インフォマーシャルの費用には、制作費と媒体費があります。制作費の相場は200〜700万円、媒体費の相場は最低で150〜300万円です。インフォマーシャルの費用に関する内訳や目安、安く抑えるコツを解説します。
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目次
インフォマーシャルとは
はじめに、インフォマーシャルの意味やテレビCMとの違いを解説します。
インフォマーシャルの意味
インフォマーシャルという概念は、アメリカで「テレビショッピングのツール」として生まれました。そのため、広告の現場では「注文や問い合わせなどのアクションを促す目的で放送するテレビCM」をインフォマーシャルと呼んでいます。
インフォマーシャルは「商品の特徴や利便性を詳細に説明し、具体的な知識を消費者に提供することで、商品への理解を深める目的で活用する広告手段」と定義されています。
「information(情報)」と「commercial(コマーシャル)」が結びついた造語です。
(日本大百科全書より)
一般的なテレビCMとの違い
広義の意味において、インフォマーシャルはテレビCMの一種です。ただし、広告の現場では「テレビCM」と「インフォマーシャル」を別物として考えます。大きく2つの違いがあるためです。
1つ目は長さ。テレビCMの長さは15秒〜30秒であるケースがほとんどです。一方で、インフォマーシャルでは一般的に1分〜1時間弱の尺で放送されます。
2つ目は導線設計です。テレビCMでは、ブランドイメージの定着・向上、認知度向上を目的として、主に商品名や機能を紹介します。一方でインフォマーシャルでは、「その場での問い合わせ・購入の促進」を目的とします。そのため、開発秘話や愛用者の声などを紹介したり、見た人がすぐ購入できるよう割引価格や電話番号などを盛り込んだりします。
尺の長さ | 目的 | |
---|---|---|
テレビCM | 15~30秒 | ブランドの認知度向上 |
インフォマーシャル | 1分~1時間弱 | 問い合わせ・購入申し込みの獲得 |
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インフォマーシャルにかかる費用の種類
インフォマーシャルでは、制作費と媒体費の2種類の費用がかかります。この章では、各費用の意味や内訳を解説します。
制作費
制作費とは、インフォマーシャルの番組(動画)を制作する際にかかる費用です。具体的な費用は以下の3種類です。
- 撮影費:撮影スタッフの人件費、ロケ代、撮影スタジオ代など
- 出演料:番組の出演者に支払う報酬
- 編集費:編集スタッフの人件費、編集用スタジオ代など
媒体費
媒体費とは、インフォマーシャルの広告を出稿するために、媒体(主にテレビ局)に支払う費用です。主な媒体として、地上波(キー局)やCS・BS、独立U局、ケーブル局などが挙げられます。
もし、インフォマーシャルの内容を考え企画してくれるプランナーを雇う場合には、プランナーへの報酬も発生します。
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インフォマーシャルにおける制作費の相場・目安
テレビ通販番組の制作には、撮影から編集まで一般的に数百万円かかります。
ただし、同じインフォマーシャルでも出稿する番組の内容や時間、出演者などによって最終的な費用は大きく異なります。
目安として、短尺(60秒から300秒程度)では200〜400万円、長尺(14分〜29分程度)では500〜700万円がかかると覚えておけばよいかもしれません。
※上記の広告予算と制作期間はあくまで目安になります。放送する局や曜日・制作期間は台本の企画次第で大きく変わります。
初期費用としてかかるのは、撮影費に出演料、スタジオ料金など。番組が完成した後も、編集する場合はその都度費用が発生します。それぞれの内訳を見ていきましょう。
撮影費
撮影に必要なスタッフを動かす費用です。カメラマンや照明・音声スタッフ、ディレクター、プロデューサーなど、専門職でかかわる人数も多いので、料金が割高になる傾向があります。
これらのスタッフが稼働する日数によって、費用は変動します。最短では1日間から長い時には4日間かけて撮影することもありますが、1日あたり80〜100万円はみた方がよいでしょう。
なお、人件費に加えて、インフォマーシャルを撮影するスタジオの使用料、ロケ代なども発生します。
出演料
次に、愛用者やモニター、ナレーターの方などに支払う出演料です。
タレントや有名人に出てもらう場合は高いフィーが発生することが多いですし、一般のお客様の場合は安価に出てもらえる場合もあります。料金は出演者によって大きく異なります。
たとえば人気タレントを起用する場合、最低でも1,000万円〜2,000万円以上の出演料を要する可能性があります。
他にも「イメージモデル」と呼ばれるイメージ映像だけに出てもらうモデルの方が必要となる場合も多くあります。
たとえば、「髪の毛が薄くなっている」など悩みのシーンに登場してもらう「ネガティブモデル」や、「キレイな肌」にフォーカスして登場する「ビューティーモデル」など。
効果的な映像をつくるため、さまざまな方が登場しています。
編集費
最後に、撮影した映像を編集するための費用です。映像に効果音や音楽、ナレーションなどを加える「MA」と呼ばれる工程に活用されます。ナレーターや編集者など専門的なスキルをもった人材が必要となります。
