単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

インフォマーシャルとは?費用対効果アップ事例と、売れる番組の制作法

テレビで盛んに放映されている通販の宣伝用番組、いわゆる「インフォマーシャル」とは?を初歩から説明します。さらに効率的なメディアの選び方や「売れる番組」の制作方法、費用の相場やレスポンス改善事例などを、現場での実践知を踏まえて解説します。

番組の「尺」(時間)ごとの費用の目安(※)

目次

インフォマーシャルとは?通販企業がテレビで放映する、広告用番組

 

インフォマーシャルとは、通販会社が自社の商品を販売するために、テレビ局の広告枠を活用して放映する番組のことです。
「インフォメーション」と「コマーシャル」を組み合わせ、元々は米国で生まれた造語です。
 

タレントやアナウンサーがスポンサーの商品をPRする、テレビショッピング番組はおなじみですね。
ダイエット器具や生活雑貨などを体験しながら宣伝しているCMも、ご覧になったことがあると思います。

テレビショッピング

最近ではテレビを見ていると番組の合間に、美容や健康がテーマの情報番組風の広告を目にする機会が増えているのではないでしょうか?
特に化粧品や健康食品など「単品リピート通販」と呼ばれる業態で、新規顧客獲得のため盛んに活用されています。
 
 

テレビCMとの違いは?

 

一般的なテレビCMとの違いですが、1つ目はその長さです。
15秒間や30秒間がメインのテレビCMとは異なり、60秒間以上の長さが一般的。
最長では、54分間の番組もあるくらいです。
 

2つ目は、商品の購入まで落とし込む導線を設計していること。
単に商品名や機能を紹介するだけでなく、「愛用者の声」や「成分が効果的なメカニズム」など、商品を欲しいと思ってもらうための情報を盛り込みます。
最後に「今なら8割引で、1,000円」「お申し込みはフリーダイヤルまで」など、欲しい!と感じた方がすぐにアクションをとれるようにしています。

 
 

いわゆる「TVショッピング」のこと?

 

また「テレビ通販」や「テレビショッピング」というと、情報番組でタレントやアナウンサーなどが次々と商品を紹介していくような印象を抱かれるかもしれません。
 

インフォマーシャルは、テレビショッピング形式の番組も含みますが、テレビCMのように1社が広告主となって自社の商品を紹介するパターンもあり、見せ方はさまざまです。
 

(参考:「『キャラバン型』テレビ通販番組とは?広告費用や制作方法を解説」)

 
 

メディア(媒体)は、CS局から地上波キー局まで5種類

 

では、インフォマーシャルを出稿したい場合、どのテレビ局に頼めばよいのでしょうか?
 

放映できるメディア(媒体)は、「地上波キー局」「BS局」「ローカル局」「独立U局」「CS局」の大きく5つに分類されます。
 
テレビ局ごとのメリット・デメリット
 

CS局やローカル局・独立U局など限られた視聴者が見るテレビ局と、地上波キー局のように全国の視聴者に届くテレビ局とでは、広告費や獲得件数、考査の厳しさなどまったく異なります。
(「テレビ通販を始めるとき、メディア・バイイングで知っておきたい5つのポイント」より)
 
 

地上波キー局やBS局に流せば、日本中の視聴者へ

 

ほとんどの方に馴染みがあるのは、地上波キー局。
「日本テレビ」や「TBS」など全国ネットで放映すれば、日本中の視聴者に番組を届けられます。
 

「BS朝日」や「スターチャンネル」などBS局も、同様に全国向けに放映されています。
その分、獲得件数も多くなりますが、その分広告費も高くなります。

 
 

ローカル局・独立U局・CS局で、小規模からスタートも

 

そこで、小規模の予算からスタートする場合にオススメが、スカパー!に代表されるCS局。
スポーツや映画、音楽などの専門チャンネルが多数あるので、ターゲット顧客が興味を持ちそうな局で、まずは小規模にテストしてみるのもよいでしょう。
 

「東京MXテレビ」や「サンテレビジョン」といった独立U局、「岩手めんこいテレビ」や「四国放送」といったローカル局も、特定の県や地方に絞ってプロモーションを展開できます。
 

