F2転換率を高める施策には、「期限付きセールの実施」や「同梱物で使い方を説明」などがあります。
弊社が支援した事例では、F2転換を図った施策により、引き上げ率を1.1倍まで高めることに成功しました。F2転換施策で失敗しないためのポイントや施策をくわしく解説します。
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F2転換率をおさらい
F2転換率とは、新規顧客のうち2回目も購入した人の割合です。Fは「Frequency(購入頻度)」を表し、2は「2回目の購入」を表します。3回目の購入に移ればF3転換、4回目の購入に移ればF4転換となります。
通販業界におけるF2転換率の目安は、トライアルから本品購入の場合ならば35%です。もしトライアルと本品の差額が1万5千円以上と価格差が大きい場合でも25%は死守したいラインです。
一方で、初回からトライアルなしで本商品を購入してもらうビジネスモデルの場合は、180日以内に2回目購入する顧客の割合が40%以上になるようにしたいところです。
出典:「ゼロからはじめる通販アカデミー」田村雅樹著
F2転換率の計算方法や詳細については、以下の記事でくわしく解説しております。
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F2転換率が上がった施策7選
弊社が支援してきた中で、F2転換率のアップを実現できた施策を7つ紹介します。
2.同梱物で使い方を伝える
3.体験談で継続するモチベーションを高める
4.季節ごとのキャンペーンや誕生日特典を送る
5.商品の希少性を高める
6.商品への想いや開発秘話を伝える
7.LPのサンクスページからLINEに誘導する
初回購入後に期限付きのセール実施やクーポン配布をする
1つ目は、期限付きのセール実施やクーポン配布です。
「期限内に利用しないともったいない」「今しかないかも」と思ってもらうことでF2転換率アップが期待できます。人は得することよりも「損すること」に対して敏感なため、行動経済学の観点からも有効といえるでしょう。
この施策を行う際のポイントは2つです。
1つ目は、顧客の購買意欲が減退する前(当日〜3日後)に、セールやクーポン配布のメールを送付することです。2つ目は、「またこのお知らせか」とならないように訴求のバリエーションを複数用意することです。
たとえば1回目は『ウェルカムキャンペーン』2回目は『○週間限定割引価格のセール』などといった形で変えることをおすすめします。
セールやクーポン配布に関するメールを送付する際には、まずは開封してもらうことが肝なのでメールタイトルを工夫しましょう。タイトルだけで「限定感」や「特別感」が伝わるか、「利用しないともったいない」と顧客に思ってもらえるかを考えます。
いくつか例文を挙げますのでイメージの参考になれば幸いです。
- ご購入者様のみ!30日間限定の〇〇セット
- 残り10日間、ご購入者様限定の特別価格
- 〇〇様へ△△が1,000円OFF
- 初回購入特典のお知らせ→追加で後日「ポイント有効期限のお知らせ」
- ご優待チケットのお知らせ
同梱物で使い方を伝える
定期購入モデルではスキンケア用品や健康食品など、日常的に使うかつ悩みを解決するための商品も多く、実感が湧かないと解約されてしまいます。同梱物でまずは正しい用法用量を知ってもらえると、効果を実感しやすく、その後の継続率アップにつながります。
よく使われるのが、同梱物やLINEを活用した「使い方ツール」。
使用量や使用方法・手順を画像・文章で伝えて、「商品が余ってしまった」「使い方が間違っていたことで効果が実感できなかった」などの事態を防げます。
ただし、詳しい説明があっても理解しにくかったり、正しい使い方を読むのが手間に感じて読み飛ばされてしまうことも。そこで弊社では、状況に応じてですが、マンガや情報誌風、絵本風などにも取り組み、敷居が低くなるようにしています。
たとえばマンガでは、ストーリー形式で商品を使用した変化を伝えることで、「どんな幸せな未来が待っているか?」をイメージしてもらいやすくなるでしょう。Before-Afterの変化を表現できない商材(ダイエットサプリなど)で効果を発揮しやすいです。
使い方だけでなく、商品を使用する際のウラ技を伝えるのもよいでしょう。
たとえば、顔に使うスキンケア商品で顔以外にも使える場合は紹介するなど、通常とは異なる使い方を「ウラ技」として伝えることで、使用方法のバリエーションが増えるため、便利な印象が増したり、「商品が余ってしまった」という理由で継続購入しない事態を防ぎやすくなります。
なお、同梱物以外にメールを活用して伝えてもよいでしょう。メールで伝える際は、読者に気付きを与えるようなタイトルにして中身を見てもらえるよう工夫します。
<メールタイトルの例>
- もし〇〇(角質ケア、美白ケア、バストケア…etc,)をしなかったら?
- 毎日使用されていますか?