また、テレビ放映に耐えうる映像を編集するためにはPCなどの編集ソフトでは不十分なため、専用の機材があるスタジオを借りる料金もかかります。
番組が完成した後も、枠の時間に合わせてまたはテスト的に編集する場合は、その都度編集費が発生します。一部のシーンを修正するだけで、数十万円がかかることも少なくないので、注意しましょう。
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インフォマーシャルにおける媒体費の相場・目安
次に、媒体費の相場についてです。媒体費は、「放送局」と「広告枠」によって相場が変わってきます。具体的にどういうことかそれぞれ解説します。
放送局別の費用目安
制作費はある程度の目安があるのに対して、媒体費は放映するテレビ局や曜日・時間帯など、どの「枠」で放送するかによって大きく異なります。
視聴者が限られている「CS局」や「独立U局」は費用をおさえやすいですが、地上波(キー局)をはじめとして視聴者が増えるほど、料金が高騰していきます。
初期に広告費をできるだけ抑えてテストしたい場合は、CS局を中心に 1ヶ月に150〜300万円程度からスタート可能です。インフォマーシャルに力を入れている企業では、地上波(キー局)まで広げて1ヶ月に3〜5億円を投入する場合もあります。
広告枠別の費用目安
テレビ局の広告枠には、「タイム」と「スポット」の2種類があり、同じ媒体でも費用が変わってきます。
タイムとは、広告主が番組のスポンサーとなった上で、番組の放送時間中にインフォマーシャルを放送する形式です。インフォマーシャルを流す番組を事前に決定できる点が特徴です。
一方でスポットとは、放送される番組はランダムでおよその時間帯のみを指定して放送する形式です。タイムと異なり、広告を流す番組は指定できず放送したい枠数のみを購入します。
インフォマーシャルの費用は、番組を指定できるタイムの方が高くなります。初めてインフォマーシャルを放送する場合や、コストを抑えたい場合には、スポットを選ぶことがおすすめです。タイムは、視聴者層が定めやすく購入率も上がるのでインフォマーシャルで当たる訴求やcmが作成できたら検討してみてもよいでしょう。
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インフォマーシャルの費用を抑えるコツ
インフォマーシャルは、制作費・媒体費ともに数百万円規模の初期投資がかかります。これまでWeb広告や紙媒体をメインとしてきた通販企業にとっては、なかなか踏み出せないことも。
そこでこの章では、初めてインフォマーシャルに挑戦する企業がインフォマーシャルの費用を抑える4つのコツを紹介します。
キャラバン型を活用する
1つ目は、キャラバン型のインフォマーシャルを活用することです。
キャラバン型とは?
キャラバン型とは、単独のスポンサーが広告を出稿するのではなく、複数の企業が集まって「協賛」という位置づけで、各企業の商品を紹介する番組形式のことです。テレビショッピングで、芸能人などが次々と商品を紹介していく、情報番組風の映像とお伝えすると思い浮かびやすいでしょう。
単独インフォマーシャルとの費用の違い
単独インフォマーシャルは、出演者や撮影場所などゼロから企画して作り上げます。したがって、広告主の要望に柔軟に対応できる反面、制作費用が高くなる傾向があります。
単独で制作する場合の制作費は、
- 短尺(60秒から300秒程度):200〜400万円
- 長尺(14分〜29分程度):500〜700万円
がかかります。
一方キャラバン型では、スタジオを1日借りきり、5〜8社分の映像を一度に撮影します。そのため出演費やスタジオ代などをおさえて安価に制作でき、200〜300万円でおさまるのが一般的です。また、芸能人や有名人のキャスティング費用も複数社に分散されます。
このキャラバン型の費用をさらに抑えて、100〜150万円程度の初期投資でチャレンジできるプランを弊社では用意しています。ご興味がある通販企業の方は、詳しくはお問い合わせください。
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短尺のインフォマーシャルから制作する
短尺のインフォマーシャルは、制作費が安いため全体的な費用を抑えやすくなります。
ただし、尺が短いほど伝えられる情報量は減るため、「短い時間でいかに購買意欲を高めるか」が不可欠です。具体的なノウハウを2つ紹介します。
商品の成分や素材などを解説しすぎないこと
1つ目は、成分や素材に関する解説を最低限に抑えることです。
視聴者は、成分や素材の詳細にはあまり興味を示しません。そのため、長い尺を使って成分や素材を詳しく解説しても、お問い合わせや注文数の増加にはつながりにくいでしょう。
したがって、「良い成分がいっぱい入っている」「なんか効きそう!」などと、商品の優れた部分が伝われば問題ありません。
「今だけのお得感」をアピールする
2つ目は、「今だけ、お得に購入できる」ことをアピールする手法です。
テレビ通販で購入するお客様の多くは “衝動買い” です。そのため、放送中や放送直後に注文したくなるような仕掛けが必要です。「今から30分以内の限定価格」と伝え、「今電話で注文しないと損する(または、手に入らない)」と思ってもらうことで、放送中または直後の注文を促します。
電話番号や価格などその場での注文に必要な情報を強調し電話をかけてもらえるようにしましょう。
独立U局やCS局でスモールスタートを図る
