既存の顧客リストを活用して売上アップを目指す、休眠顧客の掘り起こし。ところが休眠顧客に現役顧客と同じようなアプローチをとっても、レスポンスが取れずにROI(投資対効果)が悪くなりがちです。通信販売で休眠顧客へのアプローチで気をつけるべきポイントを、「リスト」「メディア」「クリエイティブ」の3点から解説します。
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ポイント1:リストは「RFM分析」に沿って抽出
1つ目のポイントは「リスト」です。
ひとくちに「休眠顧客」といっても、さまざまなお客様がいます。
・顧客A:お試し商品を申し込んだだけで、その後3年間は購入のないお客様
・顧客B:定期購入を1年間続けた後で、7ヶ月間お休みしているお客様
顧客Aと顧客Bでは、Bの方がもう一度商品を購入してくれやすいことは、販売をされている方なら肌感覚として理解してもらえるのではないでしょうか。
「休眠」になった時期やそれまでの購入履歴など、多様なバックグラウンドを持つ顧客リストに、闇雲にDMを送ったり電話をかけたりしても、期待したレスポンスは上がりづらいものです。
レスポンスが高くなりやすい顧客に絞ってアプローチするのが、効率的です。
では、どうすれば「買ってくれそうな顧客」を見つけられるのでしょうか?
休眠顧客にDMを送付するとき、そのリストは「RFM分析」にもとづいて抽出するのが一般的です。
RFM分析とは、最終購入日(Recency)・購入回数(Frequency)・購入金額(Monetary)の3つの軸を用いて、顧客を分析する手法のこと。
特に最終購入日(Recency)からの期間が短く、また購入回数(Frequency)が高い顧客ほど、レスポンスが良い傾向が知られています。
たとえば1回で購入をやめてしまった顧客は、DMを送っても反応があまり良くありません。
お試し商品だけを注文した見込み客なら、なおさらです。
対照的に、定期コースを継続していた顧客や購入回数の多かったロイヤル顧客などは、復活しやすいと言われています。
また最終購入から6ヶ月経ち休眠になったばかりのお客様と、3年間も購入履歴のなかったお客様とでは、前者の方が圧倒的にレスポンスが良いでしょう。
特に電話(アウトバウンド)や郵送(DM)など、メールとは異なり1件あたりの費用がかかる手段を用いる場合には、送付対象のセグメントがROIを大きく左右します。
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ポイント2:メール・郵送・電話などから、媒体を選ぶ
リストの抽出と連動して大事なのが、ROIのシミュレーションにもとづいて適切な「媒体」を選ぶことです。
メール・郵送(DM)・電話(アウトバウンド)の3つの手段を見ていきましょう。
メールは配信コストが圧倒的に低いが、レスポンスが上がりづらい
休眠顧客の掘り起こしで最も気軽にチャレンジできるのが、メールです。
一番のメリットは、コストがかからずに配信できること。
1通あたりの配信コストは、(メール配信システムの料金体系にもよりますが)郵送や電話と比べて圧倒的に安いです。
また「最終購入から○ヶ月後に配信」といったルールのもとシステムで配信を設定しておけば、工数もかけずに済みます。
一方デメリットは、レスポンスが上がりづらいこと。
配信コストの低さゆえ、お客様の元には企業から数多くのメールが届いているでしょう。
また、メールアドレスを登録せずにオフラインから購入した場合や、時間が経ってアドレスが無効になってしまう場合など、アプローチできるリストが限られる場合もあります。
特に購入から時間が経ってしまったお客様には、開封すらしてもらえない確率が高くなってしまいます。
たとえば「ポイントの期限の失効」や「誕生日のお祝い」など注目してもらいやすいフックを用いるとよいでしょう。
ダイレクトメールは、圧着はがきでコストを抑えることも
続いて活用されるのが、郵送(DM)です。
ダイレクトメールのメリットは、手にとって見てもらいやすいため、メールと比べてレスポンスが高くなること。
デメリットは、発送にかかるコストが高くなることです。
安価な圧着ハガキを使っても、印刷費や発送代で 1通あたり70円程度はかかることが多いでしょう。
大量のリストに送付する場合には「圧着ハガキ」を活用してコストを抑えるのが一般的です。
一方、過去ロイヤル顧客などリストを絞って送付する場合には、「挨拶状」や「手書き」など、費用をかけてでもクリエイティブを工夫することで、より高いレスポンスを得られるでしょう。
リストとクリエイティブから、コストを調整するようにしましょう。
アウトバウンドは、確度の高いセグメントに絞り込む
また電話(アウトバウンド)が活用される場合もあります。
DMと比べてさらに、レスポンスが高くなりやすいメリットとコストがかかるデメリットがあります。
コールセンターに外注すると、オペレーターの人件費などもかかるので、1件あたり300円程度はみた方が良いでしょう。
「定期継続回数の多かった顧客」や「最終購入から6ヶ月以内」など、確度の高いリストに実施するとROIも計算しやすくなります。
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ポイント3:クリエイティブの工夫で、お客様の“熱”を取り戻す
最後が、「DMのオファー」や「メールの文面」など、クリエイティブの工夫です。
休眠顧客の多くは、購入をやめてから時間が経ち「熱が冷めて」しまっているもの。
そんなお客様に商品を思い出してもらい、「また買いたい!」とアクションを起こしてもらうためには、高いハードルを乗り越える必要があります。
そこでまず重要なのが、いかに関心を持ってもらえるか?
先ほども簡単に触れましたが、たとえば最終購入から1年間といった期限を設けて、「ポイントの有効期限が、もうすぐ切れてしまいます」「定期購入をしていたお客様の割引特典が終了します」といった連絡をする会社があります。
一般的な「売り込み」とは違って、「もったいない!」という気持ちを呼び起こすためか、高いレスポンスが獲れた事例があります。
(参考)「定期離脱「ロイヤル休眠」のお客様が復活した、DMの仕掛け」
また休眠顧客のなかでも、過去に購入頻度や金額などが高かった「ロイヤル休眠」のお客様には、「手作り」や「真心」を感じさせるアプローチも有効です。
手書きの手紙を送付することで、「10%以上」など高い確率で現役客に復活する事例がいくつもあります。
(参考)「10%が復活も!休眠顧客の“掘り起こし”DM・手紙の成功事例」
このブログでは、他にも休眠顧客の堀り起こしの事例を紹介しているので、ご覧になってください。
あなたの会社ならではの、「休眠復活」の成功パターンを見つけ出す。
そのために、今回ご紹介した3つのポイントが役に立てば嬉しく思っています。
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