F2転換のアップを期待できる同梱物は、以下の記事でも紹介しています。
体験談で継続するモチベーションを高める
商品を使用した人の体験談を伝える施策も効果的です。
顧客に近い年齢や、同じ悩みを持つ人の体験談を伝えることで、「私と同じような状況の人で、効果が感じられるんだ!」と響きやすくなります。また、「商品使用後の未来」にポジティブなイメージを抱いてもらえると、すぐに効果が出ない場合でも将来への期待感につながり、F2転換率のアップにつながります。
体験談を伝える際に重要なのは、相手の状況に合わせて体験談の内容を選ぶこと。
たとえば初回購入の顧客は、短期的にどんな効果が実感できるのかを知りたがる傾向があります。そのため、何年も使用し続けている顧客ではなく、比較的購入回数が少ない・使用期間が短い顧客の体験談である方が自分ごととして響きやすいでしょう。
同梱物ではなく、メールで体験談を伝える際には、「お客様からのお声をご紹介します。」といった体験談であることをひと目でわかるタイトルにしましょう。
一口に体験談と言っても、伝え方や内容によって効果は大きく変わってきます。こちらの記事で高い効果を見込める体験談の鉄板パターンを紹介しています。
季節ごとのキャンペーンや誕生日特典を送る
F2転換率を高めるには、「次回も購入したい」と思ってもらうことはもちろん、季節のイベントや誕生日を利用して、特別感・限定感を演出して「興味関心を抱いてもらう」ことが重要です。
たとえば夏ならば「夏休み限定セール」、冬ならば「クリスマス特別キャンペーン」など購入意欲が高まっている時期に逃さずキャンペーンを打つとよいでしょう。
また、季節キャンペーンと同様に誕生日特典の送付も効果的です。実際のデータとして自分の誕生日は約4割、配偶者の誕生日は約6割強の人が大切にしたいと回答しています。
出典:「記念日に関する意識・実態調査2021 大和ネクスト銀行」
ただ、季節イベントは他社も力を入れているため、その場で見てもらえるようあえて注文期限を設定したり、具体的な商品を提案したり、ポイント特典をつけるなど見てもらえるような工夫が必要です。イメージできるよう、メールタイトルの例文をいくつか挙げておきます。
- 母の日にお届け可能!ご注文期限〇〇日まで
- 〇〇がお買い得!◯月バースデー特典のお知らせ
- お誕生日ポイントプレゼントのご案内
商品の希少性を高める
商品の希少性を高めることでもF2転換率のアップを狙えます。たとえば、初回購入後に「2回目ご購入の方には限定特典プレゼント」や「期間限定◯%OFF」などで販促を行い。限定感や希少性を醸成します。
一般的に期間や販売数を絞ると、簡単に入手できないものほど需要が高まったり「今買うべきでは?」という心理が働きます。また、「限定」と謳うことで商品の価値が高まりやすくなります。こうした効果により、F2転換率の上昇や利益率のアップなどを見込めます。
メールで訴求する場合は、以下のようなタイトルが考えられます。
- 30%OFF 〇〇様へプレゼント付きの特別なご案内
- 明日まで△△円以上で送料無料
- 販売終了まで残り〇〇です!
商品への想いや開発秘話を伝える
商品への想いや開発秘話を商品パンフレットに入れるのも、F2転換率を高めるためにおすすめです。
一般的なパンフレットには、商品のベネフィットや成分の効能、価格などの「企業目線で伝えたいこと」が主に記載されています。もちろん大事な項目ですが、これだけでは顧客に愛着を持ってもらうには弱いでしょう。
一方で想いや開発秘話を入れると、パンフレットを読んでいる人に対して、「あなたのために開発・提供している商品ですよ」というメッセージを伝えることができます。商品への納得度が高まったり、企業への信頼につながるため、継続的な購入につながります。
具体的に盛り込むと良い項目は、主に下記が挙げられます。
- 開発秘話:どのような想いで、商品を開発したのかというエピソード
- 企業姿勢:どのような理念でものづくりをしているのか
- 顧客ターゲット:どのようなお客様にとって役に立つ商品なのか?どのような人に利用して欲しいのか?
