インフォマーシャルでも反響を左右するのは、クリエイティブ。
売れている番組の構造を分解すると、共通するパターンがあることに気づきます。
4つの構成にしたがって、番組制作時に頭に入れておきたい原則をまとめました。

インフォマーシャルを始めるために押さえておきたいポイントをまとめました。
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目次
なぜ、「売れない番組」を制作してしまうのか?
インフォマーシャルを初めて実施する企業のご担当者から時折ご相談いただくのが、「ドラマ仕立て」の番組を制作したいというご要望です。
ドラマ仕立ては、テレビCMや「再現VTR」などで、なじみのある構成。
しかし、このドラマ仕立てで番組を制作してもテレビ通販では「売れない」ことが、過去の結果から証明されています。
なぜ売れないのでしょうか?
それは、視聴者にとって「自分ごと化」しないからです。
インフォマーシャルでつかみの肝は、いかに「この悩み、私のことを言ってる!」と実感してもらうか?です。
「ドラマ仕立て」では、視点が客観的になってしまうため、「自分ごと化」しないのです。
このように、テレビ通販では何十年にもわたるテストで積み上げられてきた知見をもとに、売れる番組の作り方が蓄積されてきました。
売れない番組を作ってしまう理由の一つは、過去のテスト結果に学ぼうとしないからです。
特に化粧品や健康食品など単品リピート通販で、最近の傾向を踏まえて“鉄板”とも呼べる4つの構成パターンと、それぞれのパートでの注意点を解説します。

インフォマーシャルの“鉄板”4つのパート
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パート1:「ポジティブ」VS「ネガティブ」、どちらの反応が良い?
インフォマーシャルの構成は、「問題提起」「商品紹介」「裏付け」「クロージング」の4つのパートに分類されます。
1つ目の「問題提起」で大事なのが、先ほども説明したように、いかに「この悩み、私のことを言ってる!」と自分ごととして捉えてもらうことです。
問題提起のパートは、「ポジティブ訴求」と「ネガティブ訴求」の2種類があります。
ネガティブ訴求では、「最近、●●になってきた…」「●●でお悩みのあなたへ」「●●なんて無理と思っていませんか?」「●●で損をしてませんか?」といった問いかけで、悩みを深堀りしていきます。
対してポジティブ訴求では、悩みを示しつつ「~したら●●できた!」「私でも●●できた!」「若くみられたんです!」「●日で実感!」「●●教えます!」などのフレーズで、悩みが解決した明るい未来を見せます。
「ネガティブ訴求とポジティブ訴求、どちらが良いですか?」という質問もよくいただきます。
答えは、多くの商材では「ネガティブ訴求」の方がレスポンスが良い傾向があります。
ネガティブ訴求で一般的なのは、「私の悩みについて、言っている!」と注目してもらうこと。
たとえば膝関節に痛みを抱える方が愛用する健康食品なら、「坂道」や「階段」など歩くのに不自由を感じたシーンを思い描いてもらいやすい描写をします。
また化粧品なら、”鏡に頬を近づける表情をグレートーンで、さらに沈んだ効果音で演出”など、一人称視点のカットで、注目を集めます。
「最初の10秒間」で、いかに視聴者を惹きつけるか?がポイントです。
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パート2:大事なのは、成分や素材を「解説しすぎない」こと
2つ目のパートは、製品紹介です。
製品紹介でよくやってしまいがちなのは、「○○を100mg配合!」や「△△から生まれた新成分」など、成分や素材について詳しく説明しすぎてしまうことです。
視聴者に関心があるのは「私の悩みが解決するか?」、成分や素材自体の詳しい説明自体に興味がある方は多くはありません。
さらに、文字で説明を読むことができるWEBや紙媒体と比べて、複雑なことは伝えにくいという、映像メディアならではの事情があります。
したがって、「良い成分が、たくさん入っている」「なんかすごそう!効きそう!」が伝われば、それで十分です。
そのために、数字の比較グラフや実験の映像などで視覚的なインパクトに訴えるのがポイントです。
(参考)「『有名成分』『実験』『体験談』、3つの比較でレスポンスを上げる方法」
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パート3:「愛用者の声」は、リアルにこだわる
3つ目は、製品が効果的という「裏付け」、具体的には「愛用者の声」です。
せっかくの声も、言葉にリアリティがなかったり、言葉と実際の肌にギャップがあったりと、説得力のない残念な声になってしまっていることも見受けられます。
視聴者が感情移入してしまうようなリアルな声と、何が違うのでしょうか?
