チラシ集客を成功させるためのポイントは、ターゲットの明確化やひと目で内容を伝えることです。メリットとして、特定の地域に向けて発信できること、信頼性の高さなどが挙げられます。チラシ集客のポイントやメリット、反響率の計算方法、成功事例をくわしく解説します。
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チラシ集客のメリットとは
チラシ集客のメリットは主に3つですが、チラシの種類によって配布方法が異なるため、メリットも多少異なります。
以下のチラシ4種類を踏まえて、どの種類のチラシにどのようなメリットがあるのかを理解しましょう。
- 新聞折込チラシ:新聞に挟み込んで配布するチラシ
- フリーペーパー:主に、駅などに設置した棚から無料で持ち帰ってもらうチラシ・情報誌
- ポスティング:個人宅や事務所のポストに投函するチラシ
- 同封(同梱)広告:カタログや商品などを顧客に届ける際に同封・同梱するチラシ
特定の地域に向けて情報発信を行える
1つ目のメリットは、特定の地域のみに絞って集客を行える点です。特定の地域に住んでいる消費者に向けて自社商品の認知度を高めたい場合や、地域密着型のビジネスを新しく展開したい場合に適しています。
なお、チラシの種類に応じて配布できる地域の範囲は異なります。たとえばフリーペーパーやポスティングの配布範囲は町単位である一方で、新聞の折込チラシは地域単位であることが一般的です。
「全国区・地方単位で情報を発信したい場合は新聞折込チラシ」、「店舗近くの顧客に限定して情報発信したい場合はポスティング」などと、目的に応じて種類を使い分けることで、より集客効果を高められるでしょう。
信頼性が高い
主に、新聞折込チラシと同封広告のメリットとして「信頼性の高さ」があります。
新聞折込チラシの場合、信頼性の高いメディアと認識されている新聞と一緒に届くため、チラシ自体も信用してもらいやすくなります。実際「メディアに関する全国世論調査」の、各メディアの信頼度を100点満点で尋ねたところ、インターネットやテレビ(NHKを含む)よりも「新聞」の平均得点が最も高い結果になりました。
出典:「メディアに関する全国世論調査 新聞通信調査会」
同封広告も、カタログや商品などの読者が元々興味を持っているものにチラシを同封するため、配布元が明確で信用しやすくなります。特に、有料会員に届く会報誌では、媒体に対しての帰属意識が高いことが多く、より高い効果が見込めるでしょう。
高所得者へのアプローチに強い
新聞折込チラシのメリットとして、高所得者にアプローチしやすいことがあります。
高所得者ほど新聞を読んでいる割合が多いことがわかっていて、具体的な割合は以下のとおりです。
(※キャリアインデックスの調査より)。
- 1,000万円以上:92%
- 700〜1000万円未満:74%
- 500〜700万円未満:54%
- 300〜500万円未満:56%
- 300万円未満:55%
出典:「「新聞を読んでいる人は高年収」年収・転職 実態調査 vol.1:キャリアインデックス」
300万円未満と1,000万円以上で読んでいる割合は4割弱の差があることからも、高所得者を集客する手段として新聞折込チラシは効果的と考えられるでしょう。
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チラシ集客を成功させるために重要なポイント4つ
チラシ集客を成功させるには、以下の4つのポイントが重要です。
1. チラシ制作の考え方の基礎をおさえる
2. 0.2秒で伝える
3. 訴求をしっかり考える
4. チラシ内に購入・来店の導線を引く
以下で、各ポイントをくわしく解説します。
①チラシ制作の考え方の基礎をおさえる
いきなりチラシ制作に取り掛かるのではなく、集客する際に意識すべきポイントをおさえましょう。重要なのは、「ターゲットとなる顧客を明確化し、それを軸にチラシを制作すること」です。チラシを見る人が「何に悩んでいるのか」や「どんなニーズを持っているのか」を改めて理解することで、チラシの方向性がズレにくくなるでしょう。
どのように考えればよいか、ジムの広告チラシを配布する場合で考えてみましょう。
このジムのターゲットは「健康目的で手軽に体を動かしたい人」です。この場合、器具の性能の高さやプロによる指導などを訴求しても効果は薄く、通いやすさや入会ハードルの低さを訴求する方が効果的でしょう。
ターゲットの年齢や性別、居住地域、ライフスタイルなどの属性が異なれば、悩みやニーズも変わります。ターゲットを明確化せずにチラシを制作・配布すると、「軸がブレた解決につながらないチラシ」になってしまうため注意しましょう。
具体的には、以下の流れで制作します。
