お客様の生涯にわたって売上の貢献をみるLTV(ライフタイムバリュー)。「言葉としては知っているけど、計算方法が分からない」という方もいらっしゃるのでは?LTVを計算するための考え方を具体例にもとづいて解説するとともに、注意すべきポイントやLTV最大化の方法を解説します。

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目次
LTV(ライフタイムバリュー/顧客生涯価値)とは?
LTVとは、“Lifetime Value”(ライフタイムバリュー)の略で、日本語では「生涯顧客価値」と言います。 お客様一人が生涯にわたって、どれだけ自社の商品・サービスを買ってくださるか?そのトータルの売上を合計した金額が、LTVです。
近年、LTVが重要視されるようになっていますが、背景には事業者数の増加があります。たとえば、通信販売の事業者数を見てみると、2016年には28,009だった事業者数が、5年後の2021年には31,353と約3,000の事業者が増えています。
参考:令和 3 年経済センサス‐活動調査
平成 28 年経済センサス‐活動調査
事業者が増えるということは、競合企業が増えるということなので、新規顧客の獲得難易度が上がります。そのため、すでに自社と取引のある既存顧客から繰り返し買ってもらう動きが活発になっています。
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LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法
LTVの計算方法は、いくつかありますが、以下の計算方法が一般的です。
LTV=購入単価(円)×購買頻度(回)×継続期間(年)
基本的にLTVはお客様1人当たりで算出するため、購入単価、購買頻度、継続期間は平均値で計算するようにしましょう。
たとえば、毎月化粧品が送られてくるサブスクリプションサービスの平均顧客単価が5,000円で、平均の継続期間が1年だった場合は、以下のようになります。
5,000円×12回×1年=60,000円
ただ、平均の購入単価、購買頻度はすぐに分かるけど、平均の継続期間がすぐに出せないという方もいらっしゃるかもしれません。そのような方でもすぐに平均の継続期間が出せる方法を紹介します。
結論としては、
平均継続期間(ヶ月) = 1 ÷ 解約率
で算出することができます。
では、解約率はどのように計算できるかというと、
解約率(%)=今月の解約数 ÷ 前月までの顧客数
たとえば、前月末時点で100人いたお客様のうち、今月12人のお客様が解約されたしたとします。
この場合の解約率は、12 ÷ 100 =12%です。
さらに、平均継続期間 = 1 ÷ 12%
= 1 ÷ 0.12
= 8.333…
= 8ヶ月 です。
公式だけではなく、平均継続期間の算出式の仕組みをしっかり理解したいという方はこちらの記事をご覧ください。
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データベースが整っていない企業のLTVの計算方法
LTVの計算は、通販企業であればCRMツールやECカートなどのシステムを導入することで、簡単にできるでしょう。
システムからExcelで顧客ごとに紐付いた売上などのデータをダウンロードすれば、先ほどの考え方にしたがって算出できるはずです。また、分析ツールを導入して自動的に算出できるようにしている企業もあります。
しかし、まだデータベースが整備されていない企業では、顧客ごとの売上がすぐに算出できない場合もあります。その場合は、売上を顧客数で割ることで簡易的に計算できます。
LTV = 1年間の売上(円)÷ 1年間に購入した顧客数(円)
通販企業の場合は、LTVの計測期間を1年と置く企業が多いので、売上の合計と顧客数の合計を1年間としています。なお、顧客数については、1年間で3回購入した場合でも、1人と計算しましょう。
ただし、この式で求められるLTVはお客様の初回購入した時期によっても左右されてしまう、あくまで暫定的な数値です。長期的な事業の発展のためには、LTVを手間なく算出できるシステムを導入した方がよいでしょう。

1年間などでLTVを算出する場合の考え方
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よくある質問2つ
通販事業部に新しく入られた方に、LTVの概念や計算方法を説明すると、以下のような質問をいただきますのでお答えしていきます。
LTVの計測期間ってどれくらい?
LTVは「顧客生涯価値」と言うように、本来は生涯の売上ですが正確に計算することが難しい数値です。そのため通販業界では、「初回購入から1年間」をLTVの計測期間として運用する企業が多いようです。理由としては、定期的に使う商品を販売していることが多く購入サイクルが短いためです。
通販業界以外の多くの企業でも「初回購入日から○年後」など一定の期間を定めて、その期間の売上をLTVとして計算しています。商品によって顧客の回転サイクルが異なるので、そのサイクルに合わせて計測期間を設定できると良いでしょう。
LTVの計測期間が1年間ではPDCAが回せないのでは?
通販業業界では、「初回購入から1年間」をLTVの計測期間と置く、とご説明しましたが、その場合でも「1年後にLTVをみて改善施策を決定する」となると事業環境も変化してしまい、PDCAを回すサイクルが遅いのでは?という懸念があるかと思います。
そこで多くの企業では、最終的な指標としてLTVを見ながら、LTVに影響する中間指標も設定してPDCAを回していく企業が多いようです。
たとえば、「定期顧客の継続率を高めて、LTVをアップしたい」という場合では、「3回目までの離脱率」がLTVに影響するでしょう。また、「お試し商品を購入した見込み客に本商品を買ってもらい、LTVを高めたい」という場合は、1回目から2回目の本商品への移行率(=引き上げ率)が検証するべき指標となるでしょう。
過去のデータから、LTVと関連する中間指標は何か?を検証したうえで、その中間指標をもとにPDCAを回していきます。
LTVの分析方法についての記事も、よければ合わせて参考にしてみてください。
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LTVを最大化させるためには?
ここまでLTVの概念や計算方法を解説してきましたが、重要なのは現状のLTVを把握した上で、どのように改善・最大化していくかです。
LTVの最大化をするには、大きく分けて2つの方法があります。
- 購入回数を増やす
- 購入金額を増やす
先程のLTVの計算式に当てはめると、このようになります。
それぞれ具体的な方法については、以下の記事を参考にしていただけるとよいでしょう。
【購入回数を増やす】
【購入金額を増やす】
ただし、LTVを最大化するために1番重要なのは「お客様のためになる商品を作ること」。適当に作った商品を、上記の記事に記載してある施策のみで売る方法は、長期的に見るとLTVを最大化することは厳しいでしょう。
この記事を参考に改めて自社のLTVを計算し、現状と課題を把握した上で、LTVの最大化を目指していきましょう。
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