残念ですがありがちなのは、「愛用者」があまりきちんと商品を使っていないケースです。
たとえば有名人が2〜3回製品を使っただけで、使い心地をコメントする場合がありますが、日常的に使わないで話していることは、視聴者に見抜かれてしまいます。
(参考)「『愛用者の声』、視聴者には“本音”を見破られる?」
したがって、商品を実際に長年購入してくださっているお客様に出演してもらうとよいでしょう。
有名人やモデルに出演してもらう場合でも、必ず2〜3ヶ月は商品を使ってもらうことを出演の条件としましょう。
なお愛用者の声は、2~4名ほど撮影して「撮りだめ」しておきましょう。
「どの人の声を使うか?」しだいでレスポンスが変化する場合もあるので、テストできるように準備しておきます。
また番組の尺しだいで、放映できる人数が増減することもあるので、調整できるようにしておきます。
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パート4:「今しかない」を演出して、電話を鳴らす
最後に、視聴者に商品の購入を申し込んでもらうクロージング、一般的な広告における「オファー」です。
インフォマーシャルで他の媒体と比べて特に大事なのは、「今しかない」と訴えること。
「初回限定」「テレビ通販限定」などでお得な割引価格を提示したり、「2個買った方にはもう1個」などプレゼントでお得感を伝えます。
保存して後にも検討できるWEBや紙媒体とは違って、テレビでは放映している時点で注文しないと、忘れられてしまいます。
そのために「今から30分以内に有効」と時間限定のキャンペーンにしたり、電話で注文が殺到している様子を見せたりして、刹那感を演出します。
このパートでの目標は、「電話を鳴らす」ことに絞った方がよいでしょう。
映像では複雑なことを覚えてもらうのは難しいので、キャンペーン内容などたくさんの情報を流しても、消化不良になってしまいます。
「電話番号」「商品名」「価格」など最低限の情報を繰り返し流して、電話をかけてもらうことを重視するのが得策です。
インフォマーシャルでの受注は、現時点では電話からがほとんどです。
電話をかけてきた方を定期購入に引き上げたり、クロスセルを試みたりなどして、インバウンドをただの受け口ではなくCPO改善に直結する重要なセールスチャンスとして整備しましょう。
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テストをくり返して、自社なりの「売れる映像」を
ここまで4つのパートに分けて、制作に当たって踏まえるべきことを説明しました。
残念ながら実は、この”鉄板”パターンにもとづいて制作しても、一発で売れる番組が作れるか?は分かりません。
商材によって、「尺が短い映像では、売れない」「保湿よりも年齢肌を押し出した方が受ける」など具体的に成功する訴求や演出方法は異なるからです。
大切なのはレスポンス結果を見ながら、仮説と検証を繰り返していくこと。
そのために、テストを重ねるのが大事なのは紙媒体やWEB広告と同じです。
最後に少しだけテストについて解説すると、最もレスポンスに影響が出るのが、「アバン」(Avan Titleの略) と言われる、キャッチの役割をはたす冒頭15秒間程度のシーン。
このアバンを、「愛用者の声」や「座談会」など複数パターンを差し替えられるように制作。
芸能人の方々が出て販売する「キャラバン」など、拡大にともない随時ブラッシュアップしていきます。
(参考)
「インフォマーシャルで制作費用をムダにせず、A/B テストで反響を高める秘訣」
オファーの演出手法でも、「3つ購入すると、全部で33%オフ」(割引)や「2つ購入するともう1つプレゼント」(おまけ)などインフォマーシャルで売れやすい、いくつかのパターンを制作するとよいでしょう。
(参考)
「『割引』vs『おまけ』、テレビ通販でレスポンスが高かったのは?」
「レスポンスが32%アップした、“衝動買い”誘発オファーの原則」
「『安いオファーだと、定期誘導率が下がる・・』を解決するために」
ぜひ自社なりのテストを繰り返して、売れる映像を形づくっていってください。
そのときの前提として、今回ご説明した鉄板のパターンをご参考にしていただければ幸いです。
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