上記の項目を盛り込む際には、顧客目線に立ってわかりやすく伝えることを心がけましょう。
LPのサンクスページからLINEに誘導する
ここまでお伝えしてきたセールやクーポンを提供する施策は、一般的に反応率は高いです。しかし、紹介している商品が顧客にとって買いたいものでなければ、最終的なコンバージョンにはつながりません。
そこで最後の一押しとして役立つのが「LINEのパーソナライズ配信」です。
LINEのパーソナライズ配信は、LINE公式アカウントに登録してもらった顧客に向けて、購入後の心理状態やサイトの閲覧履歴に応じて個別カスタマイズしたメッセージを送る手法です。
弊社が支援してきた事例では、LINEのパーソナライズ配信を始めることで、引き上げ率を約1.1倍までアップすることに成功しました。数万円のコストはかかるものの「既に友だち数が一定いる」「LINEに力を入れていきたい」などの場合はトライしてみても採算を合わせられるでしょう。
以下の記事でLINEパーソナライズ配信のやり方や効果を高めるコツを解説していますので、こちらも参考にしていただけますと幸いです。
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F2転換施策で失敗しないためのポイント
やみくもに施策を行うと「F2転換率が思ったより上がらない」という事態になります。F2転換を失敗させないためにおさえておきたいポイントを4つ紹介します。
初回購入から3か月以内に3回アプローチする
顧客の商品やサービスに対するモチベーションは、初めて購入した直後が最も高く、その後は徐々に下がる傾向があります。
たとえば映像配信サービスでは、F2転換した顧客のうち約60%が30日以内に再購入、90%が60日以内に購入している、というデータもあります。
出典:「マンガでわかるデジタルマーケティング」
顧客のモチベーションが高いうちに、リピートしてもらえるようアプローチを図ることがF2転換を成功させる上では大切です。通販企業では、一般的に初回購入から3ヶ月以内に3回アプローチすることが良いと言われています。
アプローチする際には、「初回購入日からの経過日数」と「購入後の顧客の心理状態」に応じて、アプローチ内容を変えることが重要です。顧客の心理から逆算することで心に刺さる最適な訴求が行えるため、F2転換を図りやすくなるでしょう。
では、どのように顧客心理に応じたアプローチを考えれば良いのでしょうか?
以下の記事では、3ヶ月以内に3回のDMを送るケースを想定して、「何日後にどのような内容を訴求すべきか」をまとめました。
顧客に案内する商品は3つ以内に絞る
F2転換を図るケースに限らず、顧客に案内する商品は3つ以内に絞ることが重要です。理由としては、人は多くのものから1つに絞る際にストレスを感じる傾向があり、選択肢が多すぎると購入率が下がるためです。
また、アイエンガーとレッパーが行った「ジャムの実験」からも、選択肢が多いと購買後の満足度も低下することがわかっています。
出典:「選択肢過多効果 錯思コレクション100」
実際に弊社が商品を購入して行った調査では、通販企業24社が商品数を絞りお客さんに悩まず購入してもらえるような販促の仕組みを作っていることがわかりました。
実際にはケースバイケースであるものの、基本的には商品数を絞ることで、「どれを買うべきか悩むから買うのを辞めよう」と思われてしまうのを防ぐ効果があります。
同じ訴求でアプローチしない
同じ訴求でアプローチしないことも鉄則の1つ。繰り返し同じアプローチを行うと、顧客に飽きられてしまったり、目に留まりにくくなったりする可能性があります。
弊社では、2回目以降と初回で訴求する内容を変えるのをおすすめしています。
たとえば割引価格を2段階にわけて、1回目は「ウェルカムキャンペーン」、2回目は「○週間限定割引」などとすることで、顧客に飽きられるのを回避できる上に、毎回のアプローチに興味関心を持ってもらえます。
ターゲットに沿った訴求を作る
ここまでリピートしてもらうためのノウハウを説明してきましたが、大前提としてターゲットを深く理解し、刺さる訴求・クリエイティブを作ることは欠かせません。
性別や職業などのデモグラフィックデータだけではなく、ライフスタイルや趣味嗜好などのサイコグラフィックデータも活用していきましょう。
弊社では、「いつから・何に悩んでいるのか」「実際に試してきたことはなにか」「今使っている商品で不満に思っていることはなにか」などの顧客インサイトを深堀し、それに沿って自分ごとと捉えてもらえるような訴求を作っています。
たとえば「太りやすくなった」ことを課題と感じているターゲットに対しては、ただ「痩せますよ」だけではなく、「太りやすくなった原因」や「痩せるメカニズム」などを訴求すると説得力が高まり、2回目の購入や継続利用を促しやすくなるでしょう。
商品の継続利用を促す広告の作成方法については、以下の記事でくわしく解説しています。
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F2転換の成功事例
最後に、弊社が支援してきた中でF2転換に成功した事例をお伝えします。
具体的には、以下の流れによるLINEアカウント運用を、ステップメールの配信やオフライン施策(DM送付など)と並行して行いました。
1. お試し購入のサンクスページに誘導ボタンを設置する
2. ボタンからLINE公式アカウントへ誘導し、公式アカウントに友だち登録してもらう
3. 登録してくれたユーザーに対して、1日後・3日後…という形でメッセージ配信を行う
その結果、メール配信とオフライン施策のみを行うケースと比べて、全体の引き上げ率(≒F2転換した割合)を約1.1倍(20%→22.3%)まで高めることに成功しました。
「メールとLINEで引き上がる顧客が重複することはないのか?」や「全体の引き上げ率は変わらないのでは?」という懸念はあったものの、ほとんどのケースでは、全体の引き上げ率が上昇しました。
LINE公式アカウントの運用はF2転換を図る上で効果的な施策です。LINEによるパーソナル配信の方法・コツをくわしく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
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