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選択肢を絞る ―お試し商品からの引き上げで「迷わせない」設計1―

「無料サンプル」や「トライアルセット」など、お試し商品からの引き上げ。
CRM施策が上手と言われる通販会社の商品を購入して、DMや同梱物、アウトバウンドなどを調査すると、お客様を「迷わせない」設計の重要性が分かりました。
「迷わせない」ための秘訣の1つ目、「選択肢を絞る」をテーマに解説します。

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
解説資料はこちら
 
 

「デパート型」の化粧品と、「単品型」の健康食品

 

化粧品のカタログやDMで多いのは、「デパート型」です。

 

トライアル商品が届いた次月から、毎月会員誌が送られてくるのがフォローの基本です。

 

カタログに、クレンジング、ローション、クリームなど数十種類もの商品が表示。
一つ商品を購入したお客様に、今度はラインナップで揃えてもらうようにという狙いでしょう。

 

一方、健康食品で多いのが、別の記事(お試しからの「引き上げ」、秘訣は「迷わせない」設計?)でご紹介したような「単品型」フォローです。

 

使われるメディアは、同梱物・DM・アウトバウンドなどさまざま。

 

そのなかで、価格帯や数量などバリエーションをつけながらも、基本的に同じカテゴリの商品がトライアル購入直後には薦められます。

 

 

会報誌

 

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商品の品揃えを減らすだけで、購入者が10倍に

 

1つの商品を提示されたときと、複数の商品を並べられたとき、単純に比較すると、いったいどちらの方が買ってもらいやすいのでしょう?

 

もちろん、商材や顧客属性など条件によって異なると思いますが、心理学の世界では、「選択肢は少ない方が売れやすい」という傾向が知られています。
これを確かめるために行われた実験を、以下に載せました。

 

 

高級スーパーマーケットのなかに、2箇所の試食コーナーを設けました。
そのうち1ヶ所には6種類のジャム、もう1ヶ所には24種類のジャムを置いたところ、売上はどちらの方が大きかったでしょうか?
答えは、6種類の方に軍配が。24種類の方が立ち寄った人の3%しかジャムを買わなかったのに対して、6種類の方は30%もの人が買ったそうです。
(出典:Iyenger&Lepper(2000))

 

 

とはいっても、いざDMやカタログを作るとなると、
「せっかく届けるのだから」
「これも売らなければ」
とたくさんの商品を載せる必要が出てくるかもしれません。

 

特に化粧品の場合、先ほど説明したように多くの品揃えを並べてトライアル購入者に別の商品も買ってもらえるように誘導したいところ。

 

そんなとき、複数の商品を載せつつ、1つの商品に迷わせずに誘導する設計が上手だなと思ったDMを見つけたので、ご紹介します。

 

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化粧品のダイレクトメール、2種類の商品の魅せ方

 

ある化粧品のトライアル商品(クリーム)を購入後に届いたDMです。

 

四つ折りの圧着ハガキを開くと、左側に登場するのは、ローション(A)とクリーム(B)の2種類。
これらが2ステップということで、並列で掲載されています。

 

そこで右側に目を移すと…大きく登場するのはローションの写真。
そのうえで300円の割引が、「30日間限定」のお試し特別価格ということで表示されています。

 

圧着ハガキ

 

これを見たお客様の心理から考えてみると…
DMを開けるとまず目に入るのが、2つの商品。

 

2つともほしいけど、どちらも買うとなると高いし…と迷う方かもいらっしゃるかもしれません。
そこで、ふと視界の隅に入ってくるのが、ローションの割引価格。(これをA’とします)

 

お客様のなかでの気持ちの天秤が、仮に「ローション(A)=クリーム(B)」だったとすると、割引(A’)という要素が新たに加わったことにより、魅力度は「A‘>A=B)となります。

 

このDMは、ローションを買ったお客様に、クリームもクロスセルしようという狙いと思われます。
「A’(ローション)がお得」という答えが明確に提示されると、迷っていたお客様も注文へと決断をしやすくなるかもしれません。

 

買おうかどうか、またはどちらにお金を使うか、迷っている人には踏ん切りをつけやすくするような見せ方です。

 

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 「次はこのセット」と階段を上りやすいように

 

先ほどの事例では1つのDMのなかで優先順位が示されていますが、サンプル請求からDMまでの一連の流れで同じことを行っている例を紹介します。

 

ある化粧品は、無料の「3日間お試しサンプル」から始まります。

 

そこから「次はこのセット」「その次は…」と薦める、つまり迷わせずに代わりに選んであげることで、お客様を購入点数の多いロイヤル顧客へと階段を上ってもらう設計が上手なのです。

 

無料サンプル請求のみの顧客へのフォロー

 

詳しくその跡をたどっていくと、サンプル到着から10日後に届いたDMに「基本4点お試しサンプル」が同封され、「基本4点セット」の案内が載っています。
続いてのDMでも買わないでいると、3ヶ月後には「基本4点お試しサンプル」が再度送られてきます。

 

一方、基本4点サンプルを購入した場合はというと。
続いて届くのは、「おでかけ7点キャンペーン」のDM。

 

「初めての購入で○○○○○基本4点セットをお買い上げの方にお贈りいたします。
キャンペーンの期間はお試しセット申し込み日から30日以内です」という形で、無料サンプル→基本4点おでかけ7点と徐々にステップアップするような顧客育成フローが設けられています。

 

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クレンジングを購入すると、ロイヤル顧客になりやすい?

 

ある化粧品のトライアルポーチを購入したところ、
「トライアルセットご購入のお客様だけに感謝を込めて。限定プレゼント!!」と題して、
別商品の「○○○オイルクレンズ」(ミニサイズ)が同梱されていました。

 

その2 2日後に届いたのが、同じクレンジングオイルのD Mです。

 

「Thanks キャンペーン」と題して、20%OFF(30日以内)の特典を表示。
クレンジングを使ってもらった方に、本商品に引き上がってもらおうとする意図が見られます。

 

化粧品の場合、同じように「クレンジング商品から売る」という例が多くありますが、どうしてでしょうか?
顧客データ分析を行っていくと、ある特定の商品を買ったお客様の購入金額が大きくなる、という相関関係が見つかる場合があります。
(本ブログに掲載しているケーススタディ「顧客が増えているのに、売上減少・・・なぜ?」をご参照ください)

 

クレンジングオイルの場合は、短期間に効果が実感しやすいからでしょうか。
過去にも同様に、これを買ったお客様がロイヤル顧客になりやすいことが判明、そのためDMやインバウンドなどで集中的にこの商品に誘導して成功したという事例がありました。

 

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他商品へのスイッチを促す

 

一方、売り手の思惑どおりに階段を上ってくれないお客様にはどのようにアプローチしていけばよいのでしょう?

 

ある美容サプリメントの無料サンプルを請求したところ、サンプル到着の10日後、42日後、59日後に本商品購入を促すDMが続々と届きます。
それでも何も反応せずにいたところ、DMは途絶えてしまいました。

 

一方、3回目のDMから本商品を購入して、その後には何も注文せずにいたところ、今度は違う商品のDMが次々と届くようになりました。

 

違う商品のDM

 

 

このように、トライアル購入直後は徹底して単品での引き上げを狙い、本商品の購入が1回で終わってしまったお客様には、クロスセルをはかるという戦略をとっている会社もあります。

 

化粧品・健康食品10社の顧客フォロー一覧

 
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