前述のとおり、視聴者が多い放送局(地上波など)であるほど、媒体費は多くなります。そのため、最初は独立U局やCS局などの比較的費用を抑えられる媒体からスタートすることがおすすめです。
視聴者が少ないため、地上波と比べるとリーチ数は下がりますが、少ないコストで出稿できます。小規模な放送局からスタートし、テストをしながら徐々に拡大していくことで、初期コストを抑えながら集客できるでしょう。
冒頭のABテストを行う
インフォマーシャルの制作費を抑えるためには、冒頭シーンのABテストの実施が重要です。
紙やWebでは、初回は訴求が全く違う方向性のものをテストすることもあります。しかし、基本の制作費が高いインフォマーシャルでは、大きく異なるクリエイティブを複数制作するのは難しいでしょう。
そこで、効果に直結する冒頭部分をピンポイントでテストすることがおすすめです。この部分のみを2パターン用意・テストすることで、全てのシーンをテストする場合と比べて、費用を抑えつつ効果検証できます。
ABテストの具体的なやり方や費用対効果は、以下の記事で詳しく解説しています。
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インフォマーシャルのメリット
インフォマーシャルのメリットは以下の3つです。
1. 広告への反響がリアルタイムでわかる
2. 番組や出演者が信頼性や親和性を高める
3. 多くの視聴者にアプローチできる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
広告への反響がリアルタイムでわかる
1つ目は、電話やWebでの注文数を通じて、広告の良し悪しをリアルタイムで把握できる点です。リアルタイムで効果を把握することで、広告出稿の成否や改善の必要性を判断できます。
改善が必要な場合は、広告の「尺」や「番組」「時間帯」などを変えながらテストして費用対効果が高い組み合わせを見つけていきましょう。40代〜60代向けの女性の商品を例に挙げると、他の番組から韓流ドラマに出稿先の番組を変更したことで、費用対効果が1.5〜2倍になった事例もあります。
「リアルタイムで効果を確認→尺や番組を変えてテスト→効果が最大化されるパターンを見つけ出す」という流れでPDCAを回せます。
番組や出演者が信頼性や親和性を高める
信頼性や親和性の高さもインフォマーシャルのメリットです。
たとえば全国区の有名番組で広告を流すことで、番組の権威性からインフォマーシャルの内容自体も信頼されやすくなります。
また、ターゲット顧客に人気があるタレントの出演番組に広告を出稿することで、商品やサービスに親しみやすさを持ってもらえます。信頼や親しみやすさから、購入されやすくなるでしょう。
多くの視聴者にアプローチできる
メリット3つ目は、リーチ数の多さです。
たとえば全国放送の番組であれば、日本全国の視聴者に向けて放送できます。地方局だとしても、その都道府県やエリアの視聴者が対象となるため、リーチ数は相応に多くなります。
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インフォマーシャルのデメリット
メリットだけでなくデメリットも考慮した上で、インフォマーシャルを活用するかどうかを検討することが重要です。インフォマーシャルには、以下2つのデメリットがあります。
1. 他メディアよりも費用が高い
2. コールセンターの準備が別途必要となる場合もある
それぞれのデメリットを詳しく解説します。
他メディアよりも費用が高い
前述したように、制作費や媒体費に多額のコストがかかる点はデメリットです。可能な限りコストを抑えたとしても、最低500万円前後※の予算は必要となるでしょう。※キャラバン型を除く
ただし、視覚と聴覚からの情報伝達が可能なことや信頼性を高めやすいこと、リーチ数の多さなど、メリットは多いです。そのため、費用が用意できる場合は、試してみる価値があると弊社は考えています。
インフォマーシャルの費用や運用について疑問や悩みを抱えている企業様は、ぜひ弊社にご相談いただけますと幸いです。
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コールセンターの準備が別途必要となる場合もある
インフォマーシャルでは、基本的にリアルタイムで注文を受け付けます。
今も多くが電話注文のため、コールセンターが必要になります。コールセンターを外注する場合は追加の費用がかかりますし、自社で行う場合もスタッフの確保や育成、マニュアル作成などにも労力を要するでしょう。
弊社では、インフォマーシャルの番組制作から広告枠の買い付け、健康食品や化粧品などの単品通販・D2C企業を中心にお手伝いしています。
コールセンターの用意がない、といった企業様もお気軽にご相談ください。
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インフォマーシャルの費用まとめ
インフォマーシャルの出稿には、制作費と媒体費という2種類の費用がかかります。起用するタレントや出稿先、出稿形式などによって、費用の目安は大幅に変わってきます。
効果が大きいものの、比較的費用がかかる手法であるため、少額で実施できる局からのスモールスタートで進めたり、効率よく拡大できるよう初回からABテストを行うようにしましょう。
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