終的な指標としてA/Bテストを実施
続いて、CRMでのLTVの活用法です。
ダイレクトマーケティングを徹底的に実施している業界、たとえば化粧品や健康食品など「単品リピート通販」と呼ばれる業態の企業では、さまざまなCRM施策を実施しています。
具体的には、新規顧客にリピート購入してもらうために、ステップメールや商品同梱物・DM、アウトバウンドコールなどを工夫していますが、その効果検証の指標としてLTVを用いることができます。
先ほど例に挙げた化粧品会社では、定期購入をしているお客様の継続率が低く、LTVが高まらないのが課題でした。
そのときに、「新規顧客に7回連続で送っているステップメールで、商品の良さが伝わっていないのでは?」という仮説を立てます。
そこで、ステップメールの内容を新たに作り直しましたが、新しいバージョンをすべてのお客様には送らずにA/Bテストをしました。
定期コースに入会したお客様をA・B半分ずつに分けて、Aの顧客群には従来のステップメール、B顧客群には新しく作ったステップメールを送ります。
最終的にAの顧客群ではLTVが40,000円でしたが、Bの顧客群ではLTVが42,000円と高くなりました。※
したがって、ステップメールを新しく作り直した施策は、成功だったと判断できます。
今度はすべての顧客に、新しいステップメールを送っていけばよいのです。
同じように、同梱物やアウトバウンドコールなどその他のCRM施策も、最終的にはLTVにもとづいて成否を判断できます。
※詳しくは後述しますが、LTVを算出するまでには長い期間がかかるので、実際には「3回目までの離脱率」や「平均継続回数」など、LTVと相関する中間指標をもとに可否を判断する場合が多いです。
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LTVアップの事例・ノウハウ記事をまとめました
これまで見てきたように、LTVはダイレクトマーケティングを行う企業にとっては重要な指標です。
LTVにもとづく効果検証・改善施策を進めることで、売上を伸ばすことが十分に可能です。
最後に、これからLTVを活用していこうという企業にとって、参考になる記事をまとめました。
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