「どのメディアから始めるべきか?」は、媒体予算や獲得目標、広告表現のレベルと考査の難易度などによって、適切な答えが異なります。
それぞれの媒体の特徴やメディア選びで押さえておきたいポイントは、別の記事にまとめているので、よかったらご覧ください。
 
 

費用の相場は?「制作費」と「媒体費」に分けると

 

WEB広告や紙媒体と比べても、多額の費用がかかる印象のあるテレビ広告。
初めて取り組む場合は、どれくらいの費用を見ておけばよいでしょうか?
 

インフォマーシャルの費用は、制作費と媒体費に分かれるので、順番に見ていきます。
 
 

制作費は、数百万円かかるのを前提に

 

まず制作費ですが、200〜700万円程度を目安に考えておきましょう。
金額の幅が広いのは、番組の内容や時間、出演者などによって料金が異なるからです。
 

目安として、短尺(60秒から300秒程度)では200〜400万円、長尺(14分〜29分程度)では500〜700万円がかかると覚えておけばよいかもしれません。

(「インフォマーシャルの費用は?制作費・媒体費など料金の目安を解説」より)
 
 

番組の「尺」(時間)ごとの費用の目安(※)

番組の「尺」(時間)ごとの費用の目安(※)

 
 

初期費用として、カメラマンや照明スタッフなどを動かす「撮影費」に、モデルやナレーターなどの「出演費」、専用スタジオを借りるなど「編集費」がかかります。
また番組が完成した後も、枠の時間に合わせてまたはテストに編集する場合は、その都度編集費が発生します。
 

制作会社やプロダクションに発注するときにも、「何に費用がかかるか?」の全体像を理解しておくと、スムーズに交渉しやすいでしょう。
 

※上記の広告予算と制作期間はあくまで目安になります。放送する局や曜日・制作期間は台本の企画次第で大きく変わります。
 
 

媒体費は、予算に応じてプランニング

 

制作費はある程度の目安があるのに対して、媒体費は「枠」によって大きく異なります。
 

たとえばCS局では、枠によっては数万円から番組を流せることがあります。
初期に広告費をできるだけ抑えてテストしたい場合は、CS局を中心に 1ヶ月に150〜300万円程度からスタートするのも可能です。
 

視聴者が限られている「CS局」や「独立U局」は費用も抑えられ、地上波(キー局)はじめ視聴者が増えるほど、料金が高騰していきます。
地上波(キー局)まで広げると、インフォマーシャルに力を入れている企業では、1ヶ月に3〜5億円を投入する場合もあるくらいです。
(「インフォマーシャルの費用は?制作費・媒体費など料金の目安を解説」より)
 

予算規模や獲得目標を広告代理店などに伝えたうえで、番組の尺(長さ)や放映するテレビ局、曜日・時間帯と合わせて費用を提案してもらうとよいでしょう。
 

 

広告の売上への効果は?測定指標(KPI)とともに解説

 

広告にかかる費用を解説しましたが、それによってどれだけの効果を見込めるのか?を今度は見ていきましょう。
具体的なケースをもとに、費用対効果を測定する指標(KPI)とともに考えていきます。
 
 

「売り切り」型の商材では、初回売上から「MR」でみる

 

ある通販企業では、1万円の雑貨を販売しています。
テレビに500万円の広告費を投資して、800件の受注を獲得できました。
 

この場合、1回の広告で上がった売上は1万円×800件=800万円。
すなわち、投資対効果(ROI)は800万円(売上)÷500万円(費用)=160%です。
 

ダイエット器具や生活雑貨、あるいは食品などリピート購入が見込みにくい「売り切り型」の商品は、初回売上額にもとづいて、いわゆるMR(メディアレーション)という指標で費用対効果を考えることが多くあります。

 
 

リピート商材は、「CPO」と「LTV」で判断

 

一方、化粧品や健康食品などリピート購入しやすい商材の場合はどうでしょう?
 