1. 自社の商品/サービスの強み、競合の特徴、市場での立ち位置などを知る
2. 1を踏まえて自社が狙うべきターゲットを定める
3. ターゲットの目に留まる訴求を考える
4. 仮説を立てる
5. 仮説をもとにキャッチコピーやレイアウト、画像素材などを決める
各プロセスの詳細は、以下の記事を参照していただければ幸いです。
②0.2秒で伝える
一般的にチラシやWebサイトなどを見た際、ユーザーが内容を判断するまでにかかる時間は「約3秒」と言われていて、興味を持つかどうかは一瞬で決まります。実際にはもっと早く判断されている可能性があるため、弊社では「チラシの内容を0.2秒で伝えること」を重視しています。
0.2秒で伝えるためには、「何を」「どのように」伝えるかを軸に、仮説検証しながら最適な伝え方を探すことが重要です。
ここで言う「何を」とは、商品から得られるベネフィットを約束すること(訴求)です。たとえば「乾燥しないしっとり肌に」といった顧客の悩みを解決できる旨や、「期間限定の特別メニュー」といった特典が当てはまります。
「どのように」とは、訴求の言い回し(キャッチコピー)です。ターゲットや商品に合わせてどの言い回しがより刺さりやすいのかを考えましょう。
たとえば「乾燥しないしっとりとした仕上がり」が強みの商材に興味を持ってもらいたい場合、ポジティブに伝えるなら「自分史上最高のうるおい肌へ」、ネガティブに伝えるなら「お風呂上がりの乾燥がつらい」、「肌がつっぱると感じたあなた、それ乾燥肌です」といった消費者に気付かせるような表現方法もあります。
③訴求をしっかり考える
チラシを構成する要素の中でも、訴求は最も反応率に影響を及ぼします。数字で表すと約50%ほどです。訴求しだいでレスポンスはかなり変わるので、まずは商品・サービスに合った最適な訴求を見つけることが求められます。
訴求を決める際には、まずターゲットが顕在層か?潜在層か?から考えましょう。顕在層は「自身の悩みやニーズを具体的に持っていて、自社商品や類似商品の購入を検討している層」、潜在層は「商品に対するニーズがはっきりしていない層」を指します。
顕在層の場合、悩みや欲しいものが明確なため、悩み解決につながる機能・効果を押し出したり、競合他社に勝っている要素(ブランド力、価格、ストーリー性)を積極的にアピールして差別化を図ったりする方法が効果的です。
一方で潜在層の場合、ターゲット自身の悩みやニーズが漠然としているため解決策や機能性を訴求しても自分ごとと捉えにくいことも。
たとえば、「健康診断でコレステロール値が高いから食事に気をつけてねと言われた」のように注意しなければという意識は持つものの、自身にとって解決しなくてはいけない課題だと認識していない場合、「この悩み、これで解決」といった解決策の提示だけでは、購入に至りません。
この場合、「コレステロール値、このまま放置しておくと、こんなリスクが…」というように、まずは課題として捉え得てもらうことが重要です。課題と認識してもらえば、その後は顕在層と同じく「この悩み、これで解決」といった、解決策の提示で、購入意欲が高まるでしょう。
④チラシ内に購入・来店の導線を引く
販促チラシの目的は売上アップや来店数のアップです。チラシの中で、認知してもらうだけでなく、購入や問い合わせ、来店につながるような導線をしっかりと引きましょう。たとえば通販系の商材ならば、電話番号やQRコードを記載したり、返送用はがきをつけたりすることが効果的です。実店舗ならば、地図や住所を記載すると良いでしょう。
導線を引く際には、読者の視線を意識します。一般的に、横書きチラシの場合は「左上→右上→左下→右下」、縦書きチラシの場合は「右上→右下→左上→左下」の順に視線は移動すると言われています。
視線の流れを考慮して、読み終わる箇所、たとえば横書きの場合は右下、縦書きの場合は左下に導線を設置すると次のアクションにつながりやすいでしょう。
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チラシの効果測定のポイントと計算方法
チラシを使って集客する際には、期待していた効果を得られなかった場合に備えて効果を測定し、内容や配布先が適切かをチェック、改善を図っていきましょう。この章では、チラシの効果を測定する仕組み作りと、効果を表す「反響率」を計算する方法を紹介します。
反応が得やすい仕組みを作る
集客に用いたチラシの良し悪しを判断するために、配布結果をしっかりと振り返ることが重要です。そのために反応が得やすい・分析しやすい仕組みを作る必要があります。以下3つの観点で行うようにしましょう。
1つ目は、数字で反応が分かるようにすること。「なんとなくたくさん集客できた」などの漠然とした所感では、人によって施策に対する評価が変わる上に、チラシの改善を図るのは困難です。「クーポンの利用数」などの定量的な指標を定めた上で効果測定しましょう。