テレビに500万円の広告費を投資して、同じ1万円の商品でも、注文件数は先ほどの半分で400件でした。
このとき、注文件数あたりの費用(=CPO)で広告効果を計算すると、500万円÷400人=12.500円
この金額が、新規顧客1人あたりを獲得するためにかかっています。
 

これらの顧客が一定の割合で、2回目以降も購入します。
顧客データベースを分析すると、1人あたりの顧客の売上(=LTV)が2万円になるという統計が出ていました。
 

1人あたりの収支を換算すると、12,500円の広告費を投資して、20,000円の売上に貢献してくれることになります。
商品原価や受注・決済の費用を含めても採算が合えば、ビジネスは拡大していけるのです。
 

このように業態や商材に応じて適切な指標(KPI)を設定したうえで、費用対効果を判断するのが大事です。
 
 

「売れる番組」を制作するために押さえておきたい、テスト結果と法則

 

通販で売れるか否か?を左右するのは、「クリエイティブ」。
これは、紙媒体やWEBメディアと同じように、テレビにも当てはまります。
 

では「売れる番組」は、どうやって制作すればよいでしょうか?
 

インフォマーシャルを手がける制作会社や広告代理店はいくつかあるので、発注すれば数百万円の費用で制作してもらえます。
ただし「丸投げ」「任せきり」にせずに、「どんな映像を作れば、反響を獲れるか?」を通販会社も自身で考えた方がよいでしょう。
 
 

ネガティブ訴求が、レスポンスの良い傾向

 

私たちも数多くの番組を制作してきましたが、よく相談を受けるのが、商品の効果やベネフィットを前面にした「ポジティブ訴求」と、悩みを押し出した「ネガティブ訴求」のどちらがよいか?です。
 

商材にもよりますが、インフォマーシャルにおいては「ネガティブ訴求」の反響が出やすい傾向が知られています。
 

たとえば膝関節に痛みを抱える方が愛用する健康食品なら、「坂道」や「階段」など歩くのに不自由を感じたシーンを思い描いてもらいやすい描写をします。
また化粧品なら、”鏡に頬を近づける表情をグレートーンで、さらに沈んだ効果音で演出”など、一人称視点のカットで、注目を集めます。

(「制作会社任せにしてはダメ!インフォマーシャルで売れる番組の“鉄板”パターン」より)
 

「私の悩みについて、言っている!」と“自分ごと”化して、注目してもらえるようにしましょう。
 

 

「限定性」や「緊急性」を強めたオファーに

 

また、テレビ通販で買い物するお客様に多いのは、「衝動買い」。
そのためオファーも、「テレビ通販限定」などでお得な割引価格を提示したり、「2個買った方にはもう1個」などプレゼントでお得感を伝えたりしましょう。
 
 

保存して後にも検討できるWEBや紙媒体とは違って、テレビでは放映している時点で注文しないと、忘れられてしまいます。
そのために「今から30分以内に有効」と時間限定のキャンペーンにしたり、電話で注文が殺到している様子を見せたりして、刹那感を演出します。

(「制作会社任せにしてはダメ!インフォマーシャルで売れる番組の“鉄板”パターン」より)
 

「お得に買えるのは、今しかない!」と訴えて、電話をかけてもらえるようにアクションを促しましょう。

インフォマーシャルの“鉄板”4つのパート

インフォマーシャルの“鉄板”4つのパート

 
 

レスポンス効果の改善事例と、テストの方法

 

売れる番組を作るために、過去の成功パターンにもとづくのが大事なのはもちろんですが、そのうえでテストを重ねて改善していくのも同じく重要です。
レスポンス結果を見ながら、仮説と検証を繰り返していきましょう。
 

 

冒頭のシーンを15秒間差し替えるだけで、レスポンスに大きな差

 

最もレスポンスに影響が出るのが、「アバン」(Avan Titleの略) と言われる、キャッチの役割をはたす冒頭15秒間程度のシーン。
このアバンを複数パターンを差し替えられるように制作していきます。
 

オーソドックスなのが、お客様に商品の使用体験を語ってもらう「愛用者の声」。
それに対して、商品を使ったことのない体験者が視聴者と同じ立場で使い心地など語り合う「座談会」という表現手法もあります。
 

あるヘアカラー商材では、「座談会」に比べて「愛用者の声」が25%アップした事例もありました。
 
 

「まとめ買い」と「割引」、効果的なオファーはどちら?