なお、定量的な反応として使える指標には、主に下記があります。
- 電話やメール、Webサイトによるお問い合わせ回数
- クーポンの利用数
- チラシに記載されたQRコードのアクセス回数
- 来店予約の回数
- チラシで紹介した商品・サービスの購入数
2つ目は、ターゲットに応じて反応を集める仕組みを変えること。たとえばインターネットを比較的苦手とする高齢者がターゲットの場合は、WebサイトやQRコードではなく、返送用ハガキの返送数や電話による来店予約を効果測定の指標とした方が、取りこぼしなく施策の反応を集められるでしょう。
3つ目は、「チラシの効果による集客」と「それ以外の施策による集客」の効果をはっきり区別すること。たとえばWebサイトでも集客している場合、チラシとWebサイトのどちらによって集客できたのかが分からなくなるおそれがあります。
こうした事態を防ぐためには、配布するチラシを工夫して、集客効果を区別しましょう。たとえばチラシについているクーポンを来店客に提示してもらったり、チラシに専用のQRコードを設置したりしてチラシの効果を明確にします。
弊社でも、インターネットを苦手としている顧客層向けの商材を除き、チラシにQRコードを記載することがあります。スマホや携帯で手軽に読み込めるためアプローチの幅が広がる点がメリットです。実際に「QRコード付きのダイレクトメールを受け取ったことがある人のうち、約65%がアクセスしている」という調査結果も出ています。
出典:「DMメディア実態調査2021 日本ダイレクトメール協会」
QRコードの設置により反響率を上げるには、「大きく目立つようにする」などの工夫が求められます。より詳しいノウハウや事例は以下の記事で解説しています。
反響率の計算方法
反響率は以下の計算式で算出します。
- 反響率(%) = (チラシの反応数 ÷ チラシの配布枚数) × 100
たとえば6,000枚配布して15件の反応を得た場合、以下のとおり反響率を計算できます。
- (15 ÷ 6,000) × 100 = 0.25%
なお、配布方法によって反響率は変わってきます。各方法の平均的な反響率(1枚あたり)は以下のとおりです。
※こちらは、化粧品や健康食品でオファー1,000円のチラシを封入したケースです。
配布方法 | 平均の反響率(1枚あたり) |
---|---|
同封(同梱) | 0.1% |
新聞折込 | 0.03% |
新聞掲載 | 0.01% |
フリーペーパー | 0.01% |
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チラシ集客の成功事例
ここまでは、チラシ集客の効果を高めるコツや効果測定の方法を解説しましたが、ビジネスモデルや顧客層によって、効果を出すために最適なチラシは変わります。コツや効果測定の方法を知っていたものの、「実践しても思うようにいかない」、「目標に到達しなかった」経験がある方もいらっしゃるでしょう。
そこで、実際に弊社が支援した中で、集客効果を高めることに成功したケースを紹介します。
ABテストを繰り返してチラシの効果が3倍に
このケースでは、3回のテストを繰り返すことで、費用対効果を着実に改善しました。
1回目は、「効果効能」と「新成分」の2つの訴求内容をテストしました。テストの結果、新成分を訴求したチラシの方が、効果効能を訴求したものと比べて、2倍もレスポンスが高いことが判明しました。また、広告紙面にターゲットの「40代サラリーマン」のビジュアルを載せていたにもかかわらず、60代や女性の購入割合が高かったという意外な事実も明らかに。
そこで2回目は、ビジュアルとサブキャッチコピーをターゲット別に変更し、レスポンスへの影響をテストしました。その結果、40代サラリーマンをターゲットにしたものと比べて、60代サラリーマンを対象としたものは2.5倍もレスポンスが向上。その後、3回目のテストでは「説得要素」を図解イラストや有名人愛用者コンテンツなどに差し替えることで、レスポンスの改善が見られました。
上記3回のテストを重ねることで、最終的には当初の3倍にも費用対効果が改善できました。
以上のとおり、チラシによる集客を成功させるには、複数回テストを重ね、「仮説検証→改善」を繰り返すのが効果的です。
弊社では通販企業を対象に800社以上の販促チラシの制作を支援してきました。通販事業における広告制作や運用についてお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
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