 

「2個ご購入で、今ならもう1つプレゼント!」など、オファーも大きなインパクトがあります。
 

おまけ(左)と割引(右)のオファーでレスポンスを比較

おまけ(左)と割引(右)のオファーでレスポンスを比較

 

ある通販企業では、オファーA「2つ購入すると、もう1つプレゼント」とオファーB「3つ購入すると、全部で33%オフ」の2パターンをテストしました。
 

商品は1つ2,000円なので、1個当たりの価格はどちらも1,330円と、最終的には同じです。
比較テストしたところ、Aのオファーの方がレスポンスが高く、費用対効果も135%良くなりました
 

健康食品・化粧品通販で効果あり!インフォマーシャル改善事例5選」という記事にも載せていますが、構成要素ごとにA/Bテストをくり返すことによって、レスポンスがアップしていきます。

 
 

スタートするなら、どの会社に頼めばよい?外注先早わかり

 

最後に、インフォマーシャルの出稿を「これから始めたい!」という方は、どんな会社に相談すればよいでしょうか?
 

番組制作やメディアバイイングなどには、専門的なスキルやネットワークが必要です。
主なアウトソース先として、制作会社と広告代理店、コールセンターを押さえておきましょう。
 
 

番組づくりは、制作会社・プロダクションへ

 

番組(映像素材)をつくるのは、一般的に「動画を撮る」と比べると、専門的な技術が必要です。
制作会社や映像プロダクションなどに、外注するのがオススメです。
 

撮影や編集だけでなく、出演するモニターやモデルなどの手配も合わせて請け負ってくれるところを探すと便利でしょう。
映像制作といっても、一般的な「テレビCM」のようなブランディング寄りになってしまわないよう、インフォマーシャルはじめダイレクトレスポンス系に強い会社を探しましょう。
 
 

メディアバイイングは、広告代理店に依頼

 

テレビ局や広告枠も無数に存在するなかで、1つ1つのメディアを把握したうえでのプランニングや発注など出稿時のやりとり、またレスポンスの検証などを行うのは困難です。
そこで、広告代理店を通して媒体枠を押さえるのが一般的です。
 

詳しくは別の記事(「尺」「枠」「考査」とは?インフォマーシャルを始める方向けQ&A)にも書きましたが、考査や法令遵守(薬機法など)にも、専門的な知識やテレビ局とのネットワークが必要です。
インフォマーシャルの経験が豊富な広告代理店に依頼するのがよいでしょう。
 

なお、インフォマーシャルの経験豊富な広告代理店のなかには、制作機能も併せ持っている会社も、一括して頼めると便利です。
 
 

コールセンターを外注するなら、アップセルのトークも

 

インフォマーシャルからの注文は、現時点では電話がメインの場合が多いでしょう。
広告からの注文が増えて、自社で受電しきれなくなると、アウトソースに切り替えまたは併用するのが一般的です。
 

インフォマーシャルに限らず、通販に強いコールセンターがお薦めです。
単に受注の対応をするだけでなく、「定期購入への引き上げ」や「まとめ買いへの誘導」などアップセルのトークも展開してくれ、投資回収のスピードを早めやすくなります。
 
 

最後に:WEBでの刈り取りなどオンラインと接続も

 

インフォマーシャルを始めるときの外注先として、制作会社や広告代理店、コールセンターを紹介しましたが、この他にも必要な準備はあります。
 

たとえば、最近ではテレビを見てWEBサイトで注文するパターンも増えているので、リスティング広告やサイト改善と合わせて、オンラインとオフラインの接続を企画できるとよいでしょう。
 

弊社でも、インフォマーシャルの番組制作からメディアバイイングまで、健康食品や化粧品など単品通販企業を中心にお手伝いしています。
これからインフォマーシャルを始